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エンドレスライフ

2009.08.18 (Tue)

「では、お大事に」
そんないつもの言葉を聞いて、溜息をつきながら子供の手を引いて外に出た。
本当にそんなこと思っているのかしらなんて卑屈になりながらも
子供の薬を貰いに毎週来ている。
けれど、子供はちっともよくならずただじっと私を見つめいやそうな顔をする。
嫌いな薬を貰っているのは理解している。
それを飲まされるのも。
どんなに駄々こねようと「モモのためなんだから」というしかないのだ。
けれど、モモにはそのことがわかっていない。
いやなことをする人としか映っていないだろう。
だから、こんな眼をして私を見るんだ。
「どうだい?」
薬局を出ると旦那のケイスケが待っていた。
「いつも通りお薬を貰ったわ」
「他には?」
「無いよ。いつも通り。いつになったら治るのかしら」
「焦らないことが大切だから」
「そんなこといっても、嫌がることをさせているのは私ばかりじゃない」
「・・・さぁ、車に乗って。暑いからアイス屋さんに行こう」
「モモの好きなアイスか・・・」
「お前も好きだろう?」
「うん・・・」
行くときは電車で来るが、帰りは迎えに来てくれる旦那。
いつの間にかこのような習慣がついた。
多分、家に帰らなかった日があったことが原因だと思う。
ずっとブランコでモモと一緒にいた。
携帯電話もマナーモードにしていて気づかなかった。
何もかも疲れていた。
前を向くことも
後ろを振り返ることも
立ち止まることも
何もかも
けれど、時計の針は勝手に進むし、秒針がとまることもない。
朝が来れば昼が来て
夜が着たら朝になるの
終わらない時間が目の前にあって
その果てしないゴールが見えない道のりを地図無しでずっと歩かなきゃいけないなんて
無計画にもほどがあるじゃない。
先がわからないのが楽しい人生だなんていうけれど
ちっとも楽しくなんか無い。
楽しむ人たちは、歩くことを諦めてないもの。
私と同じじゃない。
そう、違う世界の住人なのよ。
そんな異世界と私は一緒に居て、モモのいやそうな顔を見続けるの。
それからケイスケの「まだ治らないの?」って言葉を最後に聞くんだわ。
そう思ったら進めなくなったのよ。
終わらせてあげようって思ったの。
だってそうでしょう。
何が待っているというの?
何があるというの?
苦しむ先に最後に待つのは必ず幸福だなんて物語の主人公じゃないのよ。
主人公は銃で撃たれても死なないわ。
主人公はどんなピンチでも生きていける。
でも、私は主人公じゃない。

「ここが、わかりますか?」
「・・・・」
「教えてください。モモさんとは誰のことですか?」
「・・・」
「イチゴさんはどこにいるんですか?」
「・・・」
「ケイスケさん。イチゴさんはあなたを殺そうとしました。どうして何もいわないんですか?」
「・・・イチゴなんて最初から居ません。モモも、はじめから居ないんです」
「は?」
「もう二人はこの世界に居ません」
「どういう・・」
「僕はずっと一人でした」
「殺したことを覚えているんですか?」
「えぇ。時間が止まらないから、時間を止めたんです」
「どうやって?」
「・・・何故聞くんですか?あなたも一緒に殺したじゃないですか。斧とのこぎりで」
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(5)

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コメント

主人公?

「私は主人公じゃない」って、そーいう意味なのね
ケイスケさんが主人公
巻き添えで殺されたのは誰かしら??
ライム |  2009.08.18(火) 13:41 | URL |  【編集】

ケイスケさんと話しているのは誰なんでしょう?
止まらない時間か。
わかる気はする。
海のいるか |  2009.08.18(火) 14:40 | URL |  【編集】

無理心中

そう言う言葉が出てきました。
苦しみが終わらない、だから 一思いに・・・。 

ん~私は 悲しい事が好きじゃないから
モモとイチゴをどうやって食べようか、とか
斧とのこぎりじゃなくて
果物ナイフフォークで「頂きま~す」かな。
みかん  |  2009.08.18(火) 14:59 | URL |  【編集】

ケイスケは誰としゃべっているんでしょうか。
イチゴさんとモモちゃん。追い詰められた悲劇だったのかな。
二人とは別の場所で、ケイスケも追い詰められていたようですね。
日常に潜む狂気って感じで、怖いです。
えめる |  2009.08.18(火) 21:18 | URL |  【編集】

お返事遅くなってごめんなさい

え?寝とけって?ゴメンなさい・・・
気になって気になって・・・

ライムさんへ
そうそう、主人公はケイスケなのです。
でもって殺された人もだーれもいないのです。
ケイスケは夢の中に生きる人。
無理やり現実に引き戻されたため、二人を失ったので殺したと思っているのでした。

海のいるかさんへ
ケイスケの話している人は、カウンセラーです。
ケイスケは止まらない時間を無理やりとめて
夢の中で生きていたのです。
それをぐいーんって引っ張ってきたのが
カウンセラーでそれを望んでいなかったのですね。
でも戻ってきたのは、戻らなくちゃって気持ちがちょっとはあったからなんですよね。
気づいていないだけで。


みかんさんへ
おぉう・・・
無理心中は確かに悲しいお話ですね・・・
みかんさんの推理どおり何故食べ物の名前なのかというのが、ポイント!
そう、存在しない人なのです。
食べちゃったというような雰囲気であってます!

えめるさんへ
色々あってケイスケは夢の世界の住人になってしまいました。
夢の世界でも幸せかといえばそうではなくて。
あぁ現実じゃないなとわかって、戻ってきたけれど夢の世界に居た人たちは消えてしまった。
戻ったために消えたので自分が消したと罪悪感を感じているのです。


はい。
寝ます。
寝ますとも・・・

寝れー!って声が聞こえます・・・。
日下ヒカル |  2009.08.20(木) 09:17 | URL |  【編集】

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