サイトマップ
10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

拍手する


悲しい繋がり

2009.09.15 (Tue)

白い丸い石を持って賽の河原の鬼に近づき、泣いている鬼を慰めた子供。
どうやら泣いている姿を見るのをこの子はとても嫌なようだ。
「こっちにおいで」
僕はこの子を連れて僕が作っている塔の横に、塔を作る場所を作った。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「お兄ちゃんも一人でここに来たの?」
「そうだよ。お兄ちゃんは、あの鬼を怖いと思わなかった。不思議とね」
「僕は怖いよ。でもね、おばあちゃんが言ってたの。涙を流す人は悲しみを知っている優しい心を持った人だよって」
「そっか。おばあちゃんいたんだね」
「うん、でも、ちょっと前に星になったってママが言ってた」
石ころを集めながら話した。
僕たちは少しずつ話した。
「さっき、君がいってた話なんだけど」
「なぁに?」
「鬼が泣いてたのは、君のせいじゃないよ。君は悪くないんだ」
「どうして?だって、僕がいけないこといったから泣いちゃったんでしょ?」
「君はまだ小さいからね。ちょっと難しいかもしれないけど」
僕はこの小さな男の子が持てそうな石を選んで手渡した。
男の子は一生懸命それを持った。
ちょっといっぺんに渡しすぎたみたい。
ころころ落としながら塔の場所まで戻って座った。

「君はね、おばあちゃんと同じようにお星様になったんだ」
「うん、さっきわかった」
「どうしてお星様になったかわかる?」
「わかんない。でも、きっと、パパもママも怒ってたから。僕悪い事したんだね」
「悪い事をしたのかどうかは、僕にもわからない。でもね、君は僕と同じなんだ」
「お兄ちゃんと?」

僕は空見て、溜息をついた。
多分、この子くらいの時に僕もここへ来た。
わけがわからず、でも、なんとなくすぐにわかった。
あぁ、とうとう父さんと母さんの望むように動かない存在になったんだって。
まったく同じような状況でこの子はここに来ている。
どうして。
どうして僕たちは生まれたのだろう。
どうして僕たちは殺されたのだろう。

僕がここに着たばかりのとき、一緒に塔を作ったおねえちゃんから教えてもらった。
お姉ちゃんは制服を着ていていつの間にかいなくなってた。
「大好きな人と出会って、恋をして、愛し合って、生まれたのが子供なの」
「僕も?」
「そうよ。最初はそうだった、と信じたいよね」
「僕には信じられないよ」
「そっか・・・」

ここに僕はどのくらいいるかもうわからない。
どのくらい僕は塔を作り続けたかわからない。
沢山泣いている子供たちを慰め、いつも泣き虫の鬼を慰め
「何故こんな子供が増えたんだ」と嘆いている鬼の言葉に僕は何もできなかった。
ここで段々とわかってきた。
ここがなんなのか。
本来、ここがどういう場所なのか。

でも、どうしたら僕たちは空が割れる日を見ることが出来るんだろう。

「お兄ちゃん。あれ何?」
「あ、お迎えだ。初めて見たよ」
「迎え?」
「僕たちはずっとここで塔を作るんだ。こうやって、石を積み重ねて。
でも、最後の一個になるとき鬼が来て塔を壊してしまう。それの繰り返し。
それ以外は鬼と話したり、他の子達と話したりするだけなんだ。
でも、空が割れたとき誰かのお迎えなんだ」
「どこに連れて行ってくれるの?」
「さぁ、知らない。でもきっと、いいところなんだよ」
「お兄ちゃん、行っちゃうの?」
「そうみたいだね。じゃぁ、先に行くね」
「うん、僕頑張って塔を作るね。鬼さんが泣いたらよしよしするね」

僕は手を振って、迎えに来た弥勒菩薩に手を引かれ空へとあがった。
そうしたら、あれだけ泣いていた泣き虫の鬼達が笑っているのを初めて見た。
僕は嬉しくて笑って手を振った。
08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(10)

拍手する


コメント

菩薩

救いはあるんですね
行き先が、いいところだといいなあ……

それとも他の子たちをなぐさめているこの子がすでに菩薩なのかな
鬼も嬉しいんですね
ライム |  2009.09.15(火) 10:23 | URL |  【編集】

菩薩さまに最後は連れて行ってもらった彼…。
きっと行き着いた先も、賽の河原も彼にとっては
そんな違いはないのかもしれませんね。

自分を思ってくれる、考えてくれる、悲しんでくれる人がいたのですから…。
それがたとえ鬼でも。
やっぱり、必要とされたいし、必要としたいですよね!

あー!
いつまでも愛し合える人と出会いたいなー!(笑)
D-3 |  2009.09.15(火) 12:11 | URL |  【編集】

いいところへ行けるといいな。
それとも生まれ変わるのかしら?
今度は優しい両親のもとに。
海のいるか |  2009.09.15(火) 12:41 | URL |  【編集】

ライムさんへ

はい!救いがないとね(^-^)
悲しいお話だけど、ちゃんと心のケアをしたあとに弥勒菩薩さんがお空から
よっこいしょって迎えに来て天国へ連れて行ってくれます。
鬼さんも喜ぶかなぁって思って(^^;;;
随分賽の河原のイメージが変わってきましたね。。。
日下ヒカル |  2009.09.15(火) 12:43 | URL |  【編集】

D-3さんへ

はい!賽の河原自体をなんというか心のケアセンターにしてしまいました(^^;
元々親より先に死んだ罪を償わせるというのなら、なんで償うかというのを教えないと
まぁわからないですよねぇ・・
ということで、鬼さんは・・・セラピスト?(^^;;;;
ちょっと泣き虫だけど。

必要とされたいし、必要としたい!ホントです!
日下ヒカル |  2009.09.15(火) 12:47 | URL |  【編集】

海のいるかさんへ

うん♪天国に行ってもっともっと心のケアをしてもらって
転生を望んだら生まれ変われると思う(^-^)
本当に不思議ですよね。
子供をどれだけ望んでも授からない夫婦もいるのに、ポイポイ生んで捨てたり殺したり・・
どうしてこうかなぁ・・・ってニュース見るたび悲しいです。
婦人科にいったとき驚いたデス。
こんなに不妊治療できている人がいるのかってくらい多くて・・・。
実際に受けた人から聞いたらものすっげー辛いって聞いたから、びっくり。金銭的にも。
だから、もし、私がママになる日がきたらいっぱいいっぱい大好きを言おう!
んで、いっぱいいっぱいよしよししよう!
いるかさんを見習って頑張る!って、ダーリンも見つけてないのにねぇ(^^;
日下ヒカル |  2009.09.15(火) 12:51 | URL |  【編集】

鬼が笑って、僕が笑って
不思議な、賽の河原の物語
シリーズは続いてゆく・・・予感。
クメール伝道師 |  2009.09.15(火) 15:28 | URL |  【編集】

クメール伝道師さんへ

クメールさんのお陰でなんとシリーズ化して、どんどん広がっていっております(^-^)
本来のイメージをぶち壊し、本当ならこわぁ~いお話なんだろうけど
ホラー要素を含みつつも怖くない物語にしております。
これからも続きますよ~
日下ヒカル |  2009.09.15(火) 16:13 | URL |  【編集】

こんにちは

出ました! 賽の河原シリーズ。

このシリーズ、とっても良い感じ!
ひとつひとつのストーリーが絡まって
なんだかひとつの世界を作りつつありますね。

それにしても泣き虫の鬼…
旅立つときに笑ってくれる鬼…
ヒカルさんの独特な賽の河原ですね。

でも、底に流れている悲しいお話。
結局は親に殺されて、(被害者なのに)賽の河原に来てしまう。
それが現実と重なるからなお悲しいですね。
空飛ぶミケ猫 |  2009.09.15(火) 23:36 | URL |  【編集】

空飛ぶミケ猫さんへ

賽の河原シリーズは本当にヒカルワールド独特になってきました(^^;
本来のイメージとは随分かけ離れたものになっていますが
賽の河原にたどり着いた悲しいお話と共に笑って終われるシリーズに
していきたいと思います。
日下ヒカル |  2009.09.16(水) 08:55 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

トラックバック

この記事のトラックバックURL

→http://virtualworlds.blog87.fc2.com/tb.php/405-717ead03

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。