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子供の幸せよりも大切なもの

2010.03.05 (Fri)

この場所で殆どの子供は親と言うものに対し恨みを持っている。
それは少なからず極楽浄土へ行くための弊害でしかなく未来永劫、苦しみ続ける種なのだ。

「何っいってるの?」
それが子供たちの決まった返事であり大きな鬼を泣かせる言葉。
子供たちにとって考えられない話は常識であり、非常識が常識なのだ。
僕が思うには。

「パパとママはいつも自分達が苦労するなんてありえない。
あんたが生まれてきたから生活が苦しくなったって言ってたよ。
だから、産むんじゃなかったって。そんなものじゃないの?」

「そうだよね。私のうちもそんな感じだったよ。よくわからないけど私が悪いみたい。
何が悪いのかわからないから聞いてみたけど、蹴られるし殴られるから
何か私は悪い事をしたんじゃないかなぁ?」

「言ってもらわないとわからないけど、ママとかパパって何も言わないよね。
すぐ殴ったりするだけでさ。あたりまえだよね、そんなのって」

「そうそう、当たり前。大人ってすぐに物を投げたりして怒鳴って叫んで
あんたがいるから私が苦労するとかっていってさあんたが言ったとおりにしないから。
言うとおりに動かないからとかいっぱい怒られるよね」

「何しても僕達が悪いんだよね。何が悪いのかもうわけわからないけど
僕達がいることが悪いことなんだろうね」

「私もそう思った。だから、ここにいるんだよ」

「そうだよね。だから、こんなところにいるんだよね」

「僕達は生まれたことが悪いことなんだよね」

きっと、私達が悪い子だからこの場所にいるんだよね。

小さすぎる子供たちにって親は神であり家は世界である。
そういう状況が続く中、大きくなった子供たちもまた抜け出せないまま世界は狭く
より暗いものになっている。
だが、この場所に来て世界が明るいことを知ったのにもかかわらず
許されることは無い自分達の理解し得ない罪を抱え
死ぬことすら許されず時を流れる。

「そんなに泣くなよ。子鬼が心配するよ、また」
「・・・・」
「とうちゃんなんだろう?」

僕は僕で、この場所に来て二十年になる。
迎えが来る気配すらない。
僕は、親によって殺されたが親より先に死んだ罪でここにきている。

償うつもりなど、ない。

「僕はもうすぐ、泡になると思うな」
「・・・罪にはならないはずだ」
「でも、泡になるってことは地獄行きだろう?知ってるんだよ」
「そうか・・・」

08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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