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最後の我侭

2009.10.24 (Sat)

高校生の最後の秋の終り頃、私は最大の嘘をついた。
けれど、友人は何も言わずただ涙を流した。

その前日。
踏み切りのある駅で、私は立っていた。
踏切が上がった瞬間、どういうわけか車が猛スピードで後ろから突っ込んできた。
音に驚いた私は振り返った。
運転席を見た。
その顔には見覚えがあった。
形相もすごく恐ろしかった。
激しい音と、再度踏切が下がる音が混じり、最後に何かが潰れる音が響いた。

大騒ぎになったこの事件。
背景には色々な事情が絡み合うなんていう言葉で濁されていたが
いろいろな事情こそが恐ろしいこの結果を生んだというのにと思っていた。
そのニュースを見た友人は即座に私に電話をしてきたがそれをとることはできなかった。
次の日、真っ青な顔をして私の家に来た友人に私は玄関先でであった。

「嘘?!」

それが、第一声だった。
そりゃそうだ。

「ねぇ、今日学校サボろうよ」
そういった私の言葉に彼女は何も言わなかった。
ニッコリと笑って私はそのまま歩いて、彼女の前を行った。
「久しぶりじゃない?ここ」
長い防波堤の上で、綺麗な波が音を立てている。
誰もいない砂浜の青い海。
「流石に寒いね」
笑って彼女の顔を見るが、顔は今にも爆発しそうなくらい何かを抑えていた。
「そう、焦るなって。大丈夫だから」
私は笑ってみせた。
何もかも、彼女はわかっている。
それを認めたくないだけで。
でもきっとそれを助けて欲しくて私のところに来た。

「そうなんでしょ?」
何も言わずそう聞くと、彼女はとうとう泣き出した。
「泣くなよ。大丈夫だって。一人じゃない、大丈夫。一人じゃないよ」
そうして私は彼女を抱きしめた。
彼女は驚きやっと声を出した。
「・・・そんな!」
「今頃気づいた?」

意地悪そうに笑った私は、背中をたたいて走り出した。
海のほうへ。
泡になって溶けるために。
彼女も私を追いかけてきた。
その瞬間、彼女の心臓は病院で止まった。

「ごめん、嘘ついて」
海の中で私は彼女にそう伝えた。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

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コメント

ん~と……
事故の場面までとそれ以降とで「私」が入れ替わっている?
でないと運転していたのが誰だか分からない……Φ"Φ
ライム |  2009.10.24(土) 16:26 | URL |  【編集】

ライムさんへ

やっぱりわかりにくかったですかね(^^;;;
えっと・・死んだのは主人公の方で
実は死んだと思い込んでいた相手のほうを道連れにしちゃいました・・・
運転していた人は彼女の母上でござる~
ぎゃー!
日下ヒカル |  2009.10.24(土) 18:23 | URL |  【編集】

こんにちは

う~ん、よくわかんないなぁ
そう、ヒカルちゃんのお話は時々
難解なことがあるんだよなぁ
空飛ぶミケ猫 |  2009.10.24(土) 21:11 | URL |  【編集】

ゴーストか、シックスセンスか・・・。
どちらが死んだのか引きずられたのか・・・怪しげな物語りが想像を膨らませるね。
クメール伝道師 |  2009.10.24(土) 21:17 | URL |  【編集】

空飛ぶミケ猫さんへ

ちょっとこれは難しいパターンですね・・・
車で突進してきたのか彼女と同乗する彼女のママで。
彼女と主人公は怪我をしました。
病院で死亡したのは主人公だったのですが、彼女も死んだと思い込んでしまっていました。
お化けになった彼女は主人公の家に行ったのですが、自分を見ていたので
死んでしまったのかと悲しみましたが
本当は死んでいない彼女を道連れに主人公は海に・・
どっちがお化け?見たいなところが難しい部分でしょうか・・・

日下ヒカル |  2009.10.25(日) 08:32 | URL |  【編集】

クメール伝道師さんへ

イメージ的にはそうですね。シックスセンス的な・・そうそう、そんな感じです。
日下ヒカル |  2009.10.25(日) 08:34 | URL |  【編集】

私はちゃんとわかりましたよー。
主人公がお友達(彼女)を道連れにした事…!

車を運転してたのは生きてた彼女の親か知人か…。
そこは誰かわかりませんでしたが、
道連れにしてショックを受ける人が運転してたという事かなと思い、
両親のどちらかか、恋人かな、と思いました。

どこまで説明するか、
読者さまに想像させる物語を書くヒカルさんとしては
難しい所ですよね。

よかった、今回はついていけて!
D-3 |  2009.10.26(月) 11:11 | URL |  【編集】

Dさんへ

おぉ!伝わりましたか!

運転手はまぁ誰でもよかったんですけどね。
道連れ・・・というオチが伝われば。

何がどうなって、この事件が起きたのかという背景を全部丸投げ状態にしています。
読者様にね。
語ったら、大変長くなりますしね。

そこで、重要ポイントである「嘘」だけを抽出して物語にしている。
もちろんこれは、伝えないとね。
とはいえ、あなたは死んでないけど寂しいからなんていうのも「嘘」ではないので
それをどう伝えるか・・・に苦慮しました。

読者様にも嘘をつかないとね。
という、妙なスタンスを取っています(^^;;;
日下ヒカル |  2009.10.26(月) 11:45 | URL |  【編集】

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