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恨みを晴らします

2009.07.03 (Fri)

「もう絶対に許せない」
父親の栄転の都合で、田舎に住んでいた雪は都心の高校に転校した。
進学校に転校した雪はある程度覚悟をしていた。
田舎者だから馬鹿にされるかなと。
しかし、その覚悟は足りないものだった。
「田舎くさい!側にくるなって、超うざっ!」
女子はグループを作りまったくなじめず、男子はからかっている様を見て笑っていた。
進学校である以上あまり酷いものはないと考えていた雪だが
転入して三ヶ月。
言葉の攻撃は続いた。
女子グループの中心人物の貴子がいつも何かにつけて雪に突っかかってきていた。
その原因は、雪はすぐにわかった。
今までトップの成績を収めていた貴子を抜いたことが原因。
単なる僻みと無視していたが、クラス全員が貴子を敵に回すとうるさいため同調している。
貴子自身の成績もかなり良かったが、雪の成績は郡を抜けていた。
転入試験は通常の試験と異なり非常に難しいものとなっている。
それを軽くパスし入学してきた雪。
担任はそのことを転入早々に話し、雪の挨拶や自己紹介を前に点数を発表した。
入学式に総代を勤めた貴子の成績を上回る点数が、貴子の心を歪ませた。
「あーもぉ!超くさい!くさすぎる!」
何の因果か隣の席にいる貴子から、事あるごとにこの台詞が飛んでくる。
田舎くさいと言っているのだ。
それを、臭いとかけているようだ。

雪の我慢も限界に達し、図書館へ向かった。
図書館の中の誰も来ないような本が並ぶ列。
そこに雪は立っていた。
ゆっくりと棚を見て、目にとまった本をとり貸し出しカードを記入した。
借りた本は「藁人形の作り方」
雪は、機械類がとても苦手で携帯電話も持っていなければ
パソコンもインターネットなどしたこともない。
そんな雪がいつも情報源として頼っているのが図書館だ。
急いで家に帰り、本を読んだ。

用意するものが殆ど足りなかったため、代用品を使った。
正月のしめ飾りが倉庫に置いたままになっているため、藁の代わりに分解した。
それから人形の形に整えたら、何か弦のようなもので縛るようだがそんなものはない。
リビングへ行き、新聞紙を縛るためのビニールテープを取り出した。
白いが・・・まぁいいかと思いながら雪は作業を進めた。
五寸釘というのが、どの釘かわからなかった。
父親の工具箱を引っ張り出してきて沢山の釘やねじが入ったケースを見るが
五寸釘がわからない。
先を読むと、木に打ちつけると記載があるため雪は「ねじの方がとめやすいよね」という判断から
五寸釘はねじに代用された。
更に、打ちつけるための道具がなく、力もないため、ねじにしたので小型の電動ドリルを充電した。
丑三つ時と書いてあるが、正確な時間がわからない。
あまり夜中に神社に行くのも自分自身が怖いため、夕方に行こうと決心し
制服のまま家を飛び出して神社へと向かった。
小さな神社の鳥居をくぐりすぐ側の大木に電気ドリルで藁人形もどきをねじで留めた。
電気ドリルを地面に置き、雪は手を合わせて祈った。
「恨みが晴らせますように」

一週間後・・・

「やっほぉ~!」
ふざけながら貴子のグループの女達は窓の下にいる男子に手を振っていた。
「こっちみてるよ~!貴子の事好きなんじゃなーい?!」
「やだぁ~もぉ!」
甲高い声がうるさいと感じつつ、雪は読んでいた本に目線を戻したとき
その声は響いた。
「あ」
明らかに今までとは違うテンションのトーン。
そして、その声。
続く、変な音。
「い・・・嫌ぁっ!!」
「きゃぁー!」
一気に叫び声が響き渡る。
クラスにいる生徒達は、ゆっくりと窓の外を見た。
「なんだよ、あれ・・・」
「うえぇ・・・。俺、無理。吐く・・・」
さっきまで甲高い声で話していた人物がいない。
窓の外を見たクラスメイトは皆一様に青ざめた顔をして雪を見ている。

「お前が、神社でやったんだろ・・・。俺、見たんだ」
「俺も、見てた」
「私も塾の帰りだったから、見たんだ」
「雪・・・あんた、何したの?」
何の話かわからない雪は、窓際に行き下を覗き込んだ。
そこには工事中のギザギザになった支柱に刺さった体が、ぐるぐるとねじを回すように
体をうねらせながらゆっくりと回っていた。
まだ、息があるようで口がぱくぱくと動いている。
「あんた、何したの・・・」
おびえた顔して見ている貴子が、雪の横に立っていた。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

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コメント

違う人物が対象になってしまったのね・・・。
しかも・・・ネジ。
怖い!!
海のいるか |  2009.07.03(金) 10:27 | URL |  【編集】

海のいるかさんへ

そっそうなんです(^^;;;
中心人物ではないしろ、恨みは晴らしていくでしょうね。
ちょぉっとやりかた間違うとこうなるかなぁと・・・
書いてて痛かったです。
イタタタタと思いつつ(^^;;;;;
日下ヒカル |  2009.07.03(金) 11:43 | URL |  【編集】

こわい><
やり方が亜種だったので狙いが定まらなかったんでしょうか…。
雪さん、まだ続けるのかな~と思ったら
また怖くなりましたp-q

ヒカルさんの創られる物語は読みやすいので
文字の世界に引き込まれますね~!
尊敬!!

起承転結までの展開がはっきりしていますし、
読みきりだとわかっているので安心して1話読めます★
どこからこんなセンスが出てくるのやら…!!!
次のお話も楽しみにしてます!!

あと、色々記事を読ませて頂いたのですが、
ヒカルさんも絵をお描きになるではありませんか!
アナログ絵とお見受けしましたが、かわいらしかったです!!!
ライバル!(笑)
D-3 |  2009.07.03(金) 19:33 | URL |  【編集】

D-3さんへ

雪さん続けちゃうでしょうねぇ・・・
恨み恨んで耐え切れず・・・といった怨念が染み付いたから
本当は狙いは一つだったけど、気づいていない狙いがあった。クラス全員みたいな?
こわっ・・・(^^;;

読みやすいとは嬉しいです(^-^)v
一話完結じゃないと待たされるの苦手なんですよねぇ(^^;;
んで、長編はずっと書かなかったんですが公募し始めて書くようになりました。

あ、イラストご覧になられました(汗)
ペン入れ苦手で鉛筆書きです。
デジタルの場合は、写真加工が好きですね♪
自分の顔をごまかすのは大得意です!偽造率高!
ラっライバルだなんてとんでもない(〃゚д゚;A
比べ物になりませんよぉおお!!
日下ヒカル |  2009.07.03(金) 20:29 | URL |  【編集】

髪の毛!

人形に相手の髪の毛を仕込むのを忘れてます。
甲高い声のクラスメートの髪の毛が紛れこんだのかしらん。
それとも恨みを晴らす対象が分からないので、このあと周りの人が手当たり次第同じ目に(^-^;)
電気ドリルでネジ止め。きゃー痛い!!
それにしても、「似たようなもんだからいっか」って感じの、何てアバウトな作り方。
とても他人とは思えません。
ライム |  2009.07.03(金) 20:56 | URL |  【編集】

ライムさんへ

あら?!髪の毛がいるんですか!?
そっそれは知らなかった・・・(^^;;
手に入れづらいですね。
「ちょっと打ち付けたいんで髪の毛くれる?」なんて・・・いえないし。
代用品だらけで作ったけれど怨念凄くてみんな犠牲に・・・なると・・・思うデス(^^;;;;
日下ヒカル |  2009.07.03(金) 21:01 | URL |  【編集】

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