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鬼と笑う子供

2009.08.30 (Sun)

「本当に怖い顔してるのね」
目の前にいる自分よりも遥かに大きな鬼が立っていた。
「怖いか?」
「ううん。学校より全然怖くないわ」
「そうか」
「ここが賽の河原って所?」
「そうだ。お前は両親より先に死を選んだこと。その罪を背負った。それを償わなければならない」
「あぁ、そういう場所だったんだ」
「そうだ」
「それで小石を積み上げるのね」
「知っているのか?」
「うん」
少女はスタスタと鬼より先に歩き始め沢山の子供がいる場所を見ていた。
その一角に笑っている子供たちがいるのを見た。
「楽しそうね」
「そうだな」
「罪の償いも悪くないわね」
「罪を自覚するまで俺たちは塔を壊し続ける」
「でも私をぶつことは無いんでしょ?私を成績で見ること無いんでしょ?」
「・・・塔を壊すだけだ」
「なら、ここは天国ね。私は学校に行けば平均点を下回る原因だといわれてクラス全員から罵られ
クラス委員からは煙草でやき入れられた。
ほら、すごいでしょ?自分の焼ける匂いをかぐって吐き気がするわよ」
少女はまた歩き始め、鬼は少女の後を歩く。
「ここは学校もないし、親の体裁を気にするための会社も無い。天国じゃん!」
振り返って後ろ向きに歩きながら恐ろしい鬼の顔を見て笑った。
鬼はその少女をじっとみているが、その姿は酷く何もいえなかった。
「あぁ、気にしてるのね。この格好。着替えでもあればいいんだけど」
「無い」
「まぁ別に寒くないしいいわ。これね、親が成績表見てキレて私をぶちのめしてたのよ。
そうしたらさ、学校のやつらがうちまで来て私のせいで平均点が下がったって
親に言い出してさ。
そうしたら、もう止まらなくなって。制服は破かれるし。殴られるし。蹴飛ばされて。
最後には外に連れ出されて池があるんだけどそこに放り込まれたの。
笑ってさ。あいつら言ってたの聞こえてたんだ。
こいつがいなくなれば平均点が上がるから嬉しい。
母さんは恥がいなくなれば妹は頭がいいからこの家のためだって。
ねぇ、それから考えたらここは天国でしょ?
だって、あなたは私を殴らないもの」

少女はスキップしながら大笑いして石を持って川へ投げた。
うまく石は飛び、川の上をポンポンポンポンと跳ねていった。
「うまいな」
「上手でしょ?昔ね、父さんが出て行く前までは父さんとよく川に行ってたの」
少女は石を積み上げることをせず、ずっと石を川へ投げ続けた。

「石を積み上げなければお前は救われないぞ」
「ここ以上にいい場所ってあるの?私は池から上がってもう嫌だって思って自殺したのよ」
「自殺した場合は、地獄の門が開く」
「じゃぁここにいたほうがいいじゃない」

船がつく音がした。
その船には見覚えのある顔が乗っていた。

「よく似ている娘だな。知り合いか?」
「あれ?妹じゃん。なんで?」
「行ってやれ。あれは、お前を偲んで耐え切れずここにきている」
「どういう意味?」
「お前を追って自殺した子供だ」
「・・・そう」
「償いはあの子のためにしたいわね」
「わかった」
08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(5)

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コメント

代筆コメント

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空飛ぶミケ猫さんより

トラブル発生のようで大変ですね。
そう言えば、昨日の自分のコメントも消えている……
でも、ヒカルちゃんが悪いわけじゃないんだから気にしない! 気にしない!

さて、今日のお話……
読んで何だか納得してしまいました。
考えてみれば、賽の河原ってそんなに酷いところではないのかも?
現世に戻ろうとか、先に進もうと思うから辛いわけですね。

この少女の気持ちが何だか切なく胸に迫ってきますね。


クメール伝道師さんより
「お前を追って自殺した子供だ」
賽の河原 続編ですね
 ⇒ なんと・・・。妹は姉を慕って後追い自殺ですか・・・。
両親は二人の子供が居なくなって、ハッと大変なことをしたと気付き嘆き悲しむのでしょうか? 馬鹿な子達や、と吐き捨てるのでしょうか・・・。
死ぬまで気付かないのでしょうか・・・。
考えさせられますね。

このコメント、縁があれば、ヒカルさんのもとへ・・・。
日下ヒカル |  2009.08.31(月) 10:22 | URL |  【編集】

クメール伝道師さんへ

はい!続編というか、世界観を一緒に作ったお話です。
意外とこの話は奥が深く、自分のスタイルに会っている題材だと感じまして
つくりました。
両親は・・・どうでしょうね。
私は子供がいませんが、友人達の子を見て可愛いと思います。
でも、よく親が産みっぱなしで面倒見なかったり、虐待したりというニュースを見るたび
可愛くないのかなぁと不安になります。
もし私が親になるようなことがあったら、過保護すぎていけない気がするのです。
多分それくらい可愛いと思う。
でもきっと、そうじゃないひともいるから・・・悲しまないんじゃないかな・・
妹はおねえちゃんがいるから何とか頑張ってきたけど、おねえちゃんが自分のせいでとおもって
思いつめちゃったのかもしれません。
日下ヒカル |  2009.08.31(月) 10:59 | URL |  【編集】

空飛ぶミケ猫さんへ

賽の河原って言う存在は、本来どうして出来たのかとか
そういう源はわからないのですが、親より先に死んだ罪ということは
命の大切さを知る場所=鬼さんは・・・その教えを説く人かな?って。
誰もが親より先に死にたいなんて思って死ぬ人はあまりいないでしょうからね。。。
ただ、命の大切さというのを子供の時に教えてもらえなかった分
そこで学んでそれから前に進むのかなって考えてみました。
日下ヒカル |  2009.08.31(月) 11:02 | URL |  【編集】

続編!
以前は虐待の末の賽の河原、今回はいじめの末の賽の河原、
大昔、この概念を作り出した人も
まさか子が先に命を落とす原因にこんなものがあるだなんて
思ってもみなかったでしょうね…。
当時は飢えや病が支配的な原因だったでしょうから…。

生活が豊かになりすぎた事もあるのでしょうか。
一方で人が向けるべき情熱が己の生ではなく、
他人を突き落とす事で得る優越感や、
育児への情熱、はたまた仕事へのやる気、恋愛(!?)、
ハングリーさがないというか、歪が出てきているような感じがします。

自分語りになっちゃってすいません。
色々考えさせられました~。
D-3 |  2009.09.01(火) 02:01 | URL |  【編集】

D-3さんへ

あ、そっかぁ~。
当時はうえや病というのが命を落とす原因ですね。
確かに。。。
この話を書いていると自分もえらく考えてしまって
最後には自分も子供なので(汗)自己嫌悪に陥るパターンですorz
エヘヘ(滝汗)
日下ヒカル |  2009.09.01(火) 08:51 | URL |  【編集】

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