サイトマップ
07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

拍手する


土砂降りの雨の中

2009.08.03 (Mon)

バケツをひっくり返した雨が降るとよく言うが、それ以上を体験したことはあまりない。
そんな時に限って車を運転しているのだから最悪なことこの上ない。
ほぼ視界がゼロといっていいだろう。
前の車のテールランプさえ見えない。
ワイパーフル回転でも意味をなさないほど。
加えて、雷までビカビカと光りを輝かせ轟音を鳴らし怖がらせる。
ギアを二速に入れたまま三速に入れるほどのスピードも出せずのろのろと運転していた。
どこか止まれるところがあったら止まろうと思っていた。
運転するのが危険と感じたからだ。
ふと横を見ると、大きな木があった。
ちょっと止まれるスペースが見えた。
ゆっくりハンドルを左に切って木下に入り込んだ。

「はぁ・・・焦ったぁ・・・」

ハンドルにぐったりうな垂れカーナビを確認。
まったく進んでない現実に余計に疲れた。
目的地まで随分先だ。

するとこの土砂降りを通り越した雨の中、サンダルで傘を差して歩いている馬鹿がいた。
傘は殆ど役に立たないほど折れ曲がり道を流れる水に足をとられよろよろと歩いている。
あほだこいつと思い、パッシングをした。
その光に気づくかどうかわからないほどの雨だったが何度かパッシングした後気づき
車に近づいてきた。
車の中から乗れと身振りで示した。
「あ、ありがとうございます。でもずぶぬれでシートぬれちゃう・・・」
「私のタオルで悪いけど、よかったら使って」
「ありがとうございます・・・」
言葉遣いは丁寧だが見た目はどう見ても中学生くらいの女の子だ。
「なんでこんな中歩いてるの?それもこんな山道」
「車の中で喧嘩しちゃって・・・飛び出したけどこんな降りになるとは思わなくて」
「心配してんじゃない?車の人」
「・・・どうかな。まだ私の熱は冷めてないので・・・」
「なるほど・・・、でもこの雨じゃ心配するからメールくらいしとけば?」
「携帯、持ってないんです」
「貸そうか?」
貸してほしそうな顔しているのは明らかだった。
「ありがとう」
電話番号が書かれている手帳を取り出し女の子は電話をし始めた。
「もしもし?大きな木の近くにいます。木の下です」
素っ気無い電話だな・・・
「わかるかなぁ・・・?この雨で・・・」
「わかったから止まったんでしょう?」
「必死だったもん。こんな雨の中運転するの怖いし前見えないし。事故ったら最悪だよ」
「ホント、最悪ですね。でも、ここに無事に止まれたからよかった」
サイレンがどこからか聞こえる。
「あれ?サイレン聞こえる?」
「聞こえますね」
「道譲らないと通れないよね・・・、ちょっと端に寄せたほうがいいかな?」
「いえ、大丈夫そうですよ」
どんどんサイレンは近づいてくる。
パトカーなのか、消防なのか判断がつかない音だ。
雨の音に紛れわからない。
「あ、見えた」
「え?どこ?」
「あの・・・携帯ありがとう。電話出来てよかった。また会えたら、いいですね」
携帯電話を受け取るととても冷たい手をしていた。
「ねぇ、すごく冷えて・・・ 」
目の前には誰もいなかった。
びしょぬれのシートとタオル、役に立たなかった傘だけが残っていた。

突然、車の窓をどんどんと消防の人間が叩いてきた、
びっくりして振り返ると何かを叫んでいる。
窓を開けると消防隊員は叫んだ。

「ここですか?!転落事故現場は?!あなたが通報者?!」

車から飛び出し、大きな木の横をよく見ると突き破って転落した後があった。
そこからさっきまでそこに居た白いサンダルを履いた足が見えていた。
ひんやりとした手が私の手を握った。
ゆっくりと振り向くと先ほどの少女が私の手を握って立っている。
「あれが私です。あの人たちに伝えて。ごめんなさい、伝えて欲しくてあなたを呼んだの」

手を振りほどくと私は大きな木に引っかかって、枝が貫通した状態でぶら下がっていた。
「大丈夫ですか?!今助けます!」
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(12)

拍手する


コメント

おはようございます。

物語の主人公は 大体 良い人と言う先入観で
読んでいますから 最後には 何々と もう一度
読み返すんです、これは作者の罠だっーッて
今に始まった事じゃない。

猫ちゃん達は どうしてますか?
目の痒みは 治まりましたか?
みかん  |  2009.08.03(月) 09:19 | URL |  【編集】

みかんさんへ

(^^;ヒカルワールドの罠ですね・・・
こっ今回は素直に読んでいいですよ~(汗)
罠は特に仕掛けてないです~

猫たちは、子猫たちの様子がおかしくなってちょっとショックが大きかったようです。
急に兄弟が一気にいなくなり、その・・・最後のお別れの姿も見たから・・・
多分・・。
赤ちゃん返りして、食欲も無く、熱も出して。。。
今までだんごになって寝てたから・・・寂しいようで。一匹は捕まえられるけど
一匹は全然駄目で薬が飲ませられないのです・・・。

目のかゆみは、まだ続いてるけどここ三日は自分で流した水で洗い流しているので
かゆみは感じられないです(--;
んーただ、やっぱりかゆいかな・・・。
日下ヒカル |  2009.08.03(月) 09:43 | URL |  【編集】

こんにちは

何だか実際にありそうなお話ですね。
自分を発見してほしくて、人を呼ぶ。
寂しくて自分の世界に一緒に引きずり込もうとするより、いいかな!

それにしても最後の1文が気になるなぁ。
気にぶら下がっているのは私???
空飛ぶミケ猫 |  2009.08.03(月) 11:11 | URL |  【編集】

空飛ぶミケ猫さんへ

そうそう、この物語の主人公も実は落っこちてたんです。
で、先に落っこちて、それもずーっとまえに・・・発見されずにいた白いサンダルの子が
落ちてきた人に、自分も見つけてねってお願いしたの。
で、助けを呼んだのです。
自分のように死んでで欲しくないのと、自分を助けて欲しいという願いから。
日下ヒカル |  2009.08.03(月) 14:49 | URL |  【編集】

おお、久し振りにぞくっときました。
でも、なんかわかるなー。
もし私でも・・・みつけて欲しいもの。
木にぶらさがっていたってのが
意外だったけど。
海のいるか |  2009.08.03(月) 21:15 | URL |  【編集】

最後ー!!
危なく引きずり込まれそうになってるし…!!

私はそっち系のモノを見た事がないのですが、
弟の彼女が見える人でやたら怖いです><
今日のヒカルさんの話、ホラーと見せかけて心霊なんだもんー!
こわすぎ!!!

もうお風呂行けない!
一緒に行って!(いい年こいて…)
D-3 |  2009.08.04(火) 00:14 | URL |  【編集】

雨の日は気をつけよう!

お早うございます。
この記事を読んだのが朝で救われました。
昨夜は寝墜ちして良かった~w
カゼノオ~ |  2009.08.04(火) 07:47 | URL |  【編集】

海のいるかさんへ

見つけて欲しくて、落ちてきた人を助けつつ自分もよろしく!
というパターンでした。
雨の日の運転は怖いですね(T-T)
日下ヒカル |  2009.08.04(火) 08:45 | URL |  【編集】

D-3大尉へ

あはは(^^;
ちょびっと引きずり込んでますねぇ~・・・
私もお化けものは嫌いです(^^;;;;
あっかる~いお化けさんならまだいいのですが・・・
あらあら、お風呂?
よしよし、じゃぁ一緒に行きましょう!入浴剤はどれがいい?(笑)
日下ヒカル |  2009.08.04(火) 08:48 | URL |  【編集】

カゼノオ~さんへ

おはようございます~(^-^)
予想外に怖かった感じのようですね・・・(^^;
ハッピーエンドっぽく終わったつもりだったのですが(^^;;;
エヘヘ☆
日下ヒカル |  2009.08.04(火) 08:50 | URL |  【編集】

貫通?

ご無沙汰してました~
おととい東京に戻って、昨日から仕事も行ってますが、昨夜は眠さのあまり落ちてしまいました(^^;)
最後の「貫通」が、主人公の体に枝が貫通? この人も死んだの? と怖かったですが
コメを読んでたら違ったみたいで、よかったです
ライム |  2009.08.05(水) 06:36 | URL |  【編集】

ライムさんへ

おかえりなさ~い(^-^)
丁度いい時に帰られたようですね!台風さんがこんにちわしてるよ・・・(汗)
リフレッシュと仕事連続とは、本当に心からご苦労様です。
それも脱稿した後の疲れと共に(^^;;;
この物語はどっちかというとハッピーエンドなんですよ~
日下ヒカル |  2009.08.05(水) 09:14 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

トラックバック

この記事のトラックバックURL

→http://virtualworlds.blog87.fc2.com/tb.php/347-6492180c

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。