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噂の心霊スポット

2009.06.20 (Sat)

「ねぇドライブいっちゃおうよ!このまま!」
そう言い出したのは、合コンで打ち解けた女の子。
名前はあきらというそうだ。
みな、あーちゃんと呼んでいる。
大学生になって、あーちゃんって・・・と思ったが俺もあーちゃんと既に呼んでいた。
「あーちゃんどっかいきたいところあるの?」
そうきいたら、あーちゃんと一緒に合コンに来た女の子のみったんが答えた。
「あーちゃんが行きたいって言い出すのは決まった場所なんだって!」
けらけらと笑いながら俺の肩を叩く。
助手席にあーちゃん、後部座席に俺とみったん。
運転席には俺のお友達でりー。
「なに?どこなの?」
みったんは聞いて欲しそうな顔をしている。
「この子ね、心霊スポットマニアなの」
げ・・・最悪。合コン後に行くところか?
つか、普通こんな夜中まで一緒ならもうホテルかと思ったんだけど。
「りー、お前と気が合うはずだな・・・」
呆れた声で俺はリーに話しかけた。
「だから、一緒なんだよ」
りーも心霊スポット大好き人間である。
まったく、気が知れない。
誰が好き好んで、そんな化けもんがでて来るような場所に出向かなきゃいけないんだ。
「俺、嫌だ」
「えー!意外!もしかして、怖いの?」
「怖いとかの問題以前に、そういうの好きじゃない」
「こわいんじゃん」
みったんは、けらけらと笑いながら体をくっつけてくる。
「で、こんなところにそんなスポットってあんの?」
「最近ネットで噂なんだよ!」
助手席から振り返ってあーちゃんが答える。
「どんな?」
「この先に見える、ほら、あそこ。あの丘の上で女の人が出るらしいの」
「・・・あの丘?」
「うん、事故で死んだらしいんだけど。そうとう悲惨だったんだてぇ~」
そういうあーちゃんの顔にご愁傷様というような言葉はなく、その酷さに対しての
興味が湧き出るように話している。
「事故って何の事故?」
「一応、交通事故みたいなんだけど・・・おかしいんだよね」
「何が?」
「髪が切り刻まれてて、腕とか足とか?ばらばらだったらしいし。でも、タイヤ痕とかあるから交通事故だろうってことで処理されたらしいよ」
「随分とグロテスクな話だな」
「そういうの、すっごい好きだから」
あーちゃんの見た目はとても大人しそうで化粧もあまりしてない感じの
ファッションもそこまで気を遣っているようなタイプじゃない。
それが、こんな風に強い意志を示す子だったとはと呆れていた。
また、よりによってりーもこういうのが大好きだ。
「いいカップル誕生だな」
「うん!」
満面の笑みを浮かべたあーちゃんはリーの手を握って見せた。
完全に出来あがったようだ。
「着いたぞ」
リーの声でしぶしぶ周りを見た。
皆は早々に降りている。
「さっさと降りなさいよー!」
みったんが俺を呼んでいる。
笑いながら。
怖がっていることが面白いんだろう。
溜息をついて、車から降りた。
随分、皆と離れて歩いた。

その時、見たくない人間がそこにいた。
人間だと思いたい。
だが、明らかに人間じゃない。

冗談だろ・・・

皆は気づかずずっと奥のほうへ歩いていっている。

「俺は・・・ 俺は・・・」
震えていることに気づいた。
こんなところに来るなんて。
二度とこんな場所に来るもんか。
幻だ!幻想だ!
そう言い聞かせても、目の前には髪がばらばらに切られた女が立っている。
ズタズタの体の傷を見せて。
引き裂かれた服を着て。
血でくすんだ色。
黒ずんだ手。
千切れそうにみえる足。

「しょうがないじゃないか!!お前が!お前が別れるなんて言い出すから!
お前を誰にも渡したくなかったんだよ!ぶん殴って酷い顔にしておけば
誰だって相手にしないだろう!お前はすぐどこかにいこうとするから!」

近づこうとするその人物に俺は叫んだ。

その時、真後ろから手が肩に触れ驚いて腰を抜かした。
「・・・お前達・・、あ、あれ・・・見えるか?りー・・・あれ・・・」
皆の顔がどんよりとした顔をして俺を見ている。
一体・・・ どうして。

「殺したのか。お前・・・」

リーは目の前にいる幽霊に近づき「もういいよ」と声をかけた。
彼女は泣きながらすっと足元から消えて空に溶けた。

「夢に出てきたんだよ。彼女が。ここにお前を連れて来て欲しいって」
08:22  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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コメント

こんばんは

ヒカルちゃん!
すばらしい!!

りーの夢に出てきて
それに応えてみんなで連れてきて
きっと彼女の無念も少しは癒されることでしょう。

内容はグロテスクで怖い面もあるけど……
どことなく温かみが感じられるようで……
とっても素敵なお話。
まぁ素敵と言うにはグロテスクで怖いところはあるんだけど……

空飛ぶミケ猫 |  2009.06.20(土) 22:24 | URL |  【編集】

空飛ぶミケ猫さんへ

> ヒカルちゃん!
> すばらしい!!

ヽ(*'0'*)ツ おぉ!すばらしいとはありがとうございますm(_)m

内容自体はグロテスクですが、幽霊さんと協力したりー達。
化けで恨んでやる!じゃなくて、事故で処理されてしまったから幽霊さんは化けて出ました。
でも怖がらずにりーはそれを受け入れたので、りーが一番活躍してますね。

ただ、主人公の好きという気持ちが曲がった方向に行ってしまう。
暴力まではしないけど、わかってしまう気持ちもあるんです。
閉じ込めて、繋いで、側において。
まぁ、私の場合、にゃん達なんですが・・・勝手にサッシを開けてでていくのが
一匹いるのでこら!って怒っても「出てないよ?」って顔するんですよねぇ・・・
日下ヒカル |  2009.06.20(土) 22:41 | URL |  【編集】

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