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アルバイトで実験体

2009.06.24 (Wed)

「実験材料になりませんか・・・って、ヤバくないか?」
兄貴は青ざめた顔して俺にこのバイトをするなといわんばかりの顔をしている。
「兄ちゃん、給料見てみろよ!すっげーじゃん?!一ヶ月で二十万だぜ!」
「いいか、それだけお金を払うってことはそれなりの何かがあるんだぞ?それも実験って」
「こんな堂々と、バイト情報誌大手に乗ってんだ。大丈夫だよ」
「今時、どんな情報誌も殆ど嘘だと思っていたほうが身のためだ」
呆れた顔した兄貴は寝転がった。
「俺、もう今日からバイトだったんだけどね」
そういうと、兄貴は飛び起きて俺の肩を揺さぶった。
「お前というやつはぁ!!!」
「仕方ないじゃん。本気で、金ないし。病院も行けない」
「そ・・・それは、俺が出すって」
「いつまでも兄貴を頼ってばかりじゃ駄目だって。そうだ、住み込みだから荷物取りに来た」
「住み込み?!」
「うん、ほら、あのでっかい大学病院の大学の方」
「・・・あぁ、あそこか」
「携帯は使っていいって言われてるから、また連絡する。じゃ!」
「なんかあったらすぐに電話しろよ!」
「あぁ!」

心配性の兄貴に手を振った後、大学に戻った。
普通に大学の寮のような場所で過ごすこの一ヶ月。
衣食住すべて大学持ち。
更に、一ヶ月ここで実験体になるだけで二十万も貰える。
実験体になっている意外は好きなことしていいし。

実験体といっても、バイトの面接時にさすがに俺もビビッてたけど
「一ヶ月間、この、栗を食べ続けてください」
「それだけですか?」
「はい」

というやり取りに、本当にそれだけで二十万も?!と心躍らせた。
もちろん、実験には血液サンプルとかレントゲンとかいるらしいので
指定されたもの以外、飲食禁止というのが難点。
飲み物にいたっては、指定された水以外駄目というのでたまったもんじゃない。
いつもその水を貰って出かけるときはそれを飲むようにといわれている。

どうみても、どこにでも売ってある清涼飲料水だ。

毎日、栗づくし料理がふんだんに用意され必ず完食しなければならない。
平気だ!
と思っていたのは一週間でさすがに段々と飽きてきた。
また、お口直しになんてほかのものが一切食べれないため
結構辛い。
二十万は妥当かもしれないと思った。

「元気か?」
「いい加減飽きたよ~!栗ばっかだぜ?」
「はっはっは、そんな実験だったとはな。頑張って二十万稼いで来いよ」
「あぁ、じゃ、お休み」
「もう、寝るのか?」
「なんで?だって、もう夜の七時だよ?」
「・・・決まりなのか?」
「何が?」
「こんな早くに寝るのが」
「早くねーよ。何言ってんだよ兄貴、夜中じゃん。じゃ、おやすみ」

携帯を持ったまま寝てしまった。

「おはようございます」
その声で起きた。
「あ、あれ?目覚まし・・・」
「今日はわざと目覚ましを外しました。いつになったら起きるかという実験を行っていたので」
「そうですか・・・。さすがに寝すぎたかな。体中が痛い」
「あ、起きないで。まだ、実験は続いていますのでちょっと目を閉じていてください」
「わかりました」

そういわれたものの、俺は眠くて仕方なかった。
目を閉じるだけじゃなく、また眠りに落ちた。

「・・・ここは?」
目が覚めたとき、見知らぬ場所にいた。
「あ、目が覚めましたか?」
「えっと・・・」
「わかりますか?」
「・・・いえ、なんで病院なんかに・・・」
「アルバイトしていたのは?」
「バイト?何の話ですか?」
「お名前、言えます?」
「・・・名前?名前なんてありません。ナンバー08です」
「その通りです。では、あなたに手と足はありますか?」
「手と足?どういう意味ですか?」
「これが、あなたの手と足です」
白衣を着た女は、千切れた手足を手に持って俺に見せた。
「・・・え?」
「痛くなかったでしょう?」
「・・・」
「今、引きちぎったんですよ?」
「・・・冗談ですよね?」
「あれ?冗談だって思っちゃうんですか?」
「何が・・・?」
「うーん・・・、あなたは通常の三倍の投薬をしたのですがあまりに変化が見られなかったために
こちらとしても不思議な現象でいい実験結果が得られるかと思ったのですが」
「投薬?俺、薬なんて・・・栗食べただけ」
「そう、栗です。思い出しました?」
「・・・あぁ、そうだ。栗」
「でも、あれはどうでもいいんです。ストレスを貯めさせるためだけなので」
「は?」
「本当はあの水の中に在る病原体をいれそれに対抗できる抗ウィルスがどのような反応を示すのかというのを観察していたのです。交互に、ウィルス入り、抗ウィルス入りと渡す予定だったのです」
「・・・予定?」
「記録ミスであなたにはウィルスのみが支給されてしまい、ウィルスは脳にまで達しなんと脳を侵食しウィルスが栄養源として成長しているんですよ」
「何言って・・・?」
白衣を着た女は嬉しそうに話している。
ふざけるなよ、脳が食われるって・・・。
「そこで、実験を急遽変更しウィルスの量を三倍にして投与したところ、現在では殆ど脳が存在しないのにあなたは目覚めた。ただ、ひとつ失敗だったのが解剖した際頭を切断してしまったのです」
「・・・え?」
「体は、使い物になりませんから捨てました。あ、契約書にあったと思いますがこの実験が失敗してもお訴訟など起こさないという書類に記入いただいてますので文句はないですよね?」
「・・・ちょっとまてよ。じゃぁ俺は・・・」
「あら?気づいていないんですか?頭蓋骨から脳だけを取り出し今保存液につけ、直接脳に電気を送り話しているんですよ。なんにしても、あなたは失敗例なのでもう学生達に遊ばせるための実験体になってもらったんですけどね」
「・・・ふざけてんのか?」
「あ、お給料は振り込んでおきました、使えれば使って下さい。じゃ、電源切りますね。おつかれさまでした」
「待てよ!オイ!!」

目の前が真っ暗になった。

「で、どうするの?あの失敗作」
「あそこまで解体したのに話せたね」
「けど、凄いよね。もう100年でしょ?あのまま生きてる時間」
「正確には、えっと・・・165.5年か・・・。シナリオどおり読めば会話できるけど、しばらく電気入れなかったらシナプスが滞るみたい」
「さすが世紀の大失敗といわれた作品ね」
「そうだね」
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(12)

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コメント

怖いですねー。
栗になにかあると思っていたら
水の方だったのね。

やっぱり怪しいバイトには手を出しちゃいけないわ(苦笑)

海のいるか |  2009.06.24(水) 10:37 | URL |  【編集】

海のいるかさんへ

実際に実験体のバイトしてた人が居たんですよ(汗)
本当に、栗じゃないけど何かひとつの食品だけを使った料理ばかり食べて
毎日・・・血液検査(--;
飲み物は水以外駄目という恐ろしさ。一ヶ月で十万円。
まぁ、一人暮らしだった人なので食費が賄えていい!とかいってましたけど
ぷよ~んとしていたおなかがすっかりへこんでいいダイエットになったみたいです(笑)
でも二度としたくないと嘆いてました(^^;
日下ヒカル |  2009.06.24(水) 10:46 | URL |  【編集】

こんにちは

来たよ~ん(*^0^*)
うまい話は ニャいんだニャ。
また 来るニャ
リンクしていいかニャ?(^^)
みかん |  2009.06.24(水) 17:25 | URL |  【編集】

みかんさんへ

いらっしゃいませ~(^-^)
うまい話は ないですにゃぁ(汗)
リンク ありがとうございます♪是非に♪m(_)m
こちらもリンクさせていただきます。
日下ヒカル |  2009.06.24(水) 17:30 | URL |  【編集】

何てことに……

主人公も、ちょっとくらいは「ヤバいかも!?」と思ったとしても、まさかここまでひどいことになるとは、考えもしなかったことでしょう……。

因果応報でないだけに、可哀想ってか不条理です。

しかし、標本でなしに「作品」「失敗作」ってことは『人体の不思議展』的な状況になってるんでしょうか……。
ライム |  2009.06.24(水) 23:11 | URL |  【編集】

ライムさんへ

おぉ!人体の不思議展!懐かしい!あれ行きました!
学校から・・・行けって言われたんだっけ・・・?
チケット貰ったんだっけ・・・?
行ったんですよね。
まっさか、本物とは思ってませんでしたがお名前が書いてあり「ぎゃぁ!」と思いました。
いやはや、あれは、衝撃的な世界ですね。
私の小説より、率直なこれ以上ないだろうっていうグロテスクさ!
でも、すごい!人間って!と思ったデス。
さすがに、人間を真っ二つにした文章はまだ書いてないなぁ・・・(汗)

まぁ、まさしく、似たような感じです。
んでちょっとハイテクにして、脳だけでも話が可能みたいな・・・(汗)
日下ヒカル |  2009.06.24(水) 23:20 | URL |  【編集】

怖いですね

仕事は汗水流してするものか、頭を使って創造するものでなければいけませんねぇ~

何もしないで利用されてお金をもらうなんてやはりおかしいと想わなくちゃいけないんだよねぇ~

そう想ったときはもう後の祭り・・・怖いお話でした。
ヘルブラウ |  2009.06.25(木) 06:52 | URL |  【編集】

おはようございます(^^)

リンクの件、ありがとうございます v-410
こちらこそ リンクして頂けるなんて とても
嬉しいですe-266
それでは 早速 飾らせてもらいます( *^-^*)
みかん |  2009.06.25(木) 08:32 | URL |  【編集】

ヘルブラウさんへ

タダより怖いものは無しと似ている気がします。
楽な仕事のように見えても、対価分は働くことになると覚悟しないといけませんね(^^;
日下ヒカル |  2009.06.25(木) 08:57 | URL |  【編集】

みかんさんへ

こちらこそ、リンクしていただきましてありがとうございますm(_)m
畑のお写真とイタズラ?しちゃったときのうにちゃんの顔が可愛いです~♪
もふもふしててきもちよさそうです~(*^-^*)
日下ヒカル |  2009.06.25(木) 09:00 | URL |  【編集】

こんばんは

怖いですね~
手足をちぎっても痛くない?
えーっ すごい薬を投与していたりして……

いえいえ、手足をちぎったのではなく、
脳を取り出したんですね。

実際にあり得そうだからほんと、怖いです。

でもね、私ここ最近のヒカルちゃんの作品の中では結構好きなタイプの短編です。

くれぐれもおいしいお話には近づかないことですね。
空飛ぶミケ猫 |  2009.06.25(木) 20:48 | URL |  【編集】

空飛ぶミケ猫さんへ

> いえいえ、手足をちぎったのではなく、
> 脳を取り出したんですね。

ううん、本当にちょん切ってみたの~(汗)
薬を投薬してその後、ちょん切ったら脳はどのように反応するかを見る実験でした。
既に、この時点で失敗しているので遣える部分全部使っちゃえ状態です。
可愛そうに(TT)

> 実際にあり得そうだからほんと、怖いです。
> でもね、私ここ最近のヒカルちゃんの作品の中では結構好きなタイプの短編です。
> くれぐれもおいしいお話には近づかないことですね。

極端に書いてますが、言いたい裏設定はお気づきのように
「美味しい話は裏がある」ということですね。
私が感じているだけかもしれませんが、最近は危険が多いため守られすぎた子供達は
純粋に育ってちょっとしたことでも「いい話!」と信じてしまっている気がするのです。
利便性やそのものの良い部分だけを見る目は高い。
けれど、危険予測が低い気がします。
守られすぎているから、予測は立たないでしょうね。
一度痛い目みたら、痛い目がとてつもない痛みを伴うような事件までに
発展しているときが多く感じられます。
それで、書いたのでした。
日下ヒカル |  2009.06.25(木) 21:42 | URL |  【編集】

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