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三時間後に決まる価値

2010.03.15 (Mon)

高い高層ビルの一番頂点。
それが、屋上だ。
ビル風が吹き荒れ暖かい日差しを忘れさせるほどの恐怖が全身を纏い僕は立っている。
屋上の淵に。
体にはぐるりと巻きつけられたロープが屋上の真ん中にある棒に繋がっている。
体は屋上からやや外側に斜めにせり出しており、ロープが緩めば僕はあっという間にトマトペーストになるだろう。
もちろんそんな生易しい状態で終わるはずが無い。
誰もが目を背ける素材になるだろう。
料理などもってのほか。
僕は廃棄物になるはずだ。

ロープが緩んでしまったら。

「これが就職の最終試験です」
意味が分からないが、これが仕事を求める人間に必要な勇気の出し方という理屈だという説明は受けた。
就職難に喘ぐ学生は多く僕は既に一年仕事をしていない。
アルバイトなどを点々として正社員として働くには何が何でも会社に合格しなければならないのだ。

何が何でも。

それが一体どこまでのラインで、一体どこまでやることが限界なのか。
僕には判断がつかなくなっていた。
先日の面接ではロシアンルーレット。
目の前で先ほどまで休憩中に共にコーヒーを飲んだ人物が死んでいく。
それでも仕事を手に入れるために引き金を引く。
そうやって生き残っても合否は数日後だ。

一体どれだけ頑張ったら職を手につけることが出来るんだろうか。
何をやっても職を手につけることが出来ずに人生が終わる。
ハイリスクでも面接は受けなければ通らない。
宝くじだって当たれば嬉しいが、買わなければ当たらない。
そんな基本的な話だ。

「三時間後にこのロープを切断します。切断しても生きていれば合格です」

一体、この試験がなんの役に立つのだろうか。
事務の試験だというのに。

「では、切断します。面接お疲れ様でした」

そういえば、この道のことを俗にバージンロードというのはこのせいなのか?

「またやったのかな?」
「ペンキ塗りたてとかいつも書いてあるけどさぁ、噂じゃこれ血らしいよ~」
「まさか!」
「あのビルから飛び降りて生きてたらOKとかいう会社があるんだって」
「馬鹿じゃないの。そんなことするやついたら見てみたいよ」
「だよねぇ~。あーあ、来年は就職活動かぁ・・・」
「なんか気が重いよねぇ~」
「そういえば、それこそこのビルの会社求人募集してたよ」

08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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コメント

リアル……;;;
ある意味ホラーよりホラーな現実だと思います。
驕るな企業!!(マジで
ライム |  2010.03.16(火) 11:37 | URL |  【編集】

ライムさんへ

なんというか、就職難とはいうもののものすごい条件なんですよね。
就職難だから別にこの条件でも人は来るでしょうってことで、企業側も大変だと思うけど足元見すぎ。
派遣会社も質が落ちましたね・・・。どんな大手でも酷い営業が多いです(涙)
やりたい放題でノルマ達成だけを考えた動きをするようになってきたので
(この仕事にエントリーした人を連れて来たという実績を営業は必要らしいのですよ)
仕事を紹介する気が無いのに案内してくるんですよ・・・
そんな怒りの現実を皮肉ってみました(汗)
日下ヒカル |  2010.03.16(火) 15:01 | URL |  【編集】

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