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ラストオーダー

2010.01.31 (Sun)

白いフリルのカチューシャを頭に飾りつけ、服装は黒。
十五センチはあるピンヒールをコツコツと鳴らしながら、ゆっくりとこちらへ向かってくる。
足の付け根までしかないスカート。
横には腰までスリットが入っている。
白いガーターベルトが見え、太ももの内側には鋭いナイフが隠れていた。
メイドといわれる格好をした女は、ニッコリと笑いながら無表情の目をして言う。

「ご注文は?」

メイドはその言葉を発すると微動だにしなくなった。
特に僕のほうを見ているというわけではない。
僕はというと椅子に固定された状態で後ろ手に手錠。
口には火薬のにおいがするものを咥えさせられている。
太ももはベルトで椅子に固定され、足首もベルトで椅子の足と同化している。
状況は理解できるが、何故こうなったのかという理由は思い当たる事柄はひとつもなかった。

メイドは僕の前に立ちつくしたまま返答を待っている。
テーブルにはディナーが並ぶようなセッティングが施されているが、周りを見渡す限り食事が出来るような場所ではないというのがわかる。

「ラストオーダーの時間です」

何時間、こうやってメイドは立っていたのか。
何時間、こうやって僕はメイドを見続けていたのか。

ただ、過ぎていった時間をほんのついさっきまで自分が過ごしていた時間が遠く昔のように感じる。
メイドは僕のベルトをとり、スラックスのファスナーを下げた。
身動きの取れない僕は何もいえないし、何もできない。
メイドの目は、僕ではない何かを見ている。
そんな雰囲気が煙草の煙と共に漂う。
むせ返る様な漕げた匂い。

「後悔するって、いったでしょ」

悲鳴すらもあげることは許されなかった。
流れ落ちる血が固まるまで僕は罪を償った。

多分。

これで、少しは気が晴れただろう。
あの女も。


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08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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詰まった

2010.01.30 (Sat)

大変だ!騒ぐ女将さんの傍には老夫婦がもがいている。
目の前には食べかけの雑煮。
「詰まったんだ!」
餅でも詰まらせたのかと見ていたら、彼らの口から出てきたものは
「おい!なんだこれは!」
餅の中に入っていたものは毒薬。
「失敗した!」
そう叫んだのはもがく真似をしていた俳優志望の老夫婦。
08:00  |  140文字までの小説  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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何が悪いの?

2010.01.29 (Fri)

いつも怒られるんだ。
何をして僕が悪い。

あれをしろ。
これをしろ。

そういわれる度に、僕は従ってきた。
けれど、従ったところで僕が誉めらることは無い。

何で出来ないの。
どうして、こんな風にするの。

何をするにも、僕はいつも怒られるんだ。

僕はいつになったら「もういいよ」といってもらえるんだろう。
そう考えていた。
いつになったら、僕は怒られることなく自分で考えたとおりに
例えそれが失敗したとしても、自分の思いや考えで動くことが出来るんだろうって。
そんな日が来るのかなって僕は考えてた。

でも、そんな日は来なかった。

僕に自由は無い。
僕に意見は無い。

僕が僕のために生きることは、許されない世界だった。
僕は両親の思い通りに生きることが唯一あった道だった。
僕の思ったことや考えは邪魔だった。
言われるとおりに、言ったとおりに、完璧に出来れば彼らは満足だった。
僕という意思は必要なかったんだ。

「だから、お前はここにいるのか?」
「そうじゃないかな」
「何故、そんな平気な顔をしている」
「いつかこうなるってわかっていたから」
「そうか」
「僕は彼らの思い通りに動くマリオネットにはなれなかった。それだけだ」
「子供は操り人形になる必要はない」
「僕はその必要があった。靴下だろうと、洋服だろうと、僕の気持ちはどこにも存在しないんだ」
「恨むか?」
「いや。今は、一人になれたことが嬉しいから感謝してる」
「両親に殺されたというのに」
「それで、あの人たちが満足したのなら僕はやっとはじめて役に立ったんじゃないかな?」

子鬼が泣きながら僕の背中を叩き続けた。
どうして泣くの?と聞いたけれど、教えてくれなかった。
「なんでわかんないの!!」と泣き叫ぶだけだった。
どうしたらいいのか僕はわからなくて子鬼の頭を撫でたけれど、泣き止んでくれなかった。

僕は、やっぱりここでも怒られるのかもしれない。

どうしたらここにいることを認めてもらえるんだろう。
どうしたら「わかった」と言ってもらえるんだろう。
僕がいう言葉はどうしてそんなに怒られるんだろう。

もう、何も話したくない。

ずっと否定され続けて、考えて考えて出した答えでさえも否定される。
僕の何十時間という気持ちと悩みなど理解してもらったためしがない。
反論したところで、言い返される。
それから、言葉で押さえつけられる。

そうやって、言う事を聞くしかなくなる。

理解なんて出来ない。
僕にはわからないのだから。

だから、僕は僕個人というものを殺すしかないんだ。
08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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苦手な料理判明

2010.01.29 (Fri)

お料理をする日下ヒカルです。
おはようございます。
諸事情により最近料理をしまくっているんですが、一番苦手な料理が判明しました。
何だと思う?

それはね、日本食には欠かせないものなんだ。

・・・実はボク、日本人じゃありません。
07:39  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

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氷柱

2010.01.28 (Thu)

朝、寒くて目が覚める。

「どうしてこんなに冷たいんだろうか?」
「おや、お前さん。目を覚ましたんですか・・・」
「どうしたんだい。そんなに汗かいて」
「いえ、せっかく刺したのに」
「刺す?」
「えぇ、氷柱をお前さんに」
「それで寒かったのか・・・」
「暖めましょうか?」
「そうだなぁ・・・」

ふと聞こえた会話に僕は会社を休んだ方がいいと考えた。
08:00  |  140文字までの小説  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

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生活の変化と乙女の事情

2010.01.27 (Wed)

タイトルを見ると何事かと感じますが、要は風邪引いたっていいたいんですけど
風邪じゃないッポイです。
だって、熱ないもん。

おはようございます。
日下ヒカルです。
メインPCは諸事情により休止中のため、相当昔のノートPCで作業しております。
もうね、HPとかほぼ見れないから。
フラッシュとか動いたら終わり。
もうダメ。
見れません。
当時の職権を乱用して取引先のとあるメーカー担当者にこっそり相談して
めっちゃ安く売ってもらったんですよね。
当時は結構良かったほうなのに。

というわけで、最近皆さんのところに遊びに行けておりません。
ごめんなさいm(_)m
この管理画面開くのも大変なくらいな状況です(涙)
給料日まで待って…
修理は給料日まで待って…

さて、以前私は言ったことがあると思いますが皮むきができません。
小さい頃から親も心配してやらせていたんですが、あまりのぶきっちょに
「見ていられない!!」と取り上げられこの歳まで生きてまいりました。
ところが、皮むき機があっても剥けないものがあります。

果物。

そう、果物です。
りんごが食べたかったんです。
誰もいません。
・・・私独り・・・

さて、どうしろっちゅーんでしょうね。
少々久しぶりに突然襲いやがったパニック障害の症状に驚いていますが
今は風邪薬を飲んでちょっと落ち着いています。
あれ・・・昨日も頭痛がひどくてルル飲んだっけ・・・
乱用はやめよう・・・。
しまったorz 飲んだ後だけど・・・

さてりんごですが、剥きました。
包丁で。
だからね、何が言いたいかって言うと
絆創膏が足りないんです。

いえ、そこまでひどくないですよ・・・
ウン・・・

さてと、のんびり仕事しますか。

うーん・・・少しぼうっとするなぁ・・・
どうしたのかなぁ・・・
最近は落ち着いていたのだけれど、何に驚いたんだか。
自分の体と気持ちがバランス取れないってすっごく気持ち悪いんですよね。
パニック障害ってご存知です?
平たく言ったら精神的なものというより心療内科なんですが、心だけでなく身体に症状出しやがるから
すっげー面倒です。
やってられません。
ぶん殴りたくなります。
自分を。
薬は断薬をはじめほぼ飲んでいません。
ただ、思い出したように時々帰ってくる症状に振り回されるくらいでしょうか。
思い通りに動かない身体に腹立たしく苛々しますね。
まったくもぉ!!!

・・・いい加減、仕事します。

愚痴ってゴメン・・・
09:44  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(7)

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コールセンターでぶるるるるん2

2010.01.26 (Tue)

というわけで、またまたコールセンターよりお届けします。

おはようございます。
日下ヒカルです。

・・・・きっと。
12:13  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

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いわしの前

2010.01.25 (Mon)

なんてことだろう。
こんなに上司を悩ませていたなんて。
どうしたらいいのだろう。僕なりに頑張っているのだが、一体何が原因でこんなものを。
「いりこ食べる?」
「いえ、僕は・・・平気です」
「昨日から食べてるんだ」
「そうですか。ところで昨日のレポートの件なのですが」
08:00  |  140文字までの小説  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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体で払ってもらおうか

2010.01.24 (Sun)

タバコの煙が漂う室内。
暗く、あかりの少ない部屋。
かかとをコツコツと鳴らす音が響く。

「遅い!」

男は痺れを切らしたようにタバコを地面に投げ捨て靴で踏み潰した。
同時に重苦しいドアが悲鳴を上げながら開いた。

「遅れてすみません・・・」

節目がちに女は入ってくる。
髪の長い女。
年は二十歳くらいだろうか。

「いつまで待たせるんだ!」
「すみません・・・」
「で?」
「もう少し、もう少し待ってください」
「そういったのは先週もだ!ふざけるな!」
男は側にあった灰皿を女に投げつける。
女の小さな悲鳴などかき消すように灰皿は割れ地面に落ちた。

「本当に・・・来週には・・・」
震えながらも女は言う。
どうしても今日は出来ないようだ。
「だったら、体で払ってもらおうか」
女はやっと男に目を合わせた。
まるで許しを請うかのような顔をして。

「なんだよ。そんな顔したって期限は期限だ。守れなかったおまえが悪い」
「・・・ですが・・・」
「来週まで待とう。条件は体で払うこと。それ以外無い」
「・・・そっそういうことは・・・」
「嫌なら今すぐ持ってこい」
「・・・」
「理解したなら、そっちの部屋に入れ」

男が指差す部屋に女はゆっくりと何かを探すように歩き始めた。
ドアを開けた瞬間、男は後ろから女を突き飛ばし部屋に入れた。
声も出ない様子だ。

しかし、あの部屋で一体何をするつもりなのだろうか?
体で払えというからてっきり・・・。
俺の勘違いのようだ。
随分と映画やドラマのようなこというなと思ったら、一体何をさせる気だ?
必要なものといえば・・・みかんか?
それと急須に湯のみ。
お茶の葉も必要だ。
それと籠があればいいだろう。
しかし、一体・・・何をさせているのだろうか。
見るなといわれていたが見てみよう。

「・・・」

ある意味、こういう風にするしか方法が無かったのかもしれない。
彼女がいたとしてもお願いしにくいだろうな。
手錠がいいのか。

にしても、兄弟で何やってるんだろう。
あいつらは。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

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トラックバックテーマ 第885回「好きな「詩」はありますか?」

2010.01.23 (Sat)


トラックバックテーマ 第885回「好きな「詩」はありますか?」



ということで、あるので書きます!

フラれた女の子が書いた詩です。
僕じゃないよ。
本にあったの。

コンビニ行ってくる

あれから二年 

あなたのコンビニ遠いね



遠いんじゃなくて出てってるんだろうが!!
と、借りた本をバスの中で読んで笑うのを堪えました
只管、堪えた・・・。
13:30  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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コールセンターでぷるるるるん

2010.01.22 (Fri)

おはようございます。
日下ヒカルです。

今日はコールセンターよりお届けします。

・・・多分。
09:42  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(12)

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名前

2010.01.21 (Thu)

どういうつもりで僕にこんな名前をつけたんだろう。

「おまえ、不味いんだよ!」
「うわ!海草だよ!あいつ!」

そうやって、言われ続けた。

どういうつもりで私にこんな名前付けたんだろう。

「触ったー!お前が触ったらいてぇーんだよ!」
「毒!毒があるよ、あいつ!」
「触ったら最悪だぞ!」

パパ ママ なんで?

双子の私達は共に名前に泣いた。
小さい頃にそんなことなかったけれど小学校高学年になったある日。
先生が言ったんだ。
「当て字にしてもこんな字をつけるのねぇ。今のお母さんって」
笑いながら言った一言が、クラスに広まりあっというまに学校中に知れ渡った。

「心太って、ところてんじゃない。海月って、くらげじゃない。お母さん、海が好きなのかしらね?」

二人で船に乗って、二人で降りた。
着いた場所は「賽の河原」。

「泣くな」
その声は突然真後ろから聞こえた。
驚いた。
怖い顔をした鬼が立っている。
怖いのに僕達は動けなかった。
「双子か・・・」
鬼は溜息をつき、僕達二人を 私達二人を 抱き上げた。

「ほら、前を見ろ」

見てみると、子供たちがどろんこになりながら笑って遊んでいた。
手招きをして大きな声で呼んでいる。

「しんたくーん!なるみちゃーん!あそぼうーよー!!」

私達は 僕達は 笑って 二人で走った。
手を繋いで。

「ここにきてよかったね!誰も私達の漢字、しらないもん!!」

そういった私達 僕達の 言葉を聞いて、怖い顔をした鬼は泣き出した。
どうしてだか今もわからないけれどみんな「いつものことだって!」といって気にしていなかった。
ちょっと年上のお姉ちゃんが鬼さんを慰めている姿を見て、不思議に安心した。
鬼さんは一人じゃないってことに。

09:30  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

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価値と見返り

2010.01.20 (Wed)

隣で話を聞きながら感じたことが可笑しくて妙に笑いを堪えるのが大変だった。
変わってないんだな。
それが私の感じた感情全てを総称する言葉。

「え?それってどういうこと?」

その言葉から始まった。

「クリスマスプレゼント買い忘れてたんだよ!」
熱く語るその姿は本当に悔しそう。
「あぁ・・・忘れてたって。忘れたらどうかなるの?」
と、聞いていた相手が返事をする。
「どうもならないんだけど、もし、プレゼントあげたらイベントが発生したらしいんだよ!クリスマスの限定イベント!!」
「あぁ!そういえば、あったらしいね!」
「俺、すっかり忘れてて見れなかったんだよねぇー!!!」
「で、リアルの彼女には何か・・・ したの?」

そういったとき、彼は何も迷うことなく答えた。

「遠距離だし、無理だよ」

そう。
そうだった。
そういうやつだった。
私は本当に笑いを堪えるのが大変だった。

変わってない。

それだけだった。
頭の中に浮かんだ言葉。
瞬間的に変わらないと続かないと思った。
女としての感情で同じ部分が少なからずあるだろう。
それは女である私はよく理解できるし、言わなくても同じとしだというのならもっと近い感覚はあるかもしれない。
クリスマスに電話もないなんて。
遠距離だからという理由で。
付き合って何年もたつのに。

「送ればいいじゃない。プレゼント」

そういったけれど、彼は訝しげな顔をして見せただけで送る気は元からなかったのだ。
送っておけばよかったかなというような後悔した顔ではない。
ゲームの方が重要だったのだ。

プレゼントをあげれば、見れない何かを見ることが出来る。
そういうことなんだ。
プレゼントしたことによって自分にどう反映されるのか。
無意識にしろそう考えている部分は多い。
では何故彼女を作るのか。
それは、ある人からの言葉がきっかけで腑に落ちた。
自分を好きになってくれる人が欲しいだけなんだろうなという答えが出た。
別に相手を好きなわけじゃない。

結婚の話が出たとき彼はとても引きつったような顔をして見せた。
「結婚とか考えてるの?」
そう聞いた彼に、私は答えた。
「まったく考えない年じゃないよね。可能性ゼロで付き合うことってないんじゃないの?」

遊びで、という意味ではないだろうが結婚なんて考えられる相手じゃない。
きっとそんなところ。
変わってないなぁ。
そういうところ。
言おうかどうしようか迷ったけれど、言わなかった。
綺麗な彼女の写真を見せてもらった。
すごく可愛かった。
だからこそ、この笑顔が失われないことを祈っていた。
そう考えて、ぐるぐる考えて、結局何も言わず帰った。

「君が変わらないと、私と付き合ってた学生のときのままじゃ別れるよ」

かなり変わった部分もあるが、それはあくまで自分に対する評価に関わる部分だけ。
悪い言い方をすれば体裁というべきだろうか。
相手のことを考えてという部分では変化はなかった。
私は心配でならなかった。
相手の彼女のことが。
遠距離で会えないのにクリスマスに電話もないなんて寂しいにもほどがある。
何年も付き合ってるからとその事実に甘えていたら気持ちの変化に気づかないだろう。

そう思うと、また可笑しくなって笑った。
一人コインパーキングの駐車場で。

学生時代の元彼の現在の彼女の心配するって、私なに考えてるんだろう。
可笑しくて笑った。
でも、やっぱり心配は残ったまま。

「なにやってんのよ。馬鹿」

それは、誰に発した言葉か自分でもわからない。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

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ハッピーバースデイ♪

2010.01.19 (Tue)

というわけで、今日はタイトルどおり

ハッピーバースデイ☆だよ♪

ううん。ヒカルのじゃないとよ。

おとうちゃんのバースデイ☆
07:07  |  ○△ヒカルちゃん  |  Trackback(0)  |  Comment(16)

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旦那様

2010.01.18 (Mon)

長いこと探していた結婚相手。
それは、当主である光圀にとって不自由な話だった。
世話役の女中の一人、お清がただ見つめていることが気になり
二人はやがて手を繋いだ。

「旦那様・・・」

それは、たった一言だったが光圀にとって一番嬉しい言葉だった。

「私は、あなたを・・・」

しかし、光圀には不安があった。
周りの古参の人間は大反対するだろう。
最悪の事態を考えればお清の命が危ないとさえ考えていた。

言えなかった。

光圀 十六歳

お清 十五歳

二人は祈った。

空に浮かぶ丸い月。
それは幻想的に感じられ、夜になると輝くその姿は美しく
周りには祝福をあげるようにきらきらと輝く星達の声。

「綺麗ですね」
「本当に、綺麗ですね。旦那様、ほら。あの星」
「どれだい?」
「あの、月の横にある星です」
「あの青い星かい?」
「はい。旦那様のようです」
「私?」
「えぇ、青くなっても輝くその姿が」
「青くなるとは面白い事を言うな」
「うふふ。大丈夫ですよ、ちょっと眠くなるだけですから」
「そういえば、眠くなってきた」
「一緒です。ずっと、ずっと一緒に居ます。そうだ、月に行きましょう」
「月に?」
「きっと、星達が迎えてくれるはずで・・・」
「お清?お前、なんでそんなに青い顔を・・・」

お清は目を覚まさなかった。
光圀は自分の部屋で目を覚ました。

夢だったのか。
あれはなんだったのか。
理解が出来なかった。

「お清は?」

側に来たお匙に聞いた。
「お清でございますか?」
お匙は不思議そうな顔をして尋ね返した。
「そうだ、どこにいる?」
お匙は世話役を呼び「お清さんとはどなたのことですか?」と尋ねるが女中も不思議な顔をしてみせる。
「一体・・・どうなっている?」
光圀以外、誰一人お清の存在を知らなかった。

光圀が布団から起き上がり、普通の生活が送れる様になったある日のこと。
屋根の上で寝転がり月を眺めていた。
あの時のような落ちてくるやも知れぬ月の姿。

「旦那様」

その声は唐突に真後ろから聞こえた。
光圀は驚き、体を起すことを忘れ首だけを逸らし声の方向を向いた。

「お清・・・!」

体を起し、光圀はお清の姿を見た。

「一体、どこに、どうなって・・・」
「旦那様。お清はあなたと共にずっと一緒に居ます」

お清は光圀に近づき、泣きながら抱きしめた。

「どうやら、屋根から落ちたようですね」
「まったく・・・どうしてこんなことが続くのか」
「祟りなんじゃない・・・?」
「やめなさい!そのような世迷言!」
「でも、お清ちゃんってあの光圀さんの・・・」
「こんなことってあるのかしらね」
「お札も効果なかったんなんて・・・」
「お清ちゃん。どうして屋根から落ちたんだろう」
「ねぇ、光圀さんって誰なの?」
「いないのよ、そんな人。突然、旦那様って言い出すの。お清ちゃんに憑かれた人たちは」
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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後ろの正面だぁれ?

2010.01.17 (Sun)

かーくれましょ!
かくれんぼ!

遊ぼう!
遊ぼうよ!

鬼さんは、キミちゃんね!
キミちゃんが鬼!

「いーち」

「にーい」

「さーん」

・・・

あれ?キミちゃんどうして数えないの?
へんだね。
どうしたのかな?

「キミちゃーん!十数えてー!」

「みーつけた!」

ずるいよ!キミちゃん!
ちゃんと、数えないで見つけたらダメだよ!

「だって、数えてる間に見失っちゃうから。数えながら見つければ簡単じゃない!」
「そんなのずるっこだよー」
「見つけたんだから、後は鬼が見つけた人をこれで叩けばいいんだよね?」
「え?キミちゃん?!」


どうしたの?
どうして、キミちゃん数えないの?
わからない。
どうしたのかな?
キミちゃん帰っちゃったの?
知らない。
そうなんだ。
怒っちゃったのかな?
わかんないね。

あれ?
なーに?
後ろにいるじゃん。
本当だ。
キミちゃん、なんで赤いお洋服着て立ってるの?
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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いりこが消えた日

2010.01.16 (Sat)

気がついたらボスの机の上にいりこが無かったんだ。

全部食べたの・・・?

・・・orz
ごめんね、ボス。
僕ちゃんと仕事できたんだろうかと不安しか残っていません。

お世話になりました・・・ボス。
そんでもって一言。
先に謝っておきます。
何かやらかしていたらごめんなさい。
11:38  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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お友達はお客様

2010.01.16 (Sat)

「今からすぐ行く」
ピンポーン
「あ、来た来た。M君だ」
インターフォンの受話器を取り、一言。
「誰だ!お前は!」
おどけて見せた私の反応にM君は「わたしだ!」と答えるはず。
「お前は誰だ?!」
「あの・・・宅配便です」
二度と言いうまい。
この言葉は。
08:00  |  140文字までの小説  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

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そんな靴で歩けるか!

2010.01.15 (Fri)

シンデレラという名前の娘がいた。
彼女は特に日々の日常に不満を抱いているわけでもなかったが、今現在だけは不満しかなかった。

「なんで、ガラスの靴にするのよ!」
「綺麗だからのぉ~」
「歩きづらいって気づくかない?!」
「そうかのぉ~?」
「自分で歩いてみなさいよ!!」
「体重が重いから無理じゃよ」
「私の体重なんで知ってんのよ!」
「知らないが、例え怪我してもわたしゃ痛くない」
「なっ!!!!」

殴り倒したい。
その言葉だけがシンデレラの頭を支配した。

その数時間前。

「今日の舞踏会は何を着ていこうかしら?」
「そうよ!王子は結婚相手を探しているのよ!念入りにしなくちゃ!」
「お母様、これいかがかしら?!」
「そうね!流行のドレスと独特なトレンドを合わせたいいデザインね!美容院の予約をしておいてよかったわ!」
「お姉さま、これ素敵でしょ?」
「どうしたの!?そのドレス!手に入らなかったのに!」
「ワンサイズ小さいのにしたら手に入ったから無理やりきたのよ!コルセットが苦しくて窒息しそうだけど」
「さぁ、お前達、行きましょう。ほーっほっほほっほ」

五月蝿い女の集団が出て行ってくれたことが、シンデレラにとって幸せだった。

あぁ、夕食の支度をせずに済むわ。
面倒なことばかり。
とりあえずご飯食べさせてもらえるし、その点に文句はないけれど
小言がなくなれば満点ね。
それにしても変わった王子様。
この村の女の中から嫁を探すなんて。
馬鹿にもほどがあるわ。
貧乏人が犇めき合って、どんぐりの背比べの生活をして
私のような存在と殆ど変わらない暮らしぶりで
変わるといえば身なりだけ。
後は、内に秘める強欲の度合いかしら。
私はどうでもいいわ。
あんな王子なんて。
どうせ、ろくなことないもの。
今の生活より安定しているなんて保証なんてない。
それこそ妻なんていう餌をぶら下げているだけで、何させられるかわからないじゃない。
とんでもない変態だったらどうするのよ。
毎晩、ベッドに縛ってくれなんて言い出したら。
いや、縛らせろなんていいはじめたらもっと最悪!
アイスピックをベッドの下に忍ばせておくしかないじゃない。
付き合ってみないとわからないのに、その期間がまったく無しで結婚よ?
ありえないって。
身売りじゃないんだから。

ぶつぶつと独り言を言いながら、シンデレラは寝床のキッチンに座っていた。
まさか自分が舞踏会に行くことになるとは思いもせず。

「お前さんを舞踏会にいかせてあげよう」
突然の声に驚いたシンデレラ。
「結構です」
勝手に入ってきた怪しい人物を追い出し鍵を閉め、普段は食べないちょっとした贅沢な食事を楽しんでいた。
「話を聞きなさい」
またもや勝手に入ってくる。
「なんですか?!魔法使って。ちょっとずるいんじゃありません?っていうかプライバシー守ってよ!」
「舞踏会へ行きたいだろう?お前さんも」
「行きたくないわよ」
「何故じゃ。うまいものもあるのに」
「そんなうまい話だけの世界があるわけないじゃない」
「あるんじゃよ」
「ないっつーの。邪魔しないで!一人でゆっくり食事を楽しみたいの」
「話のわからんやつだ。ほれ!」

魔法使いは薄ら笑いを浮かべながらシンデレラの腕を掴み、口から煙を出したかと思うと
家の外にいた。
外に連れ出されたシンデレラは光の渦に巻き込まれ、目を開けると綺麗なドレスを身にまとい素晴らしいメイクとヘアアレンジが施された姿になっていた。
「・・・何これ」
「さぁ、舞踏会へ行くのじゃ!」
「はぁ?!え?!ちょちょっと!きゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!」

魔法使いは白い棒に星の付いたステッキをくるくる回しながら振りかざすと
シンデレラはかぼちゃの馬車に収納され、光の速さで会場に着いた。

「その魔法は夜中の十二時までしかもたない。十二時を過ぎたらすっぽんぽんじゃ」

とんでもないことを魔法で伝えてきた魔法使いに怒り心頭といった表情で舞踏会場に立っていた。
シンデレラとはとても思えないほど美人な姿で。
これが現状に至るまでの経緯。

「仕方ない。食べて帰ろう」

食欲だけは勝てなかった。
ご馳走を食べさっさと帰ろうと決めたシンデレラは、舞踏会場へ遅れてはいる。
すると、注目される視線。
見られている。
その異様な雰囲気に戸惑いながらも、ゆっくりと歩くと目の前に王子がいた。
「一曲、踊ってくれますか?」
考えていた人物よりも王子はまともな立ち振る舞いで、姿かたちも素敵だった。
シンデレラの勝手な思い込みは輪をかけて酷いやつとされていたのだが。
「意外と普通の人なんですね」
踊りなど知らないはずなのに、王子がリードしてまるで知っているかのごとく踊れている。
「この舞踏会も僕が開いたわけじゃありません。家臣や周りの者達の意向です」
「ふーん・・・じゃぁ、誰も嫁にする気なんてなかったんですね」
「えぇ。僕ではなく、僕に付随するものしか皆みてないでしょう?だから嫁なんて考えたこともなくて」
「まぁ、確かに生活のこともあるので付随するものは見てしまいますね。借金だらけとか、無職ですなんていわれたらさすがに難しいですものね。私自身も、そういい仕事をしているわけではないので。していれば、別ですが」
「そうですね。確かに考えるでしょうね。そういう目ではないでしょう?彼女たちは」
「そうですね。贅沢をしたい。それだけだと思いますよ」
「お金があって不自由はありませんが、自由があるかといわれると即答できる自信はありません」
「ないよりいいですよ。無いとそんなこといってられませんから」
「そうですね」
「何をするにもお金だから、きっと人はあの紙切れに悪い魔法をかけられたんですよ」
「悪い魔法ですか?」
「そう。だって、お金ほしさに身も心も侵食されて本来の目的を見失っている気がする」
「本来の目的とは?」
「人を愛することです。そして、幸せに元気に生きること」
「なるほど」
「もちろん、それにはお金も必要です。それは生きていくうえで必要最低限のものに当てはまるでしょう。けれどそれだけじゃないってことが、頭の隅にでもあればきっとお仕事やお金以外のことにも目が向くでしょうね。人間性や仕事やお金、どちらかが完璧だとしてもバランスがなっていない。それでは、生涯共に出来ませんよ」
「その通りですね、あなたお名前は・・・?」
「あ!!」

話に夢中になり、踊っていたその時、目には映ったのは大きな時計が十二時一分前を指している。

「ちょっとごめんなさい!また今度!!」
このままでは素っ裸になってしまう。
猛ダッシュで走りたいが、ガラスの靴。
なんて歩きづらいんだ!!
シンデレラは誰もいないことを確認すると、靴を脱ぎ捨てその辺に投げた。
それからドレスの裾をたくし上げ走った。
デザイン的な長い階段が憎らしい。
投げ捨てた靴が階段に転がっている。
蹴っ飛ばして端にやるとそのまま森の中に入った。
途端、魔法は解け素っ裸に。

あの魔法使い、今度会ったらぶちのめす!!

こうやって二人は出会った。
王子 二十歳 シンデレラ 十六歳。
魔法で消えるはずのガラスの靴は、王子の手の中にある。

「あの子を探そう」

それ以来、シンデレラは逃げ回っている。
ストーカー被害から。

「もぉ!しつこい!ガラスの靴なんか履けるわけないでしょう!」
「君しかいないんだ!」
「無理よ!入らない!」
「絶対に君だ!そんなに太っていても僕の眼に狂いはない!!」
「太っ・・・!!五月蝿い!うるさーい!仕方ないじゃない!この仕事始めたんだから!」
「何で毒見なんて・・・!!」
「うまいもの食べたいのよ!育ち盛りは!!」
「運動しろよ!」
「人の事ごちゃごちゃいうなー!」

こうして、二人の恋愛は続いている。

舞踏会で食べた食事が忘れられないシンデレラは美食を求め旅を続ける。
王子はダイエットを勧めつつ健康的な体になれと、ストーカーになってまで追いかける。

二人が結婚したのは、半年から一年後の話。
08:00  |  昔話と童話の真実  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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すっかり忘れていた

2010.01.14 (Thu)


「忘れていたらしいわね。私」
「そうじゃな」
「ところでクロたん」
「前回までの話とやらをちょっと語ろうかのぉ」
「そうじゃないと、多分、皆忘れてるから」
「というより、お前さんが忘れとるんじゃろう?」
「・・・そうよ!」

というわけで、というわけです。

クロたんの冒険。

すっかり忘れておりました。

ごめんなさい。

思い出していただくために・・・


単純に解説したあらすじ。

ある日突然、魔法使いになって(魔女名ルイーズ)
格好からはいってとんがり帽子のマント着て
ネコと合体させられて、耳と尻尾とひげが生えて
初の集会に出たら未来の自分が現れ時空転送魔法で未来に飛ばされる。
桃香の家に到着後、クロたんは悪魔の化身だと未来の自分からメッセージを受け取る。
全ての問題をルイーズに託すとある丸投げ状態。
クロたんの冒険ノートを書き始めた途端、後ろに現れた男はルイーズを魔王と呼んだ。
その男はルイーズの伴侶であり、ルシファーと名乗るもののクロたんの長男太郎と発覚。
ルシファーはある攻撃に弱いことを示唆する。
それは、全員猫が主体の体をもつ存在のためまたたびに酔っ払ってしまうことだった。
クロたんの尻尾を掴むと時空跳躍が出来るというのでルイーズは尻尾を掴む。
時空跳躍したその空間は、時間と時間の狭間。
全時空間に存在するルイーズたちと未来のルイーズおばあちゃんに出会う。
ルイーズおばあちゃんの命をかけ、ルイーズはその心臓を飲み込んだ。
そして、クロたんは犬になってしまった。



というわけなんですが、ちっとも覚えてません。

これはまったく設定などを考えず、一人小説リレーをしております。
なのでぶっ飛んだ内容になっているため、設定なんて考えたって
それを生かすことが出来るかというと書いている本人の記憶力次第なんですが
とてつもなく頼りない記憶力の持ち主なんですよ。
私は。
最近は特に、酷い物忘れでして。
過去なんてまっさら覚えてません。
辛いこと以外。

さて、そんな私が書けるかどうか不安ですけれど書きますね。

というわけで今日は過去を振り返りましょう。

第一話 シンボルマーク

第二話 魔女になってもいいけれど

第三話 未来の私と今の私

第四話 主人公は君だ!

第五話 一人の大軍隊

第六話 化け猫と化け女

第七話 とある事情を説明して

第八話 時空跳躍 始動
08:00  |  クロたんの冒険  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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スカイライン 第六話 ダンス

2010.01.13 (Wed)

第六話 ダンス

上官でスカイラインと飛ぶためだけに自らを降格した彼女。
それはウィッカ。
僕とスカイさんのメモリにとても興味のある対象として保存されている映像。
それが、魔法使い。
ウィッカはコードネームだが、純血の魔法族である彼女の存在は現代に至ってはとても貴重なものだ。
科学を超えたものを生み出すその力はどれだけの研究者が集まっても解析できていない。
「座って」
部屋に戻ると頬を氷で冷やしながら座っているウィッカがいた。
先ほどFに引っ叩かれたためだろう。
どうして叩いたのかはぐらかされた為、僕は知らない。
知る必要もない。
「何故?」
「腕をつける」
「つける?」
先ほどウィッカの魔法で吹き飛ばされていた左腕を拾い上げ、ウィッカは何か言葉を口にしたが聞き取れない何かだった。
「呪文?」
「そう」
「なんといったの?」
「聞こえない声」
「え?」
「魔法は聞こえない声で話す。だから、聞こえないんだ」
非科学的なものというのは、僕達には理解できない。
Fは元々人間。
感情というものが理解できる。
僕は、元々人間じゃない。
人間のパーツは利用されているようだけれど、記憶は何もかもがクリアされた。
脳をリサイクルすることは出来ても記憶だけは残らないようになっている。

邪魔だから。

感情は必要ない。
それが研究者達の理論であり、結論。
僕には感情がない。

「どうして、君は女の子なの?」

ウィッカが僕を見てそういったとき、驚いた。

「抱かれたかった?」
「そうだね」

感情のない僕でもこんな台詞が口から出たことに。

「今、いいかね?」
それは、新しく着任した上官の声だった。
「どうぞ」
僕は立ち上がりドアを開けた。
「明日の朝、二人で飛んでもらう。先ほど、Fの破棄が決定された」
「では、今後のパートナーはウィッカですか?」
「そうだ」
「わかりました」
指令所を受け取りフライトプランを確認。
単なる偵察業務。
Fは破棄されたか。
都合のいい話だ。
「・・・破棄ってどういう意味?」
「その言葉通りだよ。稼動状態がよくないと判断された。後は、処分されるだけ」
「どうやって?」
「正確に敵に対して最大限の威力を発揮するために攻撃をしにいく」
「特攻ってこと?」
「いや、そうじゃない。スカイラインパイロットが唯一出来る最後の仕事」
「何をするの?」
「自由に空を飛ぶことが出来る。あの決められたラインから外れ本当に飛ぶんだ。ダンスが出来る」
「それだけ・・・?」
「力尽きるまでダンスをし続ける。最高じゃないか」
「じゃぁ、今彼は・・・」
「もう、落ちたよ。さっき、信号を受信した。君に伝言を受け取ったよ。好きにしろって」

際立つのは動き。
飛んでいるとは思えないほど、滑らかでしなやかに動く。
敵を見つけた思ったら、もう目の前からいなくなる。
するりと雲の間をそっと抜けるように飛ぶ。
ひらひらと。
ロールしながら下に見える敵の背後へ。
敵も気づき速度を上げる。
そのまま背後に着く。
急旋回。
エルロンで右へ倒す。
スパイラルで降下。
フルスロットル。
追いつく。
撃つ。

なんだ?
おかしい。
当たったはずだ。
軌道が変わっている。

「俺も、純血だったんだ。魔法族のね」

それがFから送られた最後の信号。
笑いながら満足そうにいった言葉。

僕が殺して、僕が人から人ではない何かに変えた、Fの最後。

「ウィッカ。スカイさんが着いたって。明日は、一緒に乗る?」
「え?」
「ただし、一緒に乗ったら確実に死ぬけど」
08:00  |  スカイライン  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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壊れたヒカル

2010.01.12 (Tue)

私以外のチームメンバーが今日で仕事が終了した!
つか!私、居残り組み?! orz
おぉおぉぉぉぉぉぉ・・・ 仕事・・・無いんだけど・・・本気で。

あぁぁあっん!
明日からひとりぽっちだよぉおお!!!。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!
寂しい・・・
寂しすぎる・・・
プロパーの部屋に突っ込まれた残りの狸=僕・・・。
皮算用の成れの果て。
あぁ、売れ残り。
あぁ・・・あぁ・・・orz

誰か・・・寂しいの、僕・・・寂しい・・・。
つか、明日行きたくない。
だって雪積もるって。
積もるって言うんだもん。
嫌だ。

いーやーだー!

ボスのいりこはあれ以来、減っていいない。
明日から減るんじゃなかろうか。
だって、僕が残るんだから。
23:21  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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一緒に笑おうね

2010.01.12 (Tue)

そのきっかけに気づいたのが、他人だったからどうしようもない。
「なんか、だるいんだよね」
そういった私の顔を見て、行動を見て、言った。
「・・・つわりじゃないの?」
結婚して間もなく、私は子を授かった。
結婚まで異様にはやくことは進み、驚くような人生の始まり。
しばらくして子を宿した。
まったく無自覚だった自分にとっては青天の霹靂。
飛び上がって薬局に行き、簡易検査薬を買った。
陽性。
それは、嬉しさと同時に不安もこみ上げた。
母親になるってことだよね。

そうして、マタニティーライフはスタートした。
と、言いたいところだが不安最高潮。
既にマタニティーブルーだ。

「本当に?!」
それは、帰宅した夫の言葉。
喜んでおなかをさすった。
すごく喜んでいる顔。
青ざめている私。
もちろん、その不安を抱えるのは妊娠する前から自覚はあったのだが。

子供を生むことも育てることも不安。
嬉しいけれど同時に生まれる不安。
怖くて怖くてたまらない。
そんな感じ。
でも、会いたい。
笑って、抱いて、ぎゅっと抱きしめて、撫でてあげたい。

「ほら、お前さんはここでおりなさい」

でも、気がついたらここにいた。
「・・・漢字が読めない」
「賽の河原」
「さいのかわら?」
「そう」
「なんで・・・?」
「死に掛けてるんだって」
「え・・・死にたくないなぁ」
「戻ろう」
「僕はそっちに渡れない。君が戻ってこないと、二人ともそっちに渡ってしまったら死んじゃう」
「どこに戻るの?」
「僕の側」

私は迷っていた。
どういうわけか、賽の河原というのにもかかわらずこども達が楽しそうに笑っている声がしていたから。
怖そうな鬼というのもいなくて、すごく小さな鬼が必死に何かを叫んでいる。
でも、うまく聞き取れない。
一体、どうしてこんなところに。
何があったんだっけ?
わからない。
どうしよう。
どうしたらいいんだろう。
私が不安に思ったから?
私、やっぱり母親になんてなれないのかなぁ?

「おいで。戻ろう」

突然、私を掴んだ腕はとても暖かかった。

「・・・あれ?」
「気がついた?!」
「・・・えっと・・・」
「はぁ・・・心臓止まるかと思った。今、病院に向かってるから!動かないで!」
「・・・どうしたんだっけ?」
「階段からすっころんだんだよ!」

車の助手席でふとを覚ました私。
青ざめている夫。
必死に運転している。
確かに頭は痛い。
無意識におなかを撫でていた。
うん。
いる。
大丈夫。

だって、私、手を伸ばせなかったの。
両手とも、こどもと手を繋いでいたから。

「大丈夫ですよ、赤ちゃんもお母さんも。あら?・・・双子だわ」
「え?!」
私は笑って「やっぱりね」と答えた。
小さい鬼がいっていた言葉を思い出した。
でも、意味はわからないや。

靴を忘れないでってなんなんだろう?
08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

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夢猫と唸り声

2010.01.11 (Mon)

居間で晩御飯を食べていたら、突然頭の上から「ヴゥー!!!」と唸り声が聞こえた。
完全に怒っている猫の声だが頭の上から聞こえるとは摩訶不思議。
箪笥の上にはさっき「のん」が寝るっていって登っていた気がするのだが・・・。

「ヴゥー!!!」
「ヴゥー!ヴゥー!!!」

・・・寝ながら唸ってる・・・?
ってことはもしかして、夢の中で戦闘中か?

「・・・のん・・・?大丈夫か?」

目を覚ます。
・・・あれ?!って顔をしてみせる。

「夢だよ。お前、夢見てたんだよ」
「・・・・?」
「喧嘩してない。誰もいないよ、大丈夫だよ」
頭をよしよしする。
「・・・???」
何がなんだかわかってない様子ののん。

寝言を言う猫は居たけれど、ここまで唸って怒る猫は初めて見た。
それも夢の中で。
一体、誰と戦っていたのだろうか。

DSC_0129-1.jpg
20:20  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(3)

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何を想像しましたか?

2010.01.11 (Mon)

線をなぞるようにゆっくりと下から上へ手を滑らせる。
急に聞こえる小さな一言。
吐息と混じり湿っぽさを感じさせる。
聞こえた声を塞ぐように中に入れる。
暖かく外気を閉ざしたその場所はゆっくりと汗ばんでいく。
冷たい外の裏路地で、小さなきっかけが今ここで花を咲かせ
場所を考える余裕もなく感情と現実の境界線を破壊し、全ての世界が閉じていく音が聞こえた。
音を立て、段々と早く動く。
動きと比例し熱くなる。
どんどん速く、熱く、そして、最後を迎える。
綺麗な顔が歪んで見える。
激しい残骸には先がなく、ただ絶えるだけ。

「綺麗だ」

唯一発した言葉だった。


是非、続きもご覧ください。
08:00  |  研究文章  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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証拠写真

2010.01.10 (Sun)

突きつけられた写真は間違いなく私が写っている写真だった。
「これで言い逃れは出来ないぞ!」
迫る警官。眼光鋭く私を突き刺して見つめる。
「まさか、こんな写真を撮られるなんて」
「お前が犯人だ」
「でもこれ、スカートの中よ。盗撮したってことよね?」
08:00  |  140文字までの小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

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嘘だといってくれ

2010.01.09 (Sat)

なんでこんな穴があいているんだ?!
一体、どういうことなんだ!
こんなところに穴があいたら僕はどうしたらいいんだ!
怖い!怖くてたまらない!
「五月蝿いわよ!歯医者行けばいいでしょ!」
「何いってるんだ、お前!よく見ろ!歯じゃないんだぞ!」
「頭に穴があいているのは私が昨日銃で撃ったからよ!」
08:00  |  140文字までの小説  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

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なんと!気がついたら!

2010.01.08 (Fri)

来週の仕事が半日分しかない。

その後はどうするんだろうか。
やっぱり予定通りに工数は進んだ。
うーん・・・
一体僕達はどこへ向かっているのだろうか。

玄米もラスト一袋!

そして、今日はモス気分☆
あー、おいしかった(^-^)

そういえばさ、クリスマスイブにサンタガールがモスの前にいて
「モスチキンいかがですか~!」って可愛く言ってたんですよ。
二人の可愛い娘さんが。
私にも言ってくれるのかと思ったら、同じビルから出てきた私には
「おつかれさまでーす」と素に戻ったサンタガールから挨拶されてしまったのでした。
ちょっと、寂しかったな・・・。

でもいいの。
うん。
僕、モス大好きだから。。。
山葡萄ジュースがなくなったのは悲しみが深いけれどね。
20:33  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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忘れた計画

2010.01.08 (Fri)

なんてことだ!と叫び声が響いた。
「どういたしましたか、旦那様」青ざめる旦那に問いかける。
「妻が!妻が死んでる!」女中は不思議そうな顔をして答えた。
「先ほど旦那様が殺したではありませんか」
「そうだった!保険金を考えていたのに!」
「では、失敗ですね。皆、真実を知ってしまいましたから」
08:36  |  140文字までの小説  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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穏やかな余生は送らせない

2010.01.07 (Thu)

何でこんなことになってるんだろうか。
やっぱり、昨日感じた違和感は的中し多大な工程数を増やすだけで
メンバーで普通に対応していれば終わるものが終わらなくなるような
状態になる可能性しかない気がしてきた。
気じゃない・・・。
そう、それが現実になると困ります。僕・・・

最後に、ボスの机を見てあまりのことに笑ってしまった。
というよりマスクをしているから表情はわからなかったと思うけど思い切り苦笑だった。
僕、そんなに困らせてるのか・・・と実感したものがあった。

ボスの机の上にいりこがあったんだ。
21:00  |  リアル世界  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

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