サイトマップ
07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

拍手する


妖精の名前はティンカベール

2009.07.26 (Sun)

ティンカベールと名づけたその妖精は、名前には似つかわしくない
ダークな衣装を着ていた。
しかし、羽が生えた小さな人間で本人曰く「妖精なんだよ」というので
妖精と聞いたためティンカベールと名づけた。
「で、何かよう?」
受験勉強のさなか、突然現れたヤンキー妖精ティンカベール。
小さな手で小さなタバコを吸い煙を吐き出す。
花の香りがするいい匂いだ。
「妖精が見える人間は限られてんだよ。で、あんたが今年の担当」
「担当って何?忙しいんだよ」
「忙しい?!何いってんだ!てめぇ!ふざけんなよ!人の話を聞くときは目を合わせろ!」
「勝手にやってきて、都合を押し付けるような化け物に話を聞く必要はないね」
「化け物だと?!てめぇ妖精だっつってんだろう!」
「どうせなら、セクシーで可愛い綺麗な妖精が良かったね」
「あいつら顔だけで、中身は最悪だぞ」
「そういうティンカベールはいいやつだって言うのかよ」
「自分で言うかぼけが!」

口が悪い妖精にあったのは初めてで
大体、妖精にあったのが初めてで
その前に、明日受験のための夏期講習が始まるからその暮らすわけテストがあるわけで
というか、うるさいんだよ。

「そんなにうるさいか?」

僕はびっくりしてティンカベールを見た。
「え?まさか人の考えてることわかんの?!」
「私はこれでも妖精だ!妖精は人の心から生まれる。私はお前から生まれたんだ」
「生んでないよ」
「否定し続ければ私は消える」
「千歩譲って僕が産んだのなら、何で生まれたの?」
「そう望んだからだ」
「望んだ?なにを?」
「大人になりたくないって散々昨日親父と喧嘩したじゃないか」

そう、昨日僕は学校の成績表を出張から帰ってきた父親に見せた。
ところがその成績は思わしくなくぶん殴られ延々と暴言が続いた。
成績は前回と比べれば格段と上がっていたから、てっきり誉められるとばかり思っていた僕は
こんな大人になんかなりたくないと叫んで部屋に閉じこもった。
母ちゃんは「勉強が出来ない人間が悪い!お父さんになんてこというの!」と言って
僕の言葉を聞いてくれなかった。
その後で母ちゃんは塾の夏期講習に申し込んだと勝手に進学塾に行くことを決めてしまい
そこで夏休みを棒に振ることになった。

進学塾に入るためにはクラス分けのテストがある。
そのテストで五十位以内に入らなければ、進学塾に通うことさえ出来ない。
もし、五十位以内に入らなかったらきっと僕は「お前なんか生まれてこなければよかった」と
また言われるのだろうか。

「あんたが望んだから、私が生まれた。大人にならない方法はいくらでもある」
「あるの?」
「あるよ。大人ってのが自分が見てきた親が全てじゃないことくらいわかってるだろう?」
「わかるけど・・・」
「一面を見てしまえばみなが同じように見えるのは誰しも同じだ」
「・・・」
「大人にならない方法を試すかどうかは自分で決めることだ。私はそのために生まれた」
「大人にならないって決めたらどうなるの?ピーターパンにでもなれるっていうの?」
「イメージ的にはあっているけど、もっと残酷だ」
「残酷って・・・」
「一生子供のままなら、一生この状態が続くだろうなぁ」
「・・・」

将来は何になりたいの?

お姉ちゃんがいつも僕に聞いていた。
お姉ちゃんは笑って「そう?じゃぁいっぱい勉強しなきゃ」って言ってた。
だから、かんばろうと思った。
お姉ちゃんが笑ってくれるのが嬉しかったから。

「お姉ちゃんに会いたいなら、会わせてやる」
「・・・本当に?」
「それが、大人になるってことだ」
「・・・会えないことをわかってるということが?」
「そうだ。止まらぬときはないが止めようと思えば止まるときもある。
秒針を止めても時間は止まらないが世界は止まる。
世界が止まっても体は止まらない。
目を閉じても、体を縛り付けても、何かは動いている。
動いているから、止まった時間でさえ必要な時間だったとその期間を表す。
止まりたい時に止まれ。
進みたい時に進め。
それは、体と心が決めることだ。
おまえ自身が感じ対話することができる」

僕は勉強をやめて、お姉ちゃんから貰った望遠鏡を持って夜の散歩に出かけた。

「お姉ちゃん、本当に会えるなんて・・・」
「良かった、会いたいと思ってくれて。迎えに来れてよかったわ」
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(12)

拍手する


コメント

おはようございます(^^)/

妖精って願いは叶えてくれるけど 
結果は心底願っていた事でしょうか、
私自身 天邪鬼かどうか 判らないけど
口でも心からでも 思うことが 
真実で正しい事なのか 判断できない時が有ります。
願った事が叶ったから幸せなのか。
ちょっと すぐに コメントを遅れない時があり 
一旦 よそ事をしてから リターンです(苦笑)
ボケ防止には確実になります(笑)
気を悪くしないで下さい。 
みかん  |  2009.07.26(日) 08:56 | URL |  【編集】

みかんさんへ

おはようございます!(^-^)

>真実で正しい事なのか 判断できない時が有ります。
うん、確かにそれは ありますね。
本当にこれでいいの?一番と思ったけど、いいのかな・・・・とか考えちゃう

時折私のお話で、なんともコメントしがたいものがありますよね(^^;;;
ゆっくりでいいですよ~(^^;;;;

日下ヒカル |  2009.07.26(日) 09:25 | URL |  【編集】

初めまして。

先日は当Blogへお立ち寄り頂き有り難う御座いました<(_ _)>
拙いBlogではありますが是非、
またお立ち寄り頂ければ嬉しく思います。

実は日下さんのBlogは過去に何度か足を運ばせていただいていました。
その都度、読み逃げだったので・・・
本当、申し訳御座いませんm(_ _;)m

一日一話のショートショートをupしていくなんて
心から凄いなぁ~と思いながら
楽しく読ませていただいて居ります。


・・・思えば子供の頃は空想した事が
目の前に広がっていた様に思えます。

歳を重ねソレが見えなくなった時・・・
空想する事を止めた時・・・
悲しいかな大人になったんだろうな~と思います。

このショートショートを読んで久し振りに空想してみよう!という気持ちになりました。

またお邪魔させてくださいね^^




カゼノオ~ |  2009.07.26(日) 10:31 | URL |  【編集】

カゼノオ~さんへ

いらっしゃいませ!(^-^)
読み逃げ(^^; お気になさらずに 気が向いたときでよいですよ~
わたくしもお写真に見惚れて・・・言葉がでてこなくて
あんなに自然なにゃんこを撮るのって大変だし
あーレンズ欲しい!とか叫んでました(笑)

一日一遍 思ったほど 意外と続いておりますが
時々 充電器が必要ですね(^^;;

子供のまんまなのですよ~感覚
でも、それを社会人になって本音にある感覚をおおっぴらに出来ないので
ここでぶちまけてる感じです(^^;
空想は最高ですよ!

コメントありがとうございます!
日下ヒカル |  2009.07.26(日) 11:25 | URL |  【編集】

妖精と名乗ってるけど・・・。

お姉ちゃん、本当に会えるなんて・・・迎えに来れてよかった」
 ⇒ これって、黄泉の世界へ・・・ですか???
読み方によっては、夏の幽霊屋敷以上の怖さですよ・・・。
妖精と名乗ってるけど、精霊かもね・・・。 怖・・・。
チャン |  2009.07.26(日) 11:42 | URL |  【編集】

チャンさんへ

おぉ!するどーい!
そう!そうなんですよ。。。
一見幸せそうな感じに仕立て上げましたが、お姉ちゃんは勉強を強いる親に耐えかねてしまったのです。
心配していたので迎えに来てしまったのですね。
夏らしく・・・ぞぞぞぉっとするお話でした。
日下ヒカル |  2009.07.26(日) 12:07 | URL |  【編集】

望遠鏡を持って、崖の淵に立って空を覗き込んだら……
という場面を思い浮かべましたよ~。こわ……。
自殺願望が生み出した妖精だったのでしょうか。
生まないように気をつけよっと(苦笑)
えめる |  2009.07.26(日) 15:02 | URL |  【編集】

えめるさんへ

>望遠鏡を持って、崖の淵に立って空を覗き込んだら……
お?なんだろ?
そういう物語があるのですか?
なんか、落っこちそうぉ・・・(^^;;;;

んー勉強が嫌で、成績だけでしか見てくれない親から逃げたい
という想いが生み出したのでちょっとヤンキーな妖精でした。

それも、名前が微妙にティンカベールだし(^^; ひねくれてます。

日下ヒカル |  2009.07.26(日) 17:23 | URL |  【編集】

ヒカルさん!

お姉ちゃんはやさしかったんですね。
それにお姉ちゃんは弟くんのやる気も上手に引き出していた。
そんなお姉ちゃんはもうこの世にはいないんですね。
そして理不尽な親に幻滅して彼を迎えに来た。

確かに大人にならない方法、ずーっと子どものママでいる方法がありますね。
残酷と言えば残酷ですが……

でも、その妖精は弟くんが生み出していたとは……
思いは現実化する……私もそう思います。
空飛ぶミケ猫 |  2009.07.26(日) 21:30 | URL |  【編集】

空飛ぶミケ猫さんへ

お姉ちゃんは優しくてすごく仲良かったけど、いなくなってしまったのです。
自殺してしまいました。
でも、お姉ちゃんは心肺で辛い思いをさせないために迎えに来ました
でもね、止まろうと思ったら止まれる。
けど時間は動いてるといった妖精さん言葉は色々取れるでしょ?
で、私の言葉としてはね、お姉ちゃんは迎えに来たけどつれては行かなかったの。
一緒に居てあげたかったという後悔から出てきてくれたのです。
話して、自分で道を決めなって自分から生まれた妖精が言ってるからわかってるんですよね。
でもたった一人で背負うのは辛いでしょ
自分のことでも、決めていることでも、決心するために言葉にのせて
お姉ちゃんに伝えたかったの。
勉強をやめるって。
そして、やりたいことをやると親に言う勇気を欲しかったのです。
実はハッピーエンド!
でも、見方によれば、バッドエンド!
日下ヒカル |  2009.07.26(日) 23:47 | URL |  【編集】

僕の机にも時々ティンカーベルがやってきて、

パソコンのキーボードでダンスしているよ。

僕をピーターと間違えたのかなぁ?

今日も好き日に…
ひろ |  2009.07.27(月) 11:06 | URL |  【編集】

ひろさんへ

あら?ティンカーベルが?!
ダンスとは♪
きっと、陽気な妖精さんですね(^-^)

今日は、雨止むかなぁ・・・また曇ってきたんですよ・・・(ーー;
日下ヒカル |  2009.07.27(月) 12:00 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

トラックバック

この記事のトラックバックURL

→http://virtualworlds.blog87.fc2.com/tb.php/334-b67d7ca0

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。