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溺れた子供

2009.09.24 (Thu)

あぁ、終わるなって思ったら気がつくと船にしがみついていた。
「うわっ!」
落ちる!落ちるよ!
っていうか、落ちてる!
助けて!
そういっても、誰も助けてくれない。
どうして?!
何で船の淵にしがみついているのよ私は!

何がなんだかわからない。

突然、浅瀬について足が着いた。
水をちょっと飲んでしまって咳が止まらない。
ゲホゲホと咽ていると、船は何人かの子供を降ろしてどこかへ消えていった。
子供たちは泣きながら突然走り出した。
何事かと思って、咽ているのが収まらないのに振り返ると恐ろしい顔をした鬼が立っていた。
恐ろしくて逃げ出したいが、まったく咳が止まらない。
しゃがみこんで咽ていると、背中をさすってくれる誰かがいた。
ふと見ると先ほどの鬼だった。

「水を飲んだのか?」

怖いが怖がっているどころではない。
息が出来ないほど咽ていた。
鬼は咳が止まるまでずっと背中を撫でたり叩いたりしてくれた。
その手の暖かさが不思議と怖さを和らげた。

「落ち着いたか?」
「うん」
「これを、飲め」
「・・・?」
「水だ」
「ありがとう」

咽て痛めた喉を潤した。
思い切り溜息をついた後、ここがどこなのかという疑問が出てきた。

「賽の河原だ」

そういわれた私は、あぁ死ぬことが出来たんだって思ったの。
私は選んだ。
色々考えた。
色々、本当に考えた。
でも、もう、限界だった。
自分が情けなくて、状況を変えられないのが悔しくて、それを知られたくなくて。
お母さんに言ったら心配するだろうし、お父さんにいったら
多分、相手の家に乗り込んで怒鳴り散らすと思う。

そんな風に心配かけたくなかった。

「だから、自殺したのか」
「・・・え?」
「親に心配かけたくないから、自殺したのか?」
「なんで・・・」
「考えていることなどわかる」
「もちろん、自殺したら親が心配しないかって言ったら嘘だよ。でも、これ以上・・・私自身も耐えられなくてどうしたらいいか本当にわからなくて」
「誰にも相談しなかったのか?」
「友達にはしたけど、何も出来ないって言われた。そりゃそうだよね、いじめられるなんて嫌だもん」
「見捨てるのが友達なのか?」
「見捨てるわけじゃないよ。私が同じ立場だったら同じ事いうもん。
見捨てるんじゃなくて、誰も何も出来ないだけ。いじめをやめることもいじめられることも。
弱い存在がいて、強いみんながいる。
それで成り立ってるの。教室自体が。先生も知ってるよ。でも何もしない。何も出来ない。
だって、先生が何かいったところで鶴の一声にならない。
その時だけのいい返事で終り。何も変わらないどころか悪化させる可能性だってある。
だから、何もしない。何かの基準があるわけじゃない。ちょっとしたきっかけ。
弱いというレッテルを張られただけ。それで私は、弱い立場になって皆が安心できるクラスに
なってるんだよ。」

鬼は溜息をついて、手を握りしてめいきなり私の頭を思い切り叩いた。
いい音がしたぞ!今っ!
「いったぁい!何するのよ!」
「ここは賽の河原だが、お前のような馬鹿はいらん!さっさと来い!お前はくるべき時期じゃない!」
わけのわからないことをいっているが、とにかく怒っていることはわかった。
でもどうして怒っているのかわからない。

「ここだ」
「何この穴」
「帰れ!」

その穴に放り込まれた私は、頂上から突き落とされた石のごとく転がり続けた。

「ぎゃぁあああああああああああああああああああああああああ!」

バチッ!と目を覚ますと、ピッピッと音が聞こえた。
・・・どこ?

「あぁっ!よかった!目を覚ました!」
ぼんやりとお母さんの声が聞こえる。
よく見えない。
どこ、ここ・・・?
あれ?鬼は・・・?

「わかりますか~?」
うわっ眩しいよ!

「大丈夫です。意識が回復してますよ」
「ありがとうございます」
「病院です。わかりますか?」
「・・・全部聞いた。偶然、通りかかったあなたをいじめていた中心の子が見てたの。
あなたが飛び降りるのを。
それで、すぐにその子が救急車を呼んだのよ。
自分がしたことでこんなことになるとはって今はとても話せる状況じゃないくらい
錯乱しているそうでお母さんもまだ会ってないの。
でも奇跡よ。本当に。
あんなところから飛び降りたのに、あなたがずっと大切に育ててきた木の上に落ちたの。
それで助かった。もう・・・もうこんなことは・・・しないで」

あぁ、私、生き返ったの?

これでよかったのかなぁ・・・ なんで鬼さんは怒ったのかな・・・
聞けないや。

結局、お母さん泣いてる。
どうしよう。
08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(7)

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コメント

意外な展開
でもよかった
頑張って!
いや、頑張らなくていいけど、ともかくよかった
ライム |  2009.09.24(木) 08:57 | URL |  【編集】

ライムさんへ

意外な展開でした(^^;
生き返ったのです♪
まぁ、ちょっと乱暴に生き返らせられたけど。でもこの主人公はもういじめにもあわず
二度とこんなことはしないでしょう。
きっかけは凄かったけど両親とも話して、最後に助けてくれた木にお礼にいくと思うです。
日下ヒカル |  2009.09.24(木) 12:26 | URL |  【編集】

鬼さんいい人だ(>_<。)
人じゃないけど。鬼だけど。
主人公、生き返れて良かったです。
穴に放り込んでくれた鬼さんにも感謝です。
そして、いじめの中心にいた子。
最初はどうであれ、自殺の現場を目撃して救急車を呼んだってことは、自分の行いを反省したってことですよね?
過ちに気付けることも、とても大切。
本当に良かったです。。
せあら |  2009.09.24(木) 13:09 | URL |  【編集】

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2009.09.24(木) 13:23 |  |  【編集】

せあらさんへ

さすがにいじめていた人物も目の前で間接的に人殺しをしたという自覚がでて
恐ろしくなったことでしょう。
反省どころかもう大変です。
でも、これからですね。いじめもなくなっていくとおもいます。
鬼さんはちょっと乱暴だけど放り投げちゃいました(^^;
日下ヒカル |  2009.09.24(木) 14:27 | URL |  【編集】

そっか…!
生き返るパターン…!!!!

正直、亡くなった原因に鬼が苦悩する
ストーリーだとばかり思ってしまったんですが、
そうかそうかーーーー!!!

すごいニンマリ!
自分のやってしまった事を反省するチャンスも
新しい未来に向かっていく希望もなくさなかったんですね!
これはいいストーリー!!
感動!
D-3 |  2009.09.25(金) 22:08 | URL |  【編集】

D-3さんへ

そう!生き返りましたー!(^0^)
ちょっと乱暴だったけど(^^;
ぽいーんと放り投げてパチクリ!!(@@;みたいな?
後はいじめた人も主人公も人生を再び歩き出すチャンスになりました~
めでたし めでたし?かな
日下ヒカル |  2009.09.25(金) 22:50 | URL |  【編集】

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