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知らない道

2010.02.27 (Sat)

雪が一面真っ白に積もっている。
全てを覆い消してしまったように。
振り返ると僕の足跡だけが残っていた。
でもこの足跡が僕のだとわかるのは僕だけなんだ。
誰も知らない。

僕は走ったり歩いたり立ち止まったりしながらも進んだ。
速度もまちまちでゆっくり歩いたりゆっくり走ったり全力疾走したり歩幅は様々なことを語る。
けれど振り返ったとき覚えているのは僕だけで、足跡を残していても僕の足跡だとわかる人はどこにもいない。
どれだけ歩いてきたとしても雪が上から積もり消してしまう。

まるで僕が何も動いていないみたいに。

だから僕は必死に歩いていたことを話したいと思うけれど歩いてきたことよりも
今までどうやって歩いてきたのか、あるいはどうやって走ったのかということが注目され
もっと他のやり方をすれば目的地までたどり着いたはずだと言われるんだ。
でもそこで僕が悪いのかというとそう話じゃない。

色々な方法は道の途中に転がっていてそれを選ぶか選ばないかは僕次第。
僕はその方法を手に取るかどうか考える。
それを選り好みしているなどといわれたら何もいえない。
方法はいくらでもあるが、何のために今を歩いているのかというとそれは目標のためだ。
あの、ゴールに着くため。
ゴールに着くことで手段を問わないといえばゴールに着くだけは出来るだろう。
疲れ果てて倒れることの懸念も考慮せず明らかに心の枷にしかならないとわかっていても手を出せば、ゴールにはたどり着けるのだ。

何が大切かわかってる?
それが問題だったがそこで考えるようになった。
がむしゃらにやってボロボロになってゴールにたどり着いても意味がない。
ゴールにたどり着くことが目的でも方法は色々ある。
その時ゴールに着くだけが最終目標に摩り替わってはいないだろうかと考えるようになった。
無茶をして食いつくように張り付いて、とうとう動けなくなって倒れてしまったときそれでもゴールに着くためにまだ食いついてしがみついていたら間違っている。

何が大切かわかってる?
僕は死んでしまっては意味がないということを理解した。

はずだった。

手段を選んでいるからゴールにたどり着けないだけで手段は沢山あったはず。
何かしら選んでいるからたどり着けなかっただけじゃないか。

僕は別れ道に立っていた。

手段を問わずにやることはもちろん出来た。
不安しかなかったがそれでも不安しかないことを伝えた時に、そこまで無理しないでいいといわれたことを信じた。
それは僕が今までしなかった判断だった。
不安しかないがそれでもやるべきかと只管考えた。

何が大切かわかってる?
只管、考えたんだ。

結局僕はその方法を捨てゆっくりと歩くことを選んだ。
棘の道を。
ゴールにたどり着けなかったけれど。

ゴールの随分手前で僕は叫んだ。
返ってきた答えは、予想外の答えであの時捨てた道を選んでいれば誰もが手放すような道なのだから選べばゴールについていたのではないかというものだった。
事実、選んでいればもっと前にゴールにたどり着いていた可能性はある。

迷ったその時、僕は道端にある糸電話を拾って伝書鳩を呼んで手紙を書いた。
そうして帰ってきた返事はそこまで無理する必要ないという答えだったのだが、今は違う。
では一体、あの時の答えは何なのか。

僕は振り返る。

足跡は沢山ついていて、伝書鳩を使った回数も数え切れないほどだ。
でも僕の足跡だとわかるのは僕だけで、僕以外の誰かが僕の足跡だとわかったとしてもその軌跡だけでしか判断できない。
その時々で落ちていた手段は様々でもそれを全て伝えられない。
伝えたところでそれは言い訳になる。

何が目標かわかってる?
わかっていたつもりだった。

いつものように「つもり」であり「はず」だった。

そうこうしているうちに僕の足跡は消える。
あの時この道を選ぶべきだったんじゃないかといわれるような道しか歩いていないようで、僕の歩いてきた道は外から見ると怠けているように見え、甘えているように見えるらしいのだ。

どれだけ僕が本気でどれだけ僕が悩んでいても、声も気持ちも何もかも全てが届くことは無い。

僕の歩いてきた道。
それは僕しか知らない道。
でも僕以外の誰かがその道を見たとき、僕しか知らない道でも道だけなら誰でも見ることが出来る。
見た時に僕の足跡は消されるほど上からインクが降ってきて、最後に白かった雪はなくなる。
足跡はあってないようなもので、それは僕の存在も同じなのだろうと思う。
でなければ僕は今何のために歩いているのか、本当に歩いているのかさえわからない。

何かのゴールにたどり着く前に、誰かに何かを伝えても
ゴールにたどり着いた後に、誰かに何かを届けても
消されてしまうというのなら僕の歩いてきた道は価値があるものとは思えない。

それを僕は「間違っている」として判断する。
僕の歩き方や方法の選択は間違っている。
だからそうやって皆をイラつかせて甘えていると怒らせるんだ。
そういうと決まって帰ってくる言葉は「間違ってるとかあっているとかそういう問題じゃない」という決め台詞。
だから僕は間違っているという言葉は思っていても考えていても二度と誰にもいうつもりは無い。
僕が間違っていることはどう言い繕っても言葉を摩り替えているだけで変わらない事実。
間違っていなければいらつかせることも怒らせることも無い。

僕しか知らない道。
僕だけが僕の足跡だとわかる。

今まで歩いてきた道を見て頑張ったねといわれたためしは無い。
それほどまでに僕は「間違い」の塊なんだ。

道案内の看板を見る限り僕は分岐点で立ち止まり、やっとの思いで踏み出す道は「間違いなんだろう」と思って進むしか僕は僕を保てない。
僕はそのうち消えてしまうだろう。
消えるとき僕は笑っているのか泣いているのか、それはまだわからない。





追記です・・・


下書き・・間違って昨日から公開しちゃってました・・・
08:05  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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