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お隣さんから 2

2010.08.21 (Sat)

第一話

お隣さんから 1


第二話

十年前のあの日私は二十二歳だった。
社会人になったのが二十歳。
その際、教育係として付いた先輩が私の彼氏になった。

池登 進

それが、彼の名前。
苗字からのインスピレーションなのか何故かあだ名は”コイちゃん”だった。
教育中何度もコイちゃんとぶつかった。
あれこれ喧嘩をして仕事のやり方に関して文句を言うなど、生意気な新入社員で名だたる悪名高き女として私は会社の中で有名になってしまった。
付き合い始めたものの、あっさりと新入社員との浮気が発覚。
一人ならまだしもなんと新入社員ほとんどに手を出していた。
ぶん殴った帰り道に寄ったこの店。

「また、ここに来てたの?」
迎えに来た夫。
私は結婚した。

あの時私を拾ってくれたマスターの息子。
高校生だった彼と。

「あの事件は終わってないから」
「終わったんだ。あれは、終わったんだよ」
「終わってない」

不可解な話だった。
あの日、たった一度しか会っていない男の子っぽい女の子。
あの子が死んだ。
この店の中で。

出て行ったはずの店の中で焼死体となって発見された。
私より先に出て、店を閉めたマスター。
朝、マスターの家に偶然今の夫に拾われ連れて行かれた。
その時マスターと会っている。

出火したのはその時刻と断定された。
警察の調べによって。

唯一店に出入りで自由なマスターは家に居た。
店と自宅はどんなに走ったとしても三分はかかる。
更に、出て行ったはずの男の子っぽい女の子が何故店の中にいたのか。
不明点は多かった。

警察は不法侵入した後、焼身自殺と断定した。

「あの時、もし誰かこの店に入れるとしたらたった一人だね」
夫が小さな声で言った。
「誰?」
夫は私の目を見ながら答えた。
「君だよ」

そう、あの時あの店に無断で入ったのは私。
私だった。
でも、あの人はいなかった。
あの人は。

「そのこと、誰かに言ったことある?」

誰にも言ったことのない真実を言い当てられた私は、ずっと持ち歩いていた小さな果物ナイフを握り締めた。
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08:00  |  お隣さんから  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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