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扇子

2009.08.01 (Sat)

「暑いですなぁ」
蕎麦屋で隣の席に座った男はそういった。
「そうですね。おや?扇子変えたんですか?風流な絵だ」
「いやぁ~、どっかで落としちまってねぇ。いい扇子だったんだが」
「かなり古い扇子では?」
「あぁ、古いんだが高い立派な扇子を爺さんの代から親父が貰ってそれをわしが使っておったんじゃ」
「そうだったんですか。見つかるといいですね扇子」
「本当になぁ~、一体どこで落としたんだか」
男は真新しい扇子で扇ぎながら言った。
「へい、お待ち!」
蕎麦屋の主人がかけ蕎麦を二人の前に出す。
夏は掛け蕎麦以外ない店だが、とても美味しく有名だ。
扇子をなくした男と、若い男性はこの店の常連客で知り合いというわけではないが
いつもとなりの席で同じ時間帯に来るため、話し相手になっていた。
若い男は掛を蕎麦を半分ほど食べたところで箸をおいた。
「もう食べないのかい?どうしたんだ?」
「ちょっと、食欲が無くて。夏の暑さにやられたのでしょう」
「気をつけなよ若いんだから。ちゃんとうなぎを食わんと駄目だぞ」
「はい、ではお先に」
「あいよ」
若い男は席を立つと、蕎麦屋の主人が「毎度!」といって料金を受け取った。
「ありがとう」
若い男がそういうと、蕎麦屋の奥さんが「あまり・・・おちこむんじゃないよ」と小さな声で
若い男に言った。
若い男は会釈をして店を出行った。
「気味が悪い男だなぁまったく」
蕎麦屋の主人はいぶかしい顔をして言い放った。
「そんな滅多なことを言うもんじゃないよ」
と奥さんは小さな声で主人を怒った。
「どうかしたのかい?あの若い旦那」
扇子の男が蕎麦屋の主人にいうと、主人はニヤニヤしながら話し出した。
「あいつの奥さんが昨日そこの橋にある柳の下で殺されたんだよ」
「結婚してたのかい?若い旦那に見えたが・・・」
「ああ見えてももう三十だ。いい嫁さんだったんだが、妙な殺され方したってのに今日もうちに来るなんざまともな人間じゃぁねぇなぁ。君が悪くってしかたねぇよ」
「そんなに酷い殺され方だったのか?」
「いや、なんかよくわからん。だが、殺された嫁の側に古めかしいが高価な扇子が落ちてたんだとよ」
「・・・扇子?」
「あぁ、かなり古い扇子で高価なものだそうだ」
「なくしたわしの扇子じゃないだろうなぁ~。やめてくれよまったく」
「なくした?そういや、この前お前さん忘れて行ったよな」
「ここにわすれたんか?!どこにある?」
「確か奥に・・・」
蕎麦屋の主人は奥に行くと棚の中を探し始めたが見当たらない様子。
「おーい!お前、ここに置いていた旦那の扇子どこにやった?」
「それなら先日、さっきの若旦那が届けるって持っていかれましたよ」
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

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コメント

妻殺しだったんですね・・・。
扇子はわざと落としたのかしら?
海のいるか |  2009.08.01(土) 09:36 | URL |  【編集】

安易な?

扇子の持ち主が 直ぐ判る事を犯行現場に
故意に落とす事もないし 
届けてやると持ち出した男に 
容疑が掛けられる様な事を するという事は 
これは 何を意味するんでしょう。
記事の中には 説明がなかったけど 
殺された妻と 扇子の持ち主との間に何が。
そ知らぬ顔で 蕎麦屋での話をしていた二人の日々
のやりとり・・・余計な事を想像してしまいます。
みかん  |  2009.08.01(土) 10:08 | URL |  【編集】

海のいるかさんへ

ひねくれたヒカルワールドです(汗)
第一の答えとして、夫が犯人っぽく終わらせました。
でも見ず知らずの蕎麦屋でしか合わない人が「扇子を届けます」といって店主の奥さんは渡すのか
という疑問も出てきますね・・・

さぁ、ひねくれモード開始(滝汗)

扇子の持ち主を知っていた夫は犯人を捜しに蕎麦屋に来ていたんです。
もの見事に的中し、やっぱり扇子をなくした男が隣に座った。
そこで確信してしまいました。こいつが犯人だと。
しかし、扇子男は「なくした」といっています。
そう、本当に失くしたのです。
でもどこでなくしたのかさえ記憶がありません。
蕎麦屋の店主が「ここに落としていった」といいました。奥さんもわかっていた。
それを忘れ物として棚に置いたのは奥さん。
容疑者がダイブ絞れてきましたね。この時点であやしいのは蕎麦屋の夫婦。
けど、本当にその扇子が扇子男の扇子か誰も確かめていないのです・・・。
日下ヒカル |  2009.08.01(土) 10:12 | URL |  【編集】

みかんさんへ

おぉ!すばらしい!
ひねくれヒカルワールドに免疫ができつつありますね!(^^;
そう!その通りなんかひっかかる終わりかたでしょ?
扇子を落としていった、渡したなんて言ったのは蕎麦屋の夫婦なのですよ。
でもどっちかという確信は持てないのです・・・
日下ヒカル |  2009.08.01(土) 10:19 | URL |  【編集】

ヒカルワールドやあ

げっ
やっぱり、ヒカルワールドや
嬉しかねえ

あんがと
チャン |  2009.08.01(土) 12:29 | URL |  【編集】

チャンさんへ

ヒカルワールドです、ハイ。
絡み絡まって沈む真実 残る謎!
日下ヒカル |  2009.08.01(土) 14:09 | URL |  【編集】

妻殺しだったとしたら、なぜ扇子を持ち出した事を店の女将にわからせてしまったのか。バレバレだからそれは無い。
では、女将さんが犯人だったとしたらどうなるか。
若い男の妻と、店主が実は恋仲だった。落し物をあとで棚にしまおうとしてポケットに入れて、そのまま忘れてしまい、犯行に及んだときに落してしまった。
女将はこれ幸いと、罪を男になすりつけようとした。男は扇子が蕎麦屋の客のものだと確かめに来た。そして第二の殺人が起こる……。
今回は、他にも色々考えられて。
脳みその体操になるニャー。あ、頭痛薬のもっ。
えめる |  2009.08.01(土) 14:33 | URL |  【編集】

全員怪しい(笑)

物語を読む事でどういうシーンかちゃんとわかるように
ちゃんと描写してくださってる分、
この終わり方は想像力をかきたてられますね~。

若い男、扇子をなくした男、蕎麦屋主人、蕎麦屋奥さん、
それぞれのストーリーで後半書けますね★

さて、何故か急に蕎麦が食べたくなったので、
お昼は蕎麦にします…。
D-3 |  2009.08.01(土) 14:38 | URL |  【編集】

えめるさんへ

そうそう!そんな感じです(^^;
あらあら、頭痛薬まで(@@;;;

この後の展開があったら、謎が解けるのにー!!ともやんもやんしてますよね(^^;;;;
無いことが心地いいようなときもあるのですが・・・
日下ヒカル |  2009.08.01(土) 15:04 | URL |  【編集】

D-3さんへ

そうですね!
それぞれで、想像がぐるんぐるん渦巻いてちょっとした短編になりそうですね(^^;

あらあら、お蕎麦・・ いいな♪
お蕎麦嫌いだったけど、随分前に親戚にいただいた超うまい蕎麦とやらを食って
うまっ!!!とおもったヒカルでした。
日下ヒカル |  2009.08.01(土) 15:22 | URL |  【編集】

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