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第七話 成長

2010.02.02 (Tue)

乗れば確実に死ぬといったのにもかかわらず、ウィッカはどうしてもスカイラインに乗りたいと言い出した。
僕にとって彼女の死ということ自体に興味は無い。
だが、死を必要としているような人間とは思えない。
どちらかといえば失うことは得策とは思えない存在だ。
乗せる乗せないでもめるつもりは最初から無かったが、スカイさんを見れば彼女は載ることを諦めると思った。

「これが、操縦席?」

ウィッカには理解できなかったようだ。
というより、青ざめていた。

「ダイレクトに接続する。そうすることでスカイラインと一体化する」
「どういうこと?」
「あの空にあるレール。あれが、スカイライン。空の線。その上を走ることの出来る唯一の機体。最強の戦闘機だけれど操縦者を選んでしまう。その理由がこのコネクタ」
「どう繋ぐの?」
「僕の体に直接刺さるんだよ。一つ一つの針が自動的にあらゆる感覚とリンクする。もちろん、僕は人間じゃないからそういう風に作られている。だから、リンクできる。コネクトができれば後は操縦するだけ」

ウィッカは何もいわずに僕の服を脱がした。
僕は何がしたいのかと見ていたが周りの整備し達は驚いていた。
どちらかといえば、僕という存在は嫌われた存在。
見方だろうとなんだろうと全部吹き飛ばして跡形も無く殺す。
 見返りは勝利のみ。
誰にとってそれがいいことなのか、誰にとってそれが望ましいことなのか、人を殺しているというのにもかかわらず人間はその答えを誰も持っていない。

昔、一度だけ人間に聞いたことがる。
ウィッカのようにスカイラインに興味を持っていた人間だ。
まだ戦闘職種に配属されたばかりの新人だった。
彼は僕に好意を持っていたようにも感じるが思い違いかもしれない。
その彼に僕は聞いたことがある。
「そうやってスカイラインを見るのは殺したいからか?」と。
彼はすかさず答えた。
「そんなことはない!」
怒っているようにも見えたが、僕は怒ることが不思議と違和感を感じた。
「では、君は地上に落ちたとき女と子供が銃を向けてお前を殺そうとしている。女と子供どっちを殺すんだ?」
彼は真赤な顔をして何も言わずにその場を去った。
結局、どんな相手だろうと人間という生き物だ。
僕とは違う。
僕のように製造され、量産され、また作り直せるような存在じゃない。
殺せば死という終りが来る。

敵にとっても同じだ。

生きるためという理由から殺しにくる。
女子供は殺せないという人間も多いが、男ならいいという理屈は一体なんなのだろうか。
殺そうとする意思は誰しも同じだ。

生きるためという理由ならば。
殺すことをお互いがやめない限り、続く。

「そろそろフライトの時間だね。私、戻るよ」
「あぁ、そんな時間か。なら、あと少しだけ見ていたらいい。興味があるなら」
「何を?」
「次に接続するとき、僕は成長するから」
「成長・・・?」
「うん。兵器として僕は成長する姿を見ることが出来るよ」

ウィッカの目は見たことも無いほど大きく見開いて僕を見ていた。
脱がされて寒いと感じながらも、そのまま僕は服を全部脱ぎ操縦席に座る。
全身に針が刺さり、最後に僕の頭にゆっくりと重要なコネクタが接続され僕とスカイさんはひとつとなる。

その後、僕はスカイさんに吸収される。
ゆっくりと溶けるように。
何かの液体が操縦席を満たしていく。

「・・・!!」

思い違いだろうけれど、ウィッカの泣きながら叫ぶ声を聞いた気がする。
殺して欲しいといったのは誰だったかな。
昔いわれたことがあるのを今頃思い出した。
08:00  |  スカイライン  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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コメント

これじゃ人間は操縦できない……。
ウィッカ、諦めたんでしょうか。
魔女だけに、まだ手段があるかもという気も……。
ライム |  2010.02.02(火) 18:17 | URL |  【編集】

ライムさんへ

そうなんです~
スカイラインは人間には操縦が無理なのです!><;
ウィッカは早々あきらめませんがっ
さらにライムさんのおっしゃるとおり魔女のウィッカですからね。
どんな力が隠れているかドキドキです(^-^)
日下ヒカル |  2010.02.02(火) 20:01 | URL |  【編集】

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