サイトマップ

スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

拍手する


蜘蛛の巣に捕らわれて

2009.10.31 (Sat)

病院の待合室。
総合病院の待ち時間ほど無駄且つ辛い時間帯は無い。
体調が悪く座っているだけでも辛いというのに、何時間も平気で待たせるのだ。
個人病院は何かあればすぐに総合病院へ紹介状を書く。
その料金を取られる理由も定かではないが、紹介料というのは一体何故発生するのだろうか。
名前を呼ばれても物の五分で診察は終り。

「検査結果を見てもう一度」

というのである。
いい加減にしろといいたい。
この五分のために二時間もここに座っていたのに。

様々なお決まりの検査を再度した後、待合室へ戻ったとき
聞き覚えのある名前が呼ばれた。
かなり珍しい名前だ。
親戚か家族か。
自然と名前を呼ばれ手を上げた人物に目が誘われる。

瞬間、汗が全身の毛穴全てから出た。
いるはずが無い。
あの女がここにいるはずがない。
その言葉が自分を足先から支配していく。

「こちらへどうぞ」
女は促され看護師についてい来る。
こっちに来る。
目が離せない。
心臓の音が雑音を消す。
手の汗が涙を誘う。
震えが始まる。

「あら?」
声をかけられ、全身に針をつきたてられたかのような感触。
「こんなところで奇遇ですね。またお会いできるなんて」
唇の箸を持ち上げ笑うしぐさをするが、目は貫くように見ている。

「あなたのことを愛しているのは私だけしかいないというのを、まだわかからないのかしら?」
そっと女は顔を近づけ耳元で囁く。
「逃げられると、思わないで。あなたを愛することができるのは私だけ」
スポンサーサイト
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


きっかけを求めて

2009.10.30 (Fri)

学校では携帯電話が肉体の一部のように手放さず、授業中だろうが
かまわず操作する音が聞こえてくる。

カチカチカチ

その中で何が行われているかというと、小さなきっかけで大きな事件が起きている。
その事件が現実味が無いために映画やドラマのごとく主人公になれる気分を
味わえるからなのかもしれないがそういうのを客観的に見ていると
私はこの子達は現実で生きることを諦めた人種のように思えた。

学校の先生なんて仕事をすることにあるなんて
自分が学生の時には、考えられない話だった。
とはいえ、臨時職員というかそんな形の採用。
あくまで一定期間のみだ。

一般教科じゃないから。

なので彼らはまったく授業を聴こうとしない。
もちろん、こちらもその態度をわかっている。
かといって注意して聞くような馬でもない。
念仏でもなければ日本語を話しているが、理解できないのかもしれない。
理解しようとする言葉は自分にとって有益かどうかを判断して聞く。
既にふるいを持っている。
無条件に聞き入れる体制など皆無。

大人が振り落とされている現実。

そして事件が起きた。
普通教科の先生や担任などは生徒指導に関わる。
そのため相談できなかったのだろう。
私自身違和感を感じていたが、立ち入ったことを聞くというのははばかられた。
そう。
結局私も大人であり、職員であり、仕事であって、それ以上は「無関心」だった。

「いい?」
差し出された手を払いのけることはしなかったが。
「かなり、大きいよね」
「・・・目立つ?」
「観察してればね」
「・・・ヤバイよね」
「ヤバイって言うか、さっさと決めないとどうしようもないんじゃないか?」
私は煙草を取り出し火をつけて溜息をついた。
「・・・」
「お前の人生だ。お前が決めろ。何を言っても聞く耳を持たないお前達の前で授業していると
いつも思う。都合のいいときだけ利用するんだろうなって。
そうやってこっちの信頼裏切ってくるんだろうなって。
最後には無かったことにして無視するんじゃないかって。
大人だって言っても人間だから。俺だって人間だからね、完璧じゃない。
何かを教えるにしても仕事で見返りがあるからやっている。
生徒を育てようなんてでかいこと考えたことなど無い。
もし、本当にそういうこと考えている教師が一人でもいたらお前が相談する前に
声かけてるんじゃないのか?」
女子生徒は泣き出してしまった。
あぁ、面倒だ。
やはり、子供なんだと思い知る。
だが、俺はやめるつもりは無かった。
「誰だって自分が一番可愛いんだよ。面倒なことに関わるなんてもってのほかだ。
それも自分に責任のある行動をしたその結果の後始末を他人巻き込んでどうにかしようって
考えがそもそも甘いだろう。
子供だから許される?そんな考えか?
ふざけるなよ。だったら何で子供がそんなことをする?
なにがどうなるかくらい知識で知ってるんなら、こんなことにならないように
すれば言いだけの話だ。それくらい知ってるんだろう?
責任も持てないようなやつだからいうんだよ、大人は。
子供だって」

泣きじゃくる女子生徒は顔を伏せ、そのまま小さな声でごめんなさいといい続けた。

「謝るのは、そのおなかの子供に言うべきなんじゃないの?」

俺はそのまま職員室に向かい、保健の先生に相談。
女性の方だったので話しやすいだろうと思った。
その際、説教は既にこてんぱんにしたので受け皿になって欲しいというと
彼女は「面倒な話ね」と嫌々そうな顔をして見せた。

「さぁ、保健室においで。あと、彼氏の名前を教えてくれる?」

さっきとは打って変わった笑顔と口調で彼女は話しかけてた。
けれど、彼女は「彼氏なんていない」という一点張り。
頑なな態度に違和感を感じたが、その場に居合わせた教員の一人が青ざめていた。
そういうのだけはすぐにわかる。
そっと近づき耳もとで囁いた。
「死ねばいいっていったの、あんた?」
彼女が握り締めていた手紙にはそうかかれていた。
「わ・・私は悪くないっ!私は・・・」
「人を呪わば穴ふたつ。それでも彼女は呪いたかったんだろうな」
彼女の手から手紙を奪ったとき、ついていた藁の残りをその男に手渡した。
「お疲れ様、責任取れよ」

その後、彼の姿は唐突に消え神社の境内にある樹木に打ち付けられていた。
「自殺と・・・判断するには」
それが、この学校の七不思議の始まりだった。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

拍手する


アンケート作成ヒカルちゃん

2009.10.30 (Fri)

こんにちは 日下ヒカルです。

あれだけファンタジーに悩んでいて、何とか指が動き出し止らないくらいになってるんですが
かなり寂しいというか切ない話なんですね。
ドキワクなんてこれっぽっちも無くて。
どっちかというと、恋愛モノになってきてしまったんですよね。

さて、そんな中でこれって需要あるの?
このジャンルってファンタジーだけど・・なんか微妙?
と不安に駆られているわけなんです。

そこで、とりあえず途中で書きなぐっただけなんですが
冒頭部分を続きに貼り付けています。

続きが読みたい!と思われたら、拍手ボタンをクリックお願いします!m(_)m

冒頭部分、といいましたが6P分くらいあります。
結構長いかも。
なのでお時間のある際に読んでいただけると幸いです。

あ、もちろんコメントもお待ちしておりますっ!

おもしろくないわ・・・というコメントでも、全然構いません!

突然ですが、よろしくお願いしますm(_)m

追伸:
この記事は期間限定とします。
公募用にする可能性があるので・・・
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

拍手する


それがいいたかったの?

2009.10.29 (Thu)

何をやっても人より優れているなんてことは無かった。
理解も遅いし、何をやらされても私はできなかった。
人並みという波に私は乗れたことは無い。
溺れるだけ。

「こうやっていけばいいだけだよ。焦らなくていいよ」
笑っていう友達の顔も逆に私は不安だった。
もちろん、彼女が私を励ましていってくれているというのは理解できる。
けど、心はついていかない。
同じ立場じゃない。
立てるはずが無い。
それは誰しもそうだけれど、彼女はそれなりの努力をして得た結果を手にしている。
努力を怠っただけといわれればそれだけなんだろうけれど
自分には精一杯の話だった。

もちろん、そんなこと誰も信じてはいない。

「あんたって、なにさせても中途半端ね」
そうやって両親は私を見て笑う。
「落ち込んでたって仕方がないんだから、ちゃんとやっていけばいいでしょう?」
そうやって、簡単にできるかのようにいう。
「大丈夫よ、お兄ちゃんが教えてくれるから」
そうやって、教えてもらえばできると思い込んでいる。

何故?
どうして、何させてもできないとわかっているのに
誰かに何かをさせてそれに協力してもらい、自分を否定する言葉を聞かされ続けて
何かがわかるといえるのだろう。
何かができると思えるのだろう。

成績なんて、ちっとも変わらないのに。

「お前、またこんな点数取ったの?」
呆れた兄の声。
けれど、兄は懇切丁寧に説明してくれる。
でもその問題がわかっても、ちょっと変わっただけで私は理解ができない。
「そう焦ってやらなくてもいいよ。そのうちできるって」
兄はそういってくれるけれど、どこからそんな言葉が出てくるんだろう。

みんな、目は見えてるし声も聞こえてるし私の存在を理解しているのに
どうしてそんな風に定義付けることができるのだろうか。
いつかどうにかなる。
できるようになる。

なんて、根拠の無い言葉なんだろう。
そうやって期待させて、何が変わるんだろう。

「今度のテストは、頑張ってね」
そうやって私に笑いかける。
多分、気を使ってるんだろうけれどそれが余計に追い詰めるって
何でわからないんだろう。

できないことだってあるというのに。
なんでも努力すれば何でもできるものなの?
そこまで何もかも、みんなの笑顔と足並みを揃えて能面のように笑っていればそれで
私が満足していると思っているの?

何が大切?
勉強が?
笑うことが?
いい点数を取ることが?

「お前、次のテストはもう大丈夫だろう?」
進学校へ行く兄の背中は自信があるという文字が浮き出ていると思った。

私の背中には何とかいてあるのか私には見えない。

「ねぇ、今日のテスト大丈夫そう?」
心配そうに声をかけてくる彼女には、私はどう映っているのだろうか。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(16)

拍手する


試行錯誤のヒカルちゃん

2009.10.29 (Thu)

おはようございます。日下ヒカルです。

昨日、バスに間に合いそうに無くて膝痛めているのに走ったら
やっぱりもっと悪くなりました。
痛いです。

そんなこんなで、ずっとここ最近悩んでいることがあります。
それはファンタジーについて。
先の記事にも書きましたが、ファンタジーと聞くとある程度言葉は浮かびます。
しかし、どれも似たような話、どこかで見た話、そんな風に感じてしまうのです。
たとえどこかで見たような話であったとしても面白ければそれでいいと思うんです。
多分、どこかが新しいはずだから。
全部が同じじゃないと思うんですね。

ファンタジーと聞くと何を思い浮かべますか?

魔法 異世界 超能力 召還する 悪魔 天使 妖精 妖怪 

ありとあらゆるものが浮かびますが・・・

さて、他に何が浮かびましたでしょうか?
是非教えていただきたいです。
私の糧にさせてください・・・m(_)m

何か吸収しないと駄目ですね。
自分の中にある物語に対する栄養分が枯渇している気がします。
在れば、何も考えずともすらすら文字は出てくるんです。
勝手に話はできてしまう。
プロットも形がある程度決まっていれば方向性も見失わず
たとえ当初の予定と違う方向に行っても形を整えつつできる。

そんな作品作りをしています。

なので、作り出したら早いです。
途中詰まることがあったとしても、それは設定や環境に悩んだり背景にある世界観や
後は、言葉の使い方だったりで戸惑いますが一回は勢いで書き上げ
その後の推敲で大抵四回行います。
誤字脱字を含め。

一回の作品を作るのに大体原稿用紙換算で言うと400枚
平均して一日5000字。

クロたんの冒険シリーズや妄想劇場も長編にしても楽しい素材ではありますが
ぶっ飛んだ内容ですよね。。。
意外にも、妄想劇場は好評なようで驚きました。
本当に何もプロットも考えずにやっているので一人リレー小説のように
その場その場で考えています。

クロたんの冒険シリーズも同様です。

如何に、最後の台詞で次回が気になると思うか。
その点と意外な展開で終わるという形だけのスタンスをとっています。
CMの後で!なんていわれると速攻でテレビを切る私です。
それでも切りたくないと思わせるのは、それだけ何かひきつける言葉があるから
ということはそういう終わり方をすることによって長編でも読者が増える。
となると、常識的なプロットでやっていては飽きてしまうんですよね。
読み手としては。
長編になればちょっと重い部分のストーリーも出てきますし
全部が全部気になる展開満載!なんてストーリー大変です。
よほどの魅力が無い限り、不定期更新の小説を読もうという気にはなれないでしょう。

ショートショートの利点は、詠みたいと思った時に読めばそれでいいだけ。
前後に物語りもなく、以前の日付を検索して最初から読む必要もない。
その点だけでした。
飽きっぽくても読める。
読みたいと思ったら、とことん読める。

それだけです。

書き手もそうなると、楽なんですよね。

現在、ぶっ飛んだ話ですが連載中になってきましたね。
また、カテゴライズしていますが世界観だけ統一したオムニバス作品。
賽の河原シリーズ。
これまた、私の考えとはびっくり仰天なほど好評をいただいており嬉しい限りです。
鬼さんが急に優しい人で泣き虫さんにしてしまいましたが
そんな気がしてなりません・・・

長編でのファンタジー。

プロットを考えて、パーティーものはRPGじゃあるまいし
そういう系統は避けられる傾向があるとか。公募ではね。
ありきたり・・・といえば、ありきたりですからね。
スレイヤーズという本があるんですけど、まさにあれはファンタジーパーティーモノの
楽しさを絵に描いたような作品です。
すっげーはまりましたね。
アニメ化もされましたしね。

近未来的な話も多くなってきたし、マトリックス効果か超人的な能力も増えた。
後は、バイオハザードの影響か「未知なるウィルス」によってなんて話も。

現代に転化した魔法使いや超能力者。
ロボットに乗って戦う何か。
ペンダントや携帯電話で変身する何か。

中々・・・難しいですね。

出尽くされた、使い古された素材で新しいものを作る。

とりあえず今思いついている素材はありますが
だからなんだ?
って感じになっちゃってるんですよね。

生命の木 これはエヴァでも出てきましたねぇ。
でも、この素材自体は凄く意味が深くあって使えそうなんですよね。

あぁ・・・まったく関係ないロミジュリにしてみる?
異世界の人との恋愛

・・・あ、あるよねそういう話。
なんだっけ・・?
不思議遊戯だ。。

orz

いまんところ、洗濯機の中に洗濯物を入れて洗剤を入れようとしたけど
普通のでいいのかエマールにするのか悩んでいるような
そんな気分です。

洗濯表示、見忘れた。

どうでしょう、わかりやすい例えですか?

・・・うーん、、、悩み中です。
本当に。。。
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


双子の試練

2009.10.28 (Wed)

兄弟で比べられるものと質が違う。
まったく同じ顔をした、まったく同じDNAを持った、コピーがいるの。
目の前に。
笑うのよ。
まったく同じはずなのに、どうして。
何で違うの。

私のことを好きだって言ったのに。
私のことが一番可愛いって言ってたのに。

「拗ねるから言ってあげないと」
「やきもち焼だから仕方なく」
「可愛いっていえば機嫌よくなるし」

なによ。なによそれ。
なんなの。
私は、何を信じたらいいの。
あなた達の言葉は全部、嘘。
私の機嫌を損なわないためにその口から吐き出したのね。
私は憎い。
いつもいつも、そうだった。
最初に誉められるのも、最初に何でもこなすのは姉だった。

でもいつも大人は言うのよ。

「双子なのにこんなに違うんだな」

何よ
一緒じゃなきゃいけないの?
一緒じゃなきゃ私は存在すら認められないの?

どうして・・・。

「気にすること無いよ。いくら双子だっていっても私達は別なんだから」

慰め?!
安心できる位置に私を定義づけて自分が優位に立つその優越感はさぞかし気持ちがいいよね。
見下ろすと私がいるのだから。
必ず。
必ずそこにいるんだから。

「昔のこと考えてたの?」
隣にいる男の子は、まだここに着たばかり。
賽の河原にきて大泣きした鬼を見てびっくりしていた。
そりゃそうよね。

妹にとって私は邪魔で邪魔でしかたなかった。
比べられて苦痛でたまらなかった。
大人たちは悪気があって言ってるわけじゃないからこそ、傷ついた。
それを私もわかっていたから、言わないでほしいと頼んだけれど
余計にそれが傷つけたらしい。
どうしたらよかったのか。
どうすれば正解だったのか。

それを知る術はどこにも無い。

「お姉ちゃん。僕、お姉ちゃんみたいに大きくなるまでここにいるの?」
「さぁ、それは私にもわからない。でも私待ってるの」
「誰かを待ってるの?」
「うん。なんとなく・・・だけど、あの子のことだから多分追いかけてくるんじゃないかって」
「でもずっとおねえちゃんここにいるよ。お迎え断ったんでしょう?」
「もし、もしあの子がきたとき泣いていたら待ってたって言ってあげたいの」
「どうして?」
「私はね、双子でいつも一緒でおねえちゃんだからなんていわれたことも無かったけど
自分の中では大切な妹を守りたいとずっと思っていたから」
「妹に殺されたのに?」
「それであの子が救われるなら、私はそれでいいと思った」
「僕もパパとママが喧嘩しなくなるなら僕が死んじゃえばいいやって思った」
「そう思ったらすぐ死ねるね」
「そうだね」

子鬼が卵を抱えたまま走ってくる。
どうしたんだろう?

「お姉ちゃん!お姉ちゃんと同じ顔したお化けがいる!!」

半泣き状態の子鬼は卵を不安定に抱えているので
私のカーディガンを袋状にして卵を入れて抱えられるようにした。
足場が悪いため割ってしまいそうだから。

「お化けじゃないよ。ずーっと待ってたの」
「待ってた?!お化けを?!」
「双子って知らない?」
「知らないっ!!」

私は船着場について、笑って手を振った。
「待ってた。もう誰も比べる人いないから一緒に居ようよ」
「・・・お姉ちゃん・・・?」

けれど、子鬼のお父さんである泣き虫鬼が私の前に立ちはだかり
顔を真っ赤にして金棒を振り上げ妹を殴った。
潰れるほどに。
あまりのことに驚く間もなく、何が起きたのか理解できなかった。

「お前は、何人殺せば気が済むんだ」
川底から黒い手が伸び潰れて血みどろの妹に絡み付いていく。
「・・え?いやっ!いやぁっ!」
「まっ!待って!私はそこの子をずっと待ってたのよ!」
「黙れっ!こいつは比べるもの全てが憎いと、無差別に人を殺した」

「嘘・・・」

「お姉ちゃんが・・・お姉ちゃんなんかいたから!あんたなんかいたから私はっ!」
妹の血走った目が怖くて
恨んでいる顔が怖くて

悲しくて、動けなくて

私はその場で泡になって、河へ流れた。

「・・・どうなったの・・?」
「あぁやって、現世に戻り成仏を望まぬ魂になるんだ」
「止めないの?!」
「人の思いは複雑だ。会いに行くこともできない」
「そっそんな!!」

子鬼の泣き喚く声が最後まで耳に届いた。
08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(12)

拍手する


悩んでいます・・・

2009.10.28 (Wed)

こんばんわ 日下ヒカルです。

公募原稿でやったことのないジャンルに挑戦しようとして

結構苦戦しています。

ネタは浮かんでも文字が進まない。

つまり面白くないんですよ。多分・・・。

乗らない。なんか乗ってない。

さて、ファンタジーってなんでしょうね。

それがわかりません。
07:07  |  作者の言葉  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

拍手する


妄想劇場【快感編】

2009.10.27 (Tue)

前回までの全開話
1.妄想劇場【拾った編】
2.妄想劇場【飼育編】
3.妄想劇場【しつけ編】
4.妄想劇場【SM編】

**前回までの超簡単な解説**
ボストンバックを道の真ん中で拾う。
男が全裸で登場し、その後執事になる。
犬といったら、SM系の犬と勘違いし女王様セットを着ろと主人公に言い出し
主人公は大人しくボンテージを着た後
車に押し込まれ狼に豹変したセバスに絶句していた。
****************************

車の中にいる何をするのかわからないが、自称肩書き「調教師」の面々。
恐ろしさに、いや興味もあって、いや違う。
とりあえず、かくかくじかじかで私はボンテージを着ている。
ピンヒールは目の前にいるお姉さんが履かせてくれた。
ねっとりとした指先を絡ませつつ、体中がぞわぞわしながらも
胸でかい!などと一部分正気を保っていた。
これが正気かどうかはもう定かではない。

「着きましたよ」
運転手からの案内で車から降りると、明らかに怪しい雰囲気漂う建物。
突き刺さりそうな大きな門扉。
広がる手入れのされていない庭園。
風に踊る枯葉の音。
さび付いたドア。

「さぁ、調教を始めましょうか」
「お嬢様、こちらが支部です」

セバスは私を招き入れるようにドアを開けた。
くたびれた絨毯と、諦めた電球が床に落ちている。
その上をピンヒールブーツで歩いていると、「調教」の意味が分かった。

「もしかして・・・」
「そうです。わたくしは見ているだけで結構です。死にたくはありません」
「いや・・・でも」
「初めてですよね?そう、初体験。快感を味わうということすら知らないその体」
「え・・・いや、そういう問題でも・・・」
「白く赤く火照ると綺麗にピンク色になる。頬を染めたその顔も可愛いですよ」
「そうじゃなくて・・・」
「あぁ、大丈夫です。服を脱ぐ必要もありません。もちろん、縫いでも構いませんが」
「なんていうか・・・これは・・・ちょっと」
「心配ですか?大丈夫です、調教師の皆さんと共に過ごす縄の結び方を教授してもらいます」
「縄?なんに使うの?」
「ムードを盛り上げるために」
「どっちかというと、それ使うとき私死んでいる気がする」
「面白いことをおっしゃいますね。死んでいる気がする。そうではありません。死にます」
「これって楽しいの・・・?」
「私の言う調教を何と勘違いしていたかは存じませんがそれを望むのであれば、あなたの奥にある秘密に触ることになるでしょうね」
「どこからそんな台詞覚えてくるの?」
「BL雑誌です」
「読むの!?」
「勉強はたしなみです」
「なんつーか・・・楽しそうではあるけどさ」
「はい」
「やっぱり一人ずつがよくない?数多いし」
「そうですか?多数派のプレイを好まれる方は多いのですが」
「危険度高いよね」
「それが快感とおっしゃられますよ。皆様」
「その皆様に二度会ったことある?」
「ございません」
「じゃぁ、あそこに転がってる欠片は・・・」
「以前お会いした皆様の一部です」
「あ・・そう」

檻の中にいる彼を調教する。
それが、私に与えられた仕事。
いや、展開的にどうみてもセバスと私がなんだかかもし出す雰囲気あったのにこれ?
まぁいいや。

「ご紹介します。ライオンのランちゃんです!」
セバスは声高らかに紹介した。

「トラだよ。この子」
と、ポツリと私は呟いた。
固まるセバス。

つまらなそうにしているライオンと間違われたトラのランちゃんは
溜息をついて尻尾をぱたんと一回だけしならせた。
腹いっぱいという顔だ。
指やら手足が転がっているのはつっこむべきだろうか・・・。
つか、支部って・・・言ったよね?
本部って何してるの?
一週間私は何をするのだろうか・・・。

つづくっ!
08:00  |  妄想劇場  |  Trackback(0)  |  Comment(18)

拍手する


笑い泣き

2009.10.26 (Mon)

目覚ましの音が耳から進入し脳へ伝達した後、起す行動ではなく音を止める事をしてしまう。
起せと命じたのは僕なのに。
布団の中から手を伸ばし、それを止めると朝だということに気がつく。
それまで朝かどうかすら理解できていない。
今、目覚めたのだから。
起きてすぐに僕は笑った。
笑って涙が出た。
好きだといってくれた彼が僕を見たらどう思うだろうと不安だった。
いつも女とは思われない自分。
女らしさというものが売っているのなら購入希望者はここだと叫びたい。
背が高いことも胸がないこともコンプレックス。
女からもてても、嬉しいと感じたことはない。
彼女達が何を幻想し何を抱いているのか手に取るようにわかるから。
 それは、僕も求めているものだから。
「君が好きだといったら、驚く?」
それが会う前から貰った最高の言葉。
僕は嬉しくて何もいえなかった。
実際に会うことになった僕は、とても迷った。
何を着ていこう。
女の格好をするべきか。
アクセサリーはいるのか。
どうしたら。
焦った。
本当に焦った。
その動揺を見抜いたのは兄貴だった。
「お前はお前らしくしていけばいい。どうせばれる」
慰めなのか、詮索なのかわからないが七つ上の兄貴の言葉を信じいつも通り
男にしか見えない格好で待ち合わせ場所に向かった。

「美音?」
そういわれて、はっと顔を上げるとそこには僕の見た顔があった。
実在したんだと思った。
今まであれだけ電話していたのに。
「・・・美音だよね?」
ニッコリと笑う彼は僕を見ても驚いた顔をしなかった。
僕は内心ドキドキしていた。
男なのかと問われたらどうしようか。
女の子らしい格好したらといわれたらどうしようか。
けれど彼は一言もそんなことを言わず、「あえて嬉しい」と笑っている。
手を繋いで向かった先には車があった。
「ちょっと行きたいところがある」
「え?」
車に乗り込み向かった先は見知らぬ店ばかり。
なんとなく読める英語の店名は恐ろしいブランドばかり。
こんな場所に何をしに来たのか。
募る不安。
「ここ」
ついた店の名前は読めた。
Tiffany & Coと書いてある。
「え・・・ティファニー?」
「そう」
笑う彼はどんどん先に行く。
足取りが思い僕は、引きずられながら歩いている。
「いらっしゃいませ」
「指輪を見たいんですが」

彼の顔は最後までよく見えなかった。
目が覚めたときに笑った。
姉の部屋にあった雑誌を見たせいだろうか。
アクセサリーと考えて思いついたのがティファニーしかなかったからだろうか。
姉がいつも嬉しそうに笑っている顔は幸せそのものでプレゼントされたことを喜んでいた。
羨ましかった。
そう、羨ましかったんだと思うけどそんなこといえないし。
指輪を買いに行く夢を見るなんて。
けれど、僕は夢の中で幸せだったから望んでいるのかもしれない。
そう思ったら可笑しくて、笑いが止まらず、最後に涙が出た。
「いつか会えるかな?」
それが、今日送ったメールの言葉。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(12)

拍手する


バトントンのヒカルちゃん

2009.10.26 (Mon)

暴露バトンというのでやってみたけど、全然暴露じゃ無かったよ。

ドキドキして自ら踏んでみたのに。

では、どうぞ☆


地雷+暴露バトンバトン

Q1 地雷バトンです、ご愁傷様です。踏んで後悔してますか?
A1 自ら踏んだので痛くないですよ~
Q2 では、これからの質問に嘘っこなしで答えていって下さいね
A2 それは保障できないけど
Q3 先ず貴方の本名のイニシャルを教えて下さい(例:山田花子→H・Y)
A3 A・O
Q4 身長は?嘘偽り無く!
A4 152.5センチ だったはずだよ
Q5 体重もどうぞ、嘘っこなしですよ!
A5 4○キロ
Q6 あ、そうだ性別も
A6 女の子
Q7 よだれを垂らした事ありますか?
A7 いつどのような状況下で・・というのが無いので、あると言えばあるがないといえば無いけど。
Q8 寝てたらビクッとして起きた事ありますか?
A8 あるある。自分の笑い声で起きたとき、一番びっくりした。
Q9 万引きしたことありますか?
A9 万引き犯と戦ったことはある。
Q10 故意に動物を殺した事ありますか?(害虫は含みませんが、ただの虫は含みます
A10 蚊ってこと?それなら・・・
Q11 人を殴った(蹴った)事がある?
A11 人かぁ・・・ 今のところないですね。
Q12 骨折した事ありますか?
A12 ないよ~
Q13 気絶した事ありますか?
A13 ある。コロコロの椅子に座ってるんだけど、えいって蹴っ飛ばしてコロコロ~と行くはずが畳の縁に引っかかってそのまま後ろにひっくり返ってベッドの端で頭ぶつけて何時間かどこか遠くに行ってたよ。
Q14 嘔吐したことありますか?
A14 人生の中で(赤ちゃん時代を含まず)4回だけ
Q15 未だに思い出すと恥ずかしい事をどうぞここで暴露してください
A15 記憶から抹消するからわかんないや。。。
Q16 夢の中で「コレは夢だ」と思った事がありますか?
A16 普通に思うけどなぁ。
Q17 痴漢をしたこと、あるいはされた事ありますか?
A17 されたことはありますが、朝っぱらから人の尻揉む元気があることにある意味感心しました。
Q18 痴漢を見た事ありますか?
A18 見たことは無い。
Q19 露出狂にあったことありますか?
A19 あるある。小学生の頃に。友達と帰っていたらコートおじさん現る!ばばーんと出された何かを見てもみんな無反応で寂しそうにおじさんは消えた。
Q20 事故現場に遭遇した事ありますか?
A20 何度もね・・・orz
Q21 これは奇跡だ…!と思った事があったらどうぞ!
A21 車に引かれて無傷でした。私はチャリでしたけどね。
Q22 甘党ですか?辛党ですか?
A22 どっちでもないです。
Q23 好きなおにぎりの具は?
A23 混ぜご飯がすきなんですけど・・・
Q24 好きなおみそ汁の具は?
A24 お豆腐
Q25 視力はいくつですか?(メガネ・コンタクト無し)ついでにメガネ・コンタクト使ってますか?
A25 1.5ですよ~ 裸眼!
Q26 脇腹と足の裏どっちが弱いですか?
A26 脇!
Q27 年下と年上どっちが好きですか?
A27 年齢で人を見ないけど、年下はやっぱり抵抗あるね。
Q28 ここからは今の状態を聞いていきます
A28 了解
Q29 髪型と、髪の毛の色は?
A29 今はロングです。地毛の色ですが(クロ)、写真でとると茶色く見えるよ。
Q30 今の服装は?
A30 モコモコのフルモッコ
Q31 今の体勢は?
A31 机に向かってます。
Q32 今、聞こえている音は?
A32 タイピングする音
Q33 今、においってなんかします?
A33 ないですね
Q34 今、右見て何が見える?
A34 携帯電話の部品
Q35 左見て何がみえますか?
A35 一ヶ月間おかなを苦しめやがったキシリトールのガム
Q36 一番最後に食べたものは?
A36 オレオ
Q37 一番最後に飲んだものは?
A37 アクエリアス
Q38 一番最後に見たテレビは?
A38 地上波であった映画のコア。異様にカットされていてせっかくの地デジでも意味ないし。
Q39 一番最後に…このバトンの感想を嘘偽り無く!
A39 どこが暴露だったんだろう?
Q40 どうもお付き合いありがとうございました!コレ見た人は答えていって下さいね^p^!
A40 ご興味のある方はどうぞ!
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

拍手する


化け猫と化け女

2009.10.25 (Sun)

微妙なシリーズものになっています。
クロたんの冒険です。
日付の若い順から、ご覧くださいませ。

↓全部を単純に解説したプロローグ↓
-------------------------------
ある日突然、魔法使いになって(魔女名ルイーズ)
格好からはいってとんがり帽子のマント着て
ネコと合体させられて、耳と尻尾とひげが生えて
初の集会に出たら未来の自分が現れ時空転送魔法でm嫌いに飛ばされる。
桃香の家に到着後、クロたんは悪魔の化身だと未来の自分からメッセージを受け取る。
全ての問題をルイーズに託すとある丸投げ状態。
クロたんの冒険ノートを書き始めた途端、後ろに現れた男はルイーズを魔王と呼んだ。

-------------------------------

背後に現れたのは、黒い羽を六枚持つ超美形の男。
低い声で少しだけ唇を上げたように笑うその顔は、すっげー好みなんですけど!

「顔が赤いですね。どうかなされたのですか?」
「・・・いえ。別に、っていうか私が魔王かもしれないってクロたんの冒険ノートに書いただけ
主人公はクロたんですけど」
「クロたん・・・?あぁ、あれは化身です。あくまで本体ではありません。
ですが、危険な者とだけ申し上げましょう」
「危険らしいけど、何がどう危険なの?」
「・・・・そうですね、彼は能力の一部と言うべき存在です」
「誰の?」
「あなた様のですよ。ルイーズ様」
「様って・・・あなたは誰?」
「若いあなたに再び会えるとは思っておりませんでした。
申し遅れました、この時代のルイーズと結婚した夫です」

なんだって?!

「は・・・?」
「面白いですね、他の次元のあなたとは合うことを禁じられていましたから
合うまで正直に言うと信じていなかったのですよ。時空転送などというばかげた話を」

コンコンとノックして、桃香が部屋に入ってきた。
やばい!と思ったが桃香は、パッと顔を明るくして一言「おじーちゃん!」といって
飛びついたのである。

「やぁ、桃香。こんばんは」

・・・じーさんだぁ?!
じゃぁ、この黒い羽を六枚も持った悪魔っぽい人が私の旦那様なわけ?

「おじーちゃんもご飯食べなきゃ!残業はダメだよ!」
「はいはい。今行きます」
「・・・残業?」
「えぇ、悪魔もそれなりに残業がありますから」
「悪魔って・・・あなた悪魔なの?」
「あぁ名乗っていませんでしたね。僕は元天使、つまり堕天使のルシフェルです」
「・・え?!あの有名な・・・」
「えぇ、人間界では有名のようですがそれなりの役職ですので悪魔とはいえ仕事は多くて」
「役職って・・・」
「ある程度大きな企業ですからね」
「企業?」
なにいっとんのじゃ、こいつは。
悪魔が残業で役職で仕事で・・・?
わけがわからん。

「魔女ルイーズの護衛は悪魔社会でも大問題です」
「なんで?」
「魔女は悪魔と契約して誕生するもの。けれど、あなたは魔王の生まれ変わりですから」
「んなわけないでしょう」
「・・・自覚がない様子ですね」
「あったら怖いわ!」
「わかりました。簡潔に話しますと、あなたは悪魔の頂点魔王のご子息です」
「女の子ですけど」
「失礼しました。お嬢さんです」
「そして大佐として活躍しているこの時代のルイーズは、今・・・」

突然、羽が消えそのままスタスタと廊下を急ぎ足で歩きだした。
何この人。
どうかしたの?

「あぁ、お久しぶりでございます」

やっと起きやがったストーブの前に伸びているクロたん。
のんきにあくびをして、背伸びをして、カーペットの端っこで爪を研ぐ猫に
ルシフェルという悪魔さんは深々と頭を下げた。
「・・・誰じゃ?」
「長男の太郎です」

なんですとぉ?!

リビングで私の悲鳴は絶叫といっても過言ではないほど、響いた。
08:00  |  クロたんの冒険  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

拍手する


最後の我侭

2009.10.24 (Sat)

高校生の最後の秋の終り頃、私は最大の嘘をついた。
けれど、友人は何も言わずただ涙を流した。

その前日。
踏み切りのある駅で、私は立っていた。
踏切が上がった瞬間、どういうわけか車が猛スピードで後ろから突っ込んできた。
音に驚いた私は振り返った。
運転席を見た。
その顔には見覚えがあった。
形相もすごく恐ろしかった。
激しい音と、再度踏切が下がる音が混じり、最後に何かが潰れる音が響いた。

大騒ぎになったこの事件。
背景には色々な事情が絡み合うなんていう言葉で濁されていたが
いろいろな事情こそが恐ろしいこの結果を生んだというのにと思っていた。
そのニュースを見た友人は即座に私に電話をしてきたがそれをとることはできなかった。
次の日、真っ青な顔をして私の家に来た友人に私は玄関先でであった。

「嘘?!」

それが、第一声だった。
そりゃそうだ。

「ねぇ、今日学校サボろうよ」
そういった私の言葉に彼女は何も言わなかった。
ニッコリと笑って私はそのまま歩いて、彼女の前を行った。
「久しぶりじゃない?ここ」
長い防波堤の上で、綺麗な波が音を立てている。
誰もいない砂浜の青い海。
「流石に寒いね」
笑って彼女の顔を見るが、顔は今にも爆発しそうなくらい何かを抑えていた。
「そう、焦るなって。大丈夫だから」
私は笑ってみせた。
何もかも、彼女はわかっている。
それを認めたくないだけで。
でもきっとそれを助けて欲しくて私のところに来た。

「そうなんでしょ?」
何も言わずそう聞くと、彼女はとうとう泣き出した。
「泣くなよ。大丈夫だって。一人じゃない、大丈夫。一人じゃないよ」
そうして私は彼女を抱きしめた。
彼女は驚きやっと声を出した。
「・・・そんな!」
「今頃気づいた?」

意地悪そうに笑った私は、背中をたたいて走り出した。
海のほうへ。
泡になって溶けるために。
彼女も私を追いかけてきた。
その瞬間、彼女の心臓は病院で止まった。

「ごめん、嘘ついて」
海の中で私は彼女にそう伝えた。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


またお絵かきヒカルちゃん

2009.10.24 (Sat)

なんとなく 続いているお絵かきヒカルです。

んー・・・

セクシーに書きたかったんだけど

難しいです。

うーん

気に食わないけど 書いちゃったからUPしてみたのでした。

うーん・・・(ーー;

rakugaki1.jpg
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

拍手する


そして誰も・・・

2009.10.23 (Fri)

寒くなってきた朝に暖かい紅茶を飲む。
ベッド脇までワゴンを押し、ティーポットから何も言わずに入れてくれる。
「フレーバーティー?珍しいね」
何も言わず女は立ち去る。

白い部屋。
白いシーツ。
白い壁。
白い格子窓。

全てが真っ白。

窓の外を見ても、いつもの風景。
振り返り、部屋の中を見渡してもいつもの絵だった。

「寂しいなって、思っただけなんだけど余計に寂しくなるものね」

映画を見た。
ありきたりのパターンで、どこかで見た映画が発端となったオリジナルストーリー。
ウィルスに侵された世界。
ラグナロクを迎える世界。
死なないヒーロー。
アクロバットなカーチェイス。
人が次々と死んでいく様。

それが、全部現実になった。

「話すことだけ、させなかったけどなぁ・・・」

何もかも、話さなくなった。
どうしたら話を聞いてくれるのか試行錯誤したが、まったく私の話は聞き入れられなかった。
いつからこんなことに?
いつからこんな生活を?

思い出せない。
覚えていない。

初めから、初めからこうだったのかと思うほどに。

「今日も綺麗だね」
お決まりの台詞。
お決まりの顔。

「さぁ、一緒に出かけようか」
私はいつから、ここにいるの?
私はいつ、あなたとお話できるの?

「人形にするのは案外簡単だったな」
ねぇ、それは誰に言ってるの?
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

拍手する


面白い現象ヒカルちゃん

2009.10.23 (Fri)

そんなこんなで 日下ヒカルです。

ここ最近、自分を表す言葉「俺」だの「僕」だの書いていると面白いことに

アクセス数が激減しました☆

ネカマか?!

という疑惑が出てきたのでしょうね。

面白いですね。

こうもあっさりと・・減るって寂しいよヒカルちゃんは・・・orz

まぁ、時々こういうふうにヒカルちゃんシリーズを書いていますが

何度も出てきている私の写真をご覧になっていただければ

わかると思います。

というか、わたくし、以前いってますよ・・・ね?

私、生物学上「」ですから。

プロフィールの写真も、銃構えているTOPもですよ。

もちろん超加工していますが・・・基本ベースはわたくしでございます。

年齢は公表していませんが、性別はまぁ・・・言わなくてもわかるくらいの

加工していないノーマル写真もUPしている記事もありました。

あったけど、確かにそれが加工していない確証は持てないとなってしまったのでしょう。

逆にこれで「ネカマ疑惑」がでたことによって

少々わたくし凹んでますの。

いえ、まぁ性別がなんであろうといいと思うんですが。

性別に左右されていた

というアクセスの結果を見て「ふーん」と思ってしまったヒカルでした。

やはり、黙っておくべきだったのでしょうか?

最初から。

まぁ、性別だけは言ってましたからねぇ・・・昔から。

いわなくてもわかるようなコメント返事など書いた記憶もあるような・・・

まぁ、とりあえず

あ・・・・

もしかして、あぁ!もしかして・・・

あれが原因か・・?!

面白くないのか!・・・作品がorz


致命的じゃないか!!

スランプですとも。

えぇ・・・
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


僕が怪しい人だといったなら

2009.10.22 (Thu)

世の中には身軽な女が多いが、そんな中でも一番驚いたのが
妹だった。
彼女の身軽さといったら綿雨のように軽い。
「今日は、アイ君とデートなの!」
そういったと思えば
「明日は、イリ君とデート」
というのである。

彼女の行動を制限するほど、上の子として僕は何かを持っているわけでもない。
恋愛に関して口を出すほど無粋なことはしない。
ただ、恋愛なのかどうか聞いた事はない。
そんな彼女を見ていると何故だか不安になった。
そしてある日、それは起きた。

「今日はね、初めてなの!」
友達の紹介という話だった。
妹はおしゃれをしながら着ていく服を何度も着替え、そして出かけた。
僕も少し時間を開けて出た。
車で出た先には合コンをセッティングしたという僕の友達だ。
人数あわせという名目だが、まったく興味が無いわけではない。

「あ!来た来た!」
そういうと友人は僕の名前を言って女の子達に紹介した。
「よろしく」
その時の嬉しそうな顔を忘れない。
でもそれが、僕にとっては意外だったのでなんと返事をしようかと思ったら
「はじめまして」と答えたのだ。

僕は彼女を女として初めて見た。

それは、よく似た人物だ。
きっと。

「そういえば、お兄さんいるんだよね?どんな人?」
「僕も知りたいな」
「お前、そうやって何人の女を持ち帰るつもりか?」
笑いながら友人が僕をからかった。
気づいていない彼女の前で。
「かっこいいですね。お名前なんて言うんですか?」
笑う彼女は最後まで気づきそうになかった。

私だということを。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


お絵かきヒカルたん!

2009.10.22 (Thu)

突発的に書き出して

止まらなくなってそのままで

その後、妙なめまいを起して気がついたら床でした。

いえ、ぶっ倒れたんじゃなくて寝たんです。


というわけで、日下ヒカルです。こんばんわ。


お絵かきしました。

久しぶりに。

書かないとやっぱりなんか変わりますね。

この子はオリジナルキャラクターというより、落書きです。


tensi.jpg


羽が六枚もあったら 髪 邪魔だろうね・・・。

つか、どうやって飛ぶんだろう?

天使階級の最上級天使 熾天使(セラフィム)です。

六枚羽を持つ天使。

ま、通常、天使に性別は無いんですが・・・

ロリにして裸にさせたのはご期待に添えてと思って・・・ なんてね(^^;
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

拍手する


虫歯は知らない!ヒカルちゃん

2009.10.22 (Thu)

おはようございます 日下ヒカルです。

朝から真っ青な出来事と、ある意味幸せと不安を同時に抱えた事件をお伝えします。

この番組は、ヒカルワールドセンターとヒカルネガティブ工場の提供でお送りいたします。

「んぎゃぁーお!!」

喧嘩する猫の声に「またか」と飛び出した。
猫が喧嘩するたびに僕は外に飛び出すわけなんですが。
最近はうちの猫だけでこの辺一帯を占めているので、そうそう喧嘩などないんです。
しかし、時折やってくる「おんなっぽい男の子」且つ「体はジェルが入ってませんか?」
というくらいたぷんたぷん揺れるおなかと地面につくおなかを抱えた子がやってきて
いっつもやられるというのに、なぜか遊びに来るんですよ。

何がいいのかわかりませんが、やられにきています。

とはいえ、その子も僕の家の長男もすっげー・・・弱いんです。
なのでお互い毛を逆立て必死にウギャウギャいってますが、一歩ずつ
後ずさりしているのが面白いですよ・・。

んで、喧嘩を止めに言った後の話です。

外猫の大ボスといっていい、この外猫家族を形成したというより生産した
つまりは「ママ」なんですが
また産んでたんですよね。随分前に。
どっかで産んでいるなぁと思っていたのがだいぶ前ですが
なんと!

子猫発見・・・

うわっ!

ママは本当に子育てが上手です。
何回生めばいいのですかってくらい産みます。
もちろん、避妊手術等してあげるべきなのですが
触った瞬間指ちぎられます。

俺の指がね。

というわけで、触ったことの無い彼女ですが・・・
平たく言うとその生んだ中で育つ猫というのはほぼいません。
シビアな育て方をする彼女が産み育てそして生き残ったのは何回も
生んだにもかかわらず数匹です。

まぁ、寒い外で暮らしていますからね。
懐いてくれればそれなりに助けられるのですが「飯だけくれればいいから」という
彼女の方針を僕は和らげることはできません。

さて、そんな事件もありつつ

もっと大事件もありました。

それは、「歯の違和感」

僕はね、今まで虫歯って一度しかないのね。
歯医者さんから検診に着てみたら~ってはがきを貰っていってみるかと思ったら
「あ・・・見つけた」とかいわれて修理。
いえ、治療。
でも、ごめん。
治療というより、あれ修理でしょう。
あの振動なに?!あの機械なんなの?!
隣に3歳の子供が震えながら治療を受けていたけれど、動揺に震え続けた2○才の俺。
あまりに真っ青だったため看護士さんが「だいじょぉ~ぶ!だいじょうーぶ!」と
方を振るわせつつ笑いながらあやしてくれたのですが
「二度と嫌だ」「その機械をどうにかして!」「振動なくしたら大人しくするから!」
と散々文句言って帰りました。

どういうわけか、虫歯になったことの無かった人生。
幸せです。
歯茎に注射するとかありえません。
信じられません。
僕には理解できません。
歯を抜くとかどういうことですか?
嘘でしょう?
マジでやってるんですか?
いたいんじゃないの?
歯茎抜けた後、穴開いてないの?
どうすんの?それ?

いろいろな疑問が出ますが、それだけは経験したくありません。

「うがいしてください」といわれ、うがいした後の水をどこに捨てていいわからず
コップに戻した馬鹿は僕ですよ。
行ったことないから勝手を知らなかったんですってば。
その時の歯医者というのは叔父の家だったんですよね。
でもって担当医は従兄弟の姉でした。
久しぶりに会うもんだからって、口をあけてどうしようもできない僕に
「元気だった?」「何してる?」と話しかける従兄弟。
お姉ちゃん、口動きません。

残念ながら閉院してしまい、新たな方がそこにいらっしゃいますが
その先生が初の虫歯を見つけた人でした。
ぽやんとしたお兄さんですがあーだーこーだいいつつも強行突破してくれます。
この人は親戚ではありません。

歯並びが悪く矯正しようとしたら「ん・・・乳歯がある」といわれ
「はぁ?!」と驚いた事件。
結局その乳歯君とずっと一緒に暮らしていますが・・・「抜けたら入れ歯だね♥」と
さわやかに笑った従兄弟の顔は忘れられませんが「確実に抜けるよ」とも言われました。

さて・・・そんな「乳歯君」の隣が気になるんです。

うずく・・というか、硬いものを食べるとなんかおかしい・・・
そんな感じです。
だからといって何も無い状況でカミカミしても痛くもうずきもしません。
また歯茎を悪くしたのかしら・・・

虫歯じゃないという確証を得たくて歯医者に行こうとしたら

休診

でした。


俺、色々、くじけそう・・・。
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

拍手する


はじめの一歩より前に

2009.10.21 (Wed)

駆け引き、なんて言葉を言えば格好良く聞こえるけれど
それがうまくできればこんなに悩むこともないと思う。
「きっかけがなれば進展もしない」
そんな当たり前のことすら怖気づいてしまうのが、恋わずらいだ。
処方箋に書いてあった。
心療内科医の友人が私に「恋わずらい」という文字を付箋に書いて
キョンシーのお札のごとくおでこに張った。
「あんたって、そういうの不器用だよね」
そういった彼女は彼氏が途切れたことがない。
どうやってその状態をキープしているのか不思議だといつも思う。

けれど、はじめの一歩を踏み出さないと何も変わらない距離にいるほど
彼の位置は遠かった。
いろんな感情や思惑が踊りだす。
自分にとって都合のいい事ほど、夢心地で気持ちがよくダンスする。
リズミカルに羽飛ぶその姿は心地よい。
そんな馬鹿正直に浮き足立つ自分の精神状態に馬鹿なんじゃないの!と
お風呂の中で歌を歌って誤魔化す。
だけど、その歌も気づけば恋愛モノ。

千里の道も一歩から

千里が何キロかなんてしらないけど、千里じゃなかろうと一歩踏み出さねば
何も変わらないどころかフェードアウトだ。

でもだからって、今自分のいる地点が百メートルくらいの短距離走だとは思わなかった。

一歩踏み出した時点で止まらない。
止まれない。
走り続ける。
息を切らせながら。
顔を真赤にしながら。
置いていかれないように。
置いていかないように。

最後は手を繋いで、ゴールした。

「よろしくね」

それが、最初。

これから、またその続きを話そうか。
泣いても笑っても一人じゃないと思えることが嬉しいと、思ったの。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

拍手する


クスリ

2009.10.20 (Tue)

体育が終わった後、意外と暑かった外にばててしまった。
そんな時に限ってお茶を持ってきていなかったので、買いに行きたかったが時間が無く
友人が持っているお茶が沢山あったので
「ごめん、お茶忘れてもらってもいい?」
と、声をかけたのだが。
「ダメ!」
と、ものすごい拒否反応をされたのだ。
「・・・え?」
回し飲みするのそんなに拒否する子じゃないんだけどと思いつつびっくりしていると
「クスリが入ってるのよ・・・今日は」
といったのである。

お茶の中に、クスリ?

飲ませたくなかったのかなと思い、どうしても喉が渇いていたので間に合わないと思って
次の授業の先生に「お願い!」というと「すぐ買ってこい」といってくれたので
お茶を飲むことができた。
あぁ、幸せ。

授業中、お茶を飲む音が後ろから聞こえた。
授業中にお茶を飲むなんてありえないのに。

「どうしたの?気分でも悪いの?」
「・・・ううん。大丈夫」
そういう彼女の顔は真っ青だった。
「顔色、凄い悪いけど・・・」
「え?・・・あぁ、大丈夫よ。今だけだと思うから」

その後、前を向いて授業を受けていたが授業が終り「きりつ」と号令がかかっても
机に伏して起きなかった彼女は既に冷たくなっていた。
大騒ぎになり、あれだけ沢山あったペットボトルの中身は空になっていた。

「・・クスリですか?」
私は先生にそういった。
「うん。お茶頂戴っていったらクスリが入ってるからってすごく拒否されて」
「おかしな話ですね」
「その時まだ、たっぷりお茶入ってたの。なのに、倒れて発見されたとき空だったから
授業中ずーっと飲んでたんだと思うけど・・・」
「それが原因とは・・・」
「ご両親に伝えておこう」
「お願いします」

だが、驚いたことに彼女の両親は「えぇ、クスリはお茶に混ぜていたんです」と
あっさり認めたという。
そして「入れた容量を間違ったようで仕方がないですね」と笑って答え
まったく落ち込んだ様子も無く、嬉しそうに笑っていたと先生から報告を受けた。
家が遠いため彼女の家に行ったことはなかったが、葬式がある時に向かうと
彼女の母親は赤いドレスを着て私たちを迎えた。
あまりのことに驚き何があったのかと考えていた。
怖くなり、焼香もそこそこに帰った。

「ねぇ、なんだったの?あれ」
「わかんない。新手の宗教とかかな?」
「さぁ・・・でも、娘がしんだって言うのに普通笑う?あんなにゲラゲラと」
「笑わないでしょ・・・」
「あぁ、でもそういえばあのおばさんいっつも言ってたよね」
「え?なんて?」
「痩せることが一番。細くて折れそうなくらいが女が一番綺麗なときなんだって」
「でもあのおばさん、めちゃくちゃ太ってんじゃん」
「だから、あの子に痩せさせようとしたとか?」
「あれ以上痩せたら骨皮筋子だよ」
「でも、あの子。ダイエットのクスリって言って、道端で日本人じゃないよなって人から買ってた」
「それって・・・」

電車に乗ろうと切符を買っていると、声をかけられた。

「ねぇ?痩せるクスリいらない?今ならお試しでただであげる。お茶に混ぜて飲むだけで
死ぬほど痩せるよ?」
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(14)

拍手する


犯人はお前か?!

2009.10.19 (Mon)

こんなことでと思うかもしれない。
ほんの一瞬だった。
だが、これには大きな問題がある。

そう俺にとっては大問題だ。
何がって?
そんなことはどうでもいい。
どうしてないんだ!
あれだけ、あれだけ大切にしてきた。
棘も生えてきたし。
暖かく感じてきた。
殻も捨てずに取ってある。
記念にと写真まで一緒に撮った。
最高の瞬間だった。
三枚におろして、素敵に飾った。
尻尾は後から生えてきたが意外と可愛くてびっくりした。
そうだ。
俺は愛している!
愛しているんだ!
何故、何故消えたんだ!
つかみどころのないからだ。
ぷるんとしてやわらかく優しいからだ。
口づけすると震えて驚く顔が好きだ。
骨は少ないけれど、足してあげたらカルシウムが不足しなくなった。

あぁ、なんてことだ。
どうしてこんなことに。

いや、そうか!
そうだ!

犯人は・・・。

「お前が、あいつを食べたのか?それとも育てたのか?それとも・・」
「・・・あいつは・・・」
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


新型?!びっくりヒカルちゃん

2009.10.19 (Mon)

思いっきり熱を出して寝込んでいました。

日下ヒカルです。

こんにちは。

というわけで、俺から言えることはひとつ。

今風邪ひいたら隔離されるぞって事だけだ。

なんにしても俺は普通に風邪ひいたと思っていたんだよ。

あぁそうさ。

ひ弱でいつもすぐに風邪をひく馬鹿はここにいる。

馬鹿は風邪をひかない?!

ハッ!ふざけんな、馬鹿だってかぜひくんだよ。

・・・というわけで、ヒカルの彼氏が代筆します。
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


妄想劇場【SM編】

2009.10.18 (Sun)

前回までの全開話
1.妄想劇場【拾った編】
2.妄想劇場【飼育編】
3.妄想劇場【しつけ編】

**前回までの超簡単な解説**
ボストンバックを道の真ん中で拾う。
男が全裸で登場し、その後執事になる。
犬といったら、SM系の犬と勘違いし女王様セットを着ろと主人公に言い出した
****************************

「犬は犬らしくしなければなりません」
私の行った失言は取り消されること無く、そのネタで引っ張る執事こと
命名した名前はセバス。
犬だといったが、動物の犬ではなく「奴隷」という意味で受け取った男。
出かけて買ってきたようだが、SMのフルセットで私が女王様。

着るの?私は。

「ところで、お嬢様」
「なに?」
「着ていただきたいのも、山々なのですがこのお宅のたたずまいでは雰囲気が欠片もありません」
「雰囲気?」
「鉄格子の檻、手錠、黒い壁のインテリア。あぁ、重要な縄も必要ですね。縛り方はご存知です?」

何の話だ!何の!!

「それと、目隠しも必要かと・・・」

何をさせるつもり?!

「ここでももちろん構いませんが、わたくしの喘ぎ声が漏れてしまうのはいささか恥ずかしですね」

ちょっと待て!

「大丈夫ですよ、そんなに真っ青にならなくても。わたくしは、犬です。私から噛み付くようなことは致しません。求められない限り。触れることも、何もいたしませんよ」

ニッコリと笑うセバス。

「セバスが何をしたいのか、何をさせたいのか不明瞭な点しかないけれど私の部屋では困る!」
「では、出かけましょう」
「はぁ?!」

セバスはいそいそとクローゼットの中にしまった自分の入っていたボストンバックを取り出し
私の着替えを詰め始めた。
下着を見ては、悩み、ブラジャーとショーツをどれにするのかというのに時間をかけていた。
はっきり言おう。
ヘンタイだよ、こいつ。
顔としぐさと声だけは完璧でも、中身は単なる輪をかけた変態プレイを好む男。
っていうか、ごめんセバス。
私、あなたが何をさせたいのかよくわかっていないんだけど
このボンテージを着て私はあなたを鞭で叩くの?
それが、どういう意味を示すの?
犬といった一言を取り消させてはくれないの?
猫といえばどうなっていたのだろうか・・・

「あ、お嬢様。お母様にはお友達の家に一週間泊まるとお伝えください」
「一週間?!」
「調教には、最短の時間ですよ?」

・・・調教?

ねぇ、本当に何させる気なの?
何をさせたいの?

「いえ、わたくしがお母様にお伝えしておきましょう。マスターは動揺していらっしゃいますから」
お前のせいだよ、お前の!

荷物をまとめ玄関に運んだ後、すぐに母のところへ行きそして戻ってきた。
え?!納得したのおかあさん!
だって一週間だよ?!

「気をつけて行ってらっしゃい!」
何その、満面の笑みは!
お母さん、何を聞かされたの?!

玄関を出ると、ロールスロイスが止まっていた。
セバスは執事のごとく振る舞いドアを開け、私を車に乗せた。
車の中には女性が二人と男性が三人。
・・・・誰?

「紹介します。調教師の皆さんです」
・・・調教師・・?
「誰を、調教するつもりなの?」
セバスは含み笑いをして一言。

「お前に決まってるだろ?」

車は走り出している。
とても、飛び降りれません。

どっちが犬なんですかね?

「何もしない。何も手を出さない。俺はね。見ているだけで満足なんだよ」
絶句・・・
「それとも、抱かれたいとか?」
セバスはいきなり上着を破いた。
「ちょっちょっと!」
「なんだ、やる気じゃないか。ちゃんと、着てくれたんだ。ボンテージ似あってる。覚悟してろよ?」

真っ青になっていると、お姉さんがとどめの一言。

「大丈夫、気持ちよくなるまで調教してあげる」

この車は、どこへ向かっているのだろうか・・・?



09:28  |  妄想劇場  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

拍手する


選んだはずなのに

2009.10.17 (Sat)

それは、望まれた妊娠ではなかった。
「嘘だろ?」
引きつって青ざめた彼氏の顔はいままで見たこともないほど、怯えていた。
「嘘じゃない」

その後は、大乱闘といっていいほどの大騒ぎになった。
中学生での妊娠。
受験前の発覚。
大学生の彼氏。
その全てが、大騒ぎだった。

ただ一人、彼氏のおばあちゃんを除いては。

「そう騒ぐな」
たった一言で、両家の両親を静めた。
「まずは、お嬢さん。おめでとうさん」

一ヶ月戦っていたその間、誰からも言われなかった言葉をはじめて言われた。
嬉しくて、悲しくて、その現実が身にしみた。
おめでたいはずの出来事だったんだということを忘れていた。
涙が溢れて止まらなかった。

「お前さんは随分若いね。体をまずちゃんとせにゃいかんな」
「え?」
「細い体じゃ。よーけ、食べなさい。それと、ほれ!お前の子じゃろうが!」
「ばっばーちゃん・・・」
「お前がしゃんとせんで、どうするね。ちゃーんと、お前がささえにゃいかん」
「うん・・・」
「いいかい?赤子っちゅーのは、親を選んで生まれるんじゃよ。忘れるな」
「そうなの・・・ですか?」
「選べないというものおるがね。選んでうまれてくるのもおるんじゃ。
そういう時は、大抵なんでこんなときにと思うような時に授かるもんじゃ」
「ほれ!おまえがしゃんとして、お嬢さんを嫁に貰え!」

その後、彼氏の決心は固く私も体調面を考慮しつつ生むことになった。
ただ、私の両親は理解してくれず勘当という形になってしまった。

「生まれてくるのを楽しみにしなくちゃね」

口でそう言い聞かせた。
でも、この子さえいなければと考えてしまう。

こんなめちゃくちゃな人生にならなかったはずなのにと。

それが、訪れた。

「ママ、ごめんね」

そう、聞こえた。

「誰?」

後ろから聞こえた声に振り返ると、私はその場に倒れた。

「気がついたか?」
病院にいることはすぐわかった。
でも、何があったのか覚えていない。
「どうして・・・」
彼がとても悲しい顔をして、そして泣き始めた。
「なに・・・?」
覚えていない。
思い出せない。

「どうして、堕胎したんだ・・・」

もし、この階段から落ちたら全部変わるかな。
もし、この階段から落ちれば元に戻るかな。
もし、この階段からこけたら家に戻れるかな。
もし、この階段が全部無かったことにしてくれるなら。

全部の「もし」が、いつの間にか勝手に動いてしまった。
でも、そのもしよりも私はその前に「堕胎」を選んでいた。

「私、もう、疲れたの」


穏やかな三途の川から船が一艘近づく。
「卵だよ」
賽の河原の船頭が小さな卵をもってきた。
鬼は受け取り、子鬼に渡した。
「卵だ」
「そうだ、卵だ」
「どうするの?」
「生まれるのを待つんだ」
「生まれるの?」
「あぁ、生まれる」
「じゃぁ、僕がお父さんになる!」
「そうだな。生まれたら、迎えが来る。それまで抱いてあげなさい」

「その卵って、私の子供なんでしょう?」
私は、怖かったけど目の前の鬼に聞いた。
「そうだ」
「話せる?」
「あぁ」
「じゃぁ、話してもいいかな?」

近づこうとしたら、子鬼が泣きながら金棒を持って振り回してきた。
「近づくな!近づくな!お前なんか大嫌いだ!」
「それが、その子の言葉?」
「嫌いだ!お前なんか!大嫌いだ!」
泣き喚く子鬼に私はどうしたらいいのかわからず、立ちすくんでいると
大きな鬼が一言。
「お前はここに来る人間じゃない」
そういわれたと思ったら、突然川に突き落とされた。
溺れて、そのうち底に沈んだ。
二度と浮かばないほど重い体になって。

「意識が戻るかどうか、わかりません」
それが、動けない体の耳から聞こえた医師の言葉だった。
08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


一人の大軍隊

2009.10.16 (Fri)

微妙なシリーズものになっています。
クロたんの冒険です。
日付の若い順から、ご覧くださいませ。

↓全部を単純に解説したプロローグ↓
-------------------------------
ある日突然、魔法使いになって(魔女名ルイーズ)
格好からはいってとんがり帽子のマント着て
ネコと合体させられて、耳と尻尾とひげが生えて
初の集会に出たら未来の自分が現れわけのわからない時空転送をして孫の桃香の家に到着。
クロたんは悪魔の化身という未来の自分からメッセージを受け取った。
-------------------------------

「なんて書いてあったの?おばーちゃん」
桃香はべったりを私に引っ付いて離れようとしない。
「ねぇ、君から見たらおばあちゃんかもしれないけど私まだ中学生なんだけど」
「じゃぁルイーズ大佐!」
「大佐?!」
「うん、おばーちゃんそう呼ばれてたよ」
魔女って軍属なの?
「そっそう・・・おばーちゃんよりマシだわ・・」
「何でしっぽと耳があるの?」
「え?ないの?」
「ルイーズ大佐には無かったよ」
「えー?!未来の私なのになくなってるの?!」
「おかーさん!ないよね?おばーちゃん」
そういって桃香はキッチンへ走っていった。
クロたんはぐーすかねている。
あれだけ手羽先とチキンナゲットを集会で食べりゃ眠くなるわよね。
で、あの地面につきそうなくらいたれたおなかと長いしっぽのクロたんが悪魔の化身。
何の悪魔?
化け猫とか?
いやいや、三毛猫じゃないし。
・・・・三毛猫?

それって、未来の私が私に猫を合成したとき三毛猫だったよ。
お陰で耳もしっぽも三毛模様・・・

・・・あれ?
「クロたん!ねークロたん!」
「・・・」
起きやしない。
「あの、私の部屋ってどこですか?」
「奥の部屋ですよ。今、軽いお食事作ってますから。お母さん」
「・・・ありがとうございます。あの・・・お母さんといわれるのも微妙なんですが・・・」
「あらあら、そうですね」
うふふっと笑いながら桃香と二人で何かを作っていた。
いい匂い~
廊下の一番奥に、あやしい扉があった。
どうみても私の部屋だ。
中に入ると、床が抜けるのではないだろうかというほどの本の山。
散らかった部屋。
相変わらず私は整理整頓が苦手なようだ。

クロたんが悪魔の化身なの

そういう手紙を、この時代にいる私から貰ったけれど
この時代の私はどこに行ったの?
私は、この時代から五十年前の時代の私によってこの時代に飛ばされた。
じゃぁ、この時代のおばあちゃんルイーズはどこ?

机の上を見ると、中学生のルイーズへと書かれた手紙があった。

読んでみると。

「クロたんの冒険を書くのは大切なことよ。そして、書き終えた本がこの机にあるの。
見るか見ないかはあなた次第。
時空転送が出来る魔女は私だけ。でも私は一人じゃない。
沢山に時空に存在し、一度にいろんなことが出来る。
私はクロたんが悪魔の化身だと気づいたけれど
どうみてもただの太った猫にしか見えない。
でもね、あの子がもし敵になったら大変なことになるのはわかってる。
じゃ、後はよろしく」

丸投げかい!

つまり、私一人の全時空に存在する私たちによる、戦いというわけか。

でも誰と戦うんだろう?
人工的に作られた魔女の名前がルイーズだと初めて参加した集会で言われた。
でも人工的ってどういう意味?
何がなんだかわからない。

このノートか。
うーん・・・
見るのはもうちょっと後でいいや。
真っ白いノートを探そう。
って、すぐあるし。

タイトルまで書いてあるよ。
「クロたんの冒険①」だって。

第一日目

クロたん、ストーブの前で伸びたまま寝てる。
起きてくれない。
あれが悪魔の化身なら、私は魔王かもしれません。

と、書いた。

「よく、気づかれましたね。あなたが、魔王だということを」

突然背後に現れた見知らぬ男が私に向かっていった。

・・・は?冗談で書いたのに・・・。
大佐じゃ・・・ないんですかね?
っていうか、クロたんの冒険というタイトルのはずですが・・・
クロたん、ストーブの前で寝てますよ。
08:00  |  クロたんの冒険  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

拍手する


独り相撲と気づかずに

2009.10.15 (Thu)

この子の日記を見て、なんて可愛らしいのだろうと思った。
写真を載せる。
それに綴られる、つたない文章。
けれどそれが、あどけなくていとおしくて好きになった。
可愛い女の子が制服を着て、何も語ろうとしない能面みたいな女ばかりの中には
こんなに可憐な少女がいるのかと思うと見てはいけない何かを知った気分になり
俺はこの子を好きなって、幸せにしてあげたいと思った。

学校が嫌だ。

テストが面倒だ。

そんな言葉を見るたびに、どうやったらその苦しみから助けられるのか
そう考えた。
教えたかった。
まだ子供の君に。
大人の幸せを。

幸せは体で感じるもので、心を溶かすものだと。

会いたいとメールをした。
何度も、俺は君を幸せに出来ると。
信じてもらうために。
信じてもらうまで。
俺はずっとメールを送り続けた。

やっと会えると。
やっと。

そう思った。
思いが通じたのか指定されたのはホテル街だった。
あぁ、なんて嬉しいのだろう。
あの子の温かみを感じられる。
そして俺は彼女を救える。
彼女には俺がいないと駄目だとわかってくれるはずだと馳せ参じた。

だが

「俺の場所をとるな」

人通りが少ない裏路地で待っていたのは、少年だった。
腹の辺りが熱く痛く、すぐに寒気が走った。
違う。
そんなんじゃない。
君は誰だ!何故こんなところに!
「どう・・・して」
「女だと勘違いしてうざいんだよ!何考えてんだ!?やりたいだけかよ!」
「ちがう・・・ちが・・幸せ・・に」
「黙れ!この変体やろうが!」
瞬間、金属バットが見えた。
いたいと思う時間も無く、俺の全ては途絶えた。

何故、通じなかったのだろう。
何故、わかってくれなかったのだろう。
何故、君は来なかったのだろう。

「勝手に妄想してろよ、一人で」

強がらなくていいのにと、伝えたかった。
男の格好なんかして。
何をそんなに怯えているのか、俺には理解できない。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(14)

拍手する


罪と罰と

2009.10.14 (Wed)

「好きだといったようなものだ」
自分で言った台詞に、さしたる疑問を感じなかったが
「そうだな」
何故僕は、正直に話してるんだろうと思った。
現実味がないと言えばない。
あるといえばある。

子供の頃から大の苦手だったことがある。
それは、集団行動だ。
人とのコミュニケーションをとることが何より苦手だった。
兄弟の存在も無く、どんなに時間をかけようと何をしようと邪魔をするものはいない。
マイペースで生きてきた。
比べられることも無く、ほんの少しでも比べられるようなことが出来事がある度に
泣いていた。
結局、怖くていえなかった。
いじめられていることを。
記憶の恥に残る、黒い話。

いじめられる原因が自分にあるとも気づかなかった。
人に合わせて何かを進めるほど起用でもなかった。
目まぐるしく動く世界についていけなかった。
だから、じっと積み木で一人遊んでいた。

それが僕の根本であり、世界だ。

マイペースでやっていける世界を知った。
幸せだった。
他人と関わらず、自分の行動で自分の判断だけで動く。
なんて気楽なんだろうと。
一人より二人を幸せだと思った。
けれど、泣いている回数は増えた。
喧嘩したりすることを繰り返し、その時に感じた。
やはり自分は何かがずれているんだと。

ねじが足りないどころではない。
企画が違うといっていいだろう。
一人だけで過ごしてきた時間は、感性をも変えてしまい中々同調する同姓は少ない。
仕事上の付き合いなどあまり自分の意見をプライベートの話ではださない。
それは反発を買うことを覚えた。

そうやって、罪を重ねた。

罰を作った。

人真似して、顔色を見る。
怒られないように。
間違わないように。
それが僕のコミュニケーションだった。

すっかり忘れた頃に、突然二人になった。
でも実際現実味がないのは、手の中にはまだいないから。
こんなことを何故望んだのかも、いまだ行方不明の気持ちと戦う。
自分が何に苛々して何に動悸をさせ何に怯えているのか。

「弱みを見せることも大事」

そういわれたことがある。
誰だっけ。
違う。
覚えている、誰から言われたのかを。

でもそれを、実行にうつすのが恐ろしくてたまらない。
言葉の端々にあるものを探す。
出てくるもの。
ありとあらゆるものから探して、自ら縄を編み、自分で絞める。
何をそこまでと頭が言っても心がついていかない。

僕の罪はなんだろう。
僕の罰はなんだろう。

「でも、もし一緒に居たいと願うなら・・」

そういったのは、誰だろう。

人真似できない。
どうやって人は人を好きになるんだろう。
どうやって人は人を受け入れるのだろう。

答えが、見つからないのに、感情だけ先走る。

考えても答えが出るわけじゃないよ、とりあえず歩いてみたら?

そう、頭の中で言ったのは僕なのに。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


相手に何を求めるか

2009.10.13 (Tue)

結婚という文字がいよいよ近づいてきて、密着して迫ってくる。
とはいえ、そんな文字が私に寄り付いても縁のない文字だったのだが
とうとうこの場所にこなければならなくなった。

お見合いパーティーである。

溜息をついて、とりあえず出来る精一杯のおしゃれをして出かけた。
一人につき時間は三分間。
それを三十人の男性と話をして第一印象で決めてしまうというもの。
簡単に言うと、お見合いというより合コンの簡易版だと思う。
それの大人バージョン。

三分間スピーチを二で割ったとして、1.5分。
何を話したらいいのだろう?

「それでは、スタートします」
といって始まった。
女性は動かないが、男性がベルがなるごとに隣の席に移動して話すらしい。
「こんにちは」
「はじめまして」
「あのご職業は?」
男性から聞かれてしまった。
「派遣社員です」
「一人暮らしですか?」
「いえ、実家です」
「そうですかぁ」
溜息。
え?なんで??
「あの、最終学歴は?」
えぇ?!
「専門学校ですが・・・」
「あぁ、そうなんですか」
何そのがっかり感は!

カランカラン!

男性が移動する。
「はじめましてぇ~」
「はっはじめまして」
何このノリは・・・。
「いやぁ僕ねぇ~こういうの初めてで!すっげーかわいいっすね!」
「どっどうも」
「いやぁ、スタイルいい人っていいですよ!髪形もかわいい!」
え?誉め殺し作戦??
「はっはぁ・・・」
「今まで何人の男性と付き合ったんです~?結構もててるんでしょ~?」
なんだ、こいつは。
新手のナンパか?
「いえ、そんなには・・・」
「軽く僕とも付き合ってくださいよ~」
ピコピコハンマーも用意して欲しかったなぁ・・・
「あははは」
笑って誤魔化そう。
「ところで、あなたのご職業は?」
「えー?僕~?今のところ考えてない!」
・・・・え?!

カランカラン

「はじめまして!」
「はっはじめま・・・」
「僕は、田中太郎です。二十五歳です。年収は四百万あります。子供は二人以上欲しいと考えております。健康ですか?子育てに自信は?僕の両親と同居してもいいですか?」
弾丸トーク・・・
「・・・・あの、失礼ですが年齢は・・・?」
「二十五歳です」
プロフィールを全員に渡されているのに、嘘をつく必要性がどこにあるのかその弾丸トークで弁明してみろよ。
「そうなんですか~・・・プロフィール間違ってるんですかね?」
「・・・え?!」

カランコロン

「あ・・・あの・・」
「はじめまして」
「俺は頼りないから自立できる自信ないんで、支えてくれる人が言いと思っています」
「は?」
「だから、あなたは自立してまともに暮らしていますか?一人で何でも出来ますか?」
・・・・?
「どういう、意味ですか?」
「いや、俺は母さんがいないと嫌なんだけど母さんの代わりの人ならいいかなって思って」
母さんと一緒が幸せならそれも人生だ。
「お母様と一緒にいてあげてください」

カランコロン

「×1です」
「そっそうですか」
のっけから、告白。
もう段々疲れてきて挨拶を忘れ始める参加者。
「子供もいます」
「あら?何人ですか?」
「二人です。あ、双子で女の子が」
「・・・おいくつですか?」
「五歳です」
「というと、え?!」
「十五の時に生まれた子供です」
「そっそれは若くしてご結婚されたんですね」
「まぁ、子供がほしかったから」
「気になるんで聞きますが、何で離婚を?」
「子供がほしいだけだったからです」
「では何で再婚を?」
「ベビーシッターを雇うより安いから」

カランコロン

「疲れましたね」
「あはは、本当に」
「あなたのお名前は?」
初めて名前聞かれた。
「はなこです」
「かわいいですね」
「ありがとうございます」
「はなこさんは・・・」
プロフィール票を見て硬直する男性。
「いえ、何でもありません」
なんだろう?
「あの、気になるんですが見てもらってもいいですか?自分のって見せてもらえなくて」
「あ、いいです・・よ」

見てみるとそこには、「前科のことにかんして心配あり」と書かれていた。
だが、全文を見ると
「結婚に関しては、心配があるものの
前科のことに関して心配あり」だった。

前科じゃなくて、全般だ!

「誤植だと、お伝えしてもいいですか?」
「どうぞ・・・」


この時、会場に流れていた音楽は「じんせい~いろいろ チャンチャン」だった。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(17)

拍手する


いるのかいないのか

2009.10.12 (Mon)

それに気がつくのにどれだけの時間と気力を必要としたかというと
正直わからない。
でも、気づけたというのはある意味進歩でありいいことなんだと
俺は思う。

「いたの?」

それが、最後の言葉だった。

一緒に暮らしているというより、同じ屋根の下で寝泊りしているだけという状態。
それが俺の家族だった。
けれど、妹達は両親と共に出かけたり食事をしたりしている。
俺が一緒になることは、ない。

それが当たり前だった。

「長男は、勉強だけをしていればいい」

それが父親の教育方針だ。
不自由なく与えられる。
洋服も何もかも、欲しいものは全部。
物だけは。

でも、自由は無かった。

ある日、妹達が友達を連れて家に帰ってきた。
俺は丁度下に降りていて友達はすごく驚いた顔をして見せた。
なんだろうと思ったが気にも止めずそのまま部屋に戻り塾へ行く用意をして外に出た。

その時、聞こえた。
リビングから聞こえる声。

「お兄さんだけ?家出したとか死んだとか聞いてたけど」
「いるけど、あったことないから。いないんじゃない?」

それが妹の答えだった。

そう俺は妹と会話したことが、無いのだ。

「母さん、進路の話なんだけど」
俺以外の家庭が食事をとっている時にプリントを渡した。
「いたの?」

それが、母親の答えだった。

プリントを受け取り、そのまま食事を続けた。

けれど、それが俺にとってはそれでも嬉しかった。
彼らが気づかずにいてくれることを。
彼らがもう既にこの世界に居ないことを気づかぬままいてくれるだけで
それでいいと思った。

「お兄ちゃん」
一番下の妹が話しかけてきた。
「どうして、お兄ちゃんは透けてるの?」

それが、一番下の妹の答えだった。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

拍手する


千切れた写真

2009.10.11 (Sun)

綺麗に切り取られた写真が机の上にあった。
私が映っているけれど一緒に映った人物はそこにいなかった。
切り取られていたのだ。

「誰がこんなことをしたのか」

それが、担任に見つかったことで大騒ぎとなった。

数名の友人達と映っているはずの写真。
けれど私以外は切り取られその写真に納まっている。
写真の裏側には文字が書いてあった。

「あなたに返す」

この写真を撮影した友達は、先日急に自殺した。
何が原因だったのか不明のまま葬儀を向かえ、ご両親にもわからないといったが
何かに怯えている様子だったと聞かされた。
それでもまったく心当たりは無かった。

担任が見つけ大騒ぎした原因はそこにある。

その次の日。
私の右隣に写った子が突然、歩道橋から転落死。
しかし、それが自殺なのか事故なのか不明瞭であり未解決となった。

更に次の日。
私の左隣に写った子が、通り魔に襲われ重症。
しかし、一週間後に死亡した。
窓から落とされて。

最後に残ったのは私だけ。

でも、あなたに返すと書いてあった。
その意味は私に理解できた。

四人写った中で生きているのは後一人。
そしてその男は、私を独り占めしたいとこの写真を撮った日に告白してきた。
その時は真面目に答えた。
付き合うということの意味が分からないからと、断った。
しかし、彼は独り占めしたい。
誰にも渡したくないと言っていた。

それが、男の話だとばかり思っていたけれど解釈を間違えたようだ。

真後ろにいる彼は嬉しそうに笑っていた。
五人グループで遊んでいる私以外の女の子友達が消えたことに対して。

私が殺したとも知らずに。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

拍手する


 | HOME |  NEXT
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。