サイトマップ
06月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08月

スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

拍手する


おまもりの効果

2010.03.25 (Thu)

ずっと握り締めて、ずっと首から提げていた。
それは僕が生まれたときに母が手作りで作ってくれたおまもり。
泣き虫の母が僕を産んだときいろんな涙が出たといった。
僕はその話を聞くのが好きで母はいつも後ろから僕を抱きしめた。
いつまで立ってもその癖は抜けず、家に家族といるときは僕の後ろから母が母の後ろから父が抱きしめていた。

妹が生まれたときは僕は小学校六年生だった。
母のおなかにいるときから僕は楽しみだった。
母は妹にもお守りを作っていた。
その姿を見て僕のお守りがこうしてできたのかと知る機会に出会えて嬉しかった。
妹はその姿を知らない。

妹はどちらかというと父に似ている。
僕は母に。

泣き虫の母は時々大泣きする。
一人寝室で泣いているが、ぎゃんぎゃん泣いているためバレバレだ。
その度父は寝室へ食事を作り持って行く姿を見る。
しばらくして泣き止んだ母がご飯を食べ始めたのを感じたら僕もご飯を持って両親の部屋に入る。
皆で床にご飯を並べて食べる。
母は泣きはらした顔をしながら「美味しい」といって食べるんだ。
後片付けはほったらかして皆でベッドにもぐりこんでテレビを見る。
そのうち僕は眠くなってきちゃう。
「歯磨き!!」と母に言われて歯磨きだけはさせられる。
そのあと、途切れたように眠りに付く。
父は歯磨き攻撃より眠気の方が勝つようで先に寝ている。

妹が生まれてから母の泣く回数は減った。
代わりに妹が泣いているんじゃないかって思うくらい妹はよく泣く。
「赤ちゃんは泣くのも仕事だから」というが母は疲れていた。
父も手伝っていたが限界がある。
僕も手伝ったがうまく出来ない。
それでも妹は可愛いと思った。

妹が中学生になる頃、僕は大学を卒業した。
妹の反抗期はかなり強かに進んでいて手を焼いていたようだが、僕も似たようなものだったのかなと
見るに耐えないと思った。
その話をしたら母は笑って「彼女が初めてできたときのあなたのほうが大変だった」と言った。
彼女が出来たことを言い出せなかったが初デートのとき勘付かれた。
気恥ずかしく、突っぱねようとしたが母は「必ず彼女を家まで送りなさい。暗くなる前に帰っておいで」といった。
あとはファッションチェック。
苦笑しながら「気合入れすぎ」といわれたのは今でも覚えている。

その後、彼女とのデートに行くようになってからは父からも色々教えてもらうことが多くなった。
どちらかというと父は勉強担当。
母はどうも勉強は大の苦手らしい。父が教えている横で母もなるほど!という顔を見せるのだ。
それはそれで面白かったが。

僕が結婚を決めたきっかけはあまり誉められたものじゃなかった。
実際とても悩んだ。
悩ませたし、驚かせた。
それでも僕達の意思は伝えた。

「これが、お守り?」
「そうだよ。僕が生まれるとき母が作ってくれたお守り」
「ママが?」
「そう、ママが」
「とっても効果がありそうだね・・・あたたたた・・・」
「うん。だからこれを握ってて。僕も一緒に手を握ってるから」
「うん、ぎゅって握ってる。あぁ・・・もぉおお!痛い!!痛いよぉ!!」
「頑張ろう、一緒に」

分娩室に入る。
それは、僕の子が生まれた日のこと。
お守りの糸が切れ中には手紙が入っていた。

”ずっと幸せに笑って元気でいられますように”

僕の名前は願いが続くようにと付けられた。
小さな頃は少し女のこのようで嫌だったが今はわかる。

「おめでとうございます!!女の子ですよ!」

元気な女のこの産声が響き渡った。
泣き虫の母はやっぱり大泣きしながら喜んだ。
その横で母を慰める父の姿も相変わらず。
妹は箱のティッシュを持っていた。

家族の絆が続くのはきっとお守り。
切れてしまったから今度は僕が作ろう。
この子のために。
08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(7)

拍手する


コメント

うるうる(T_T)

いつもご訪問&温かいコメントを、ありがとうございます。
今回も、じ~んとくる、いい話ですね。
今のとまとには、うるうる(T_T)してしまいます。
ホラーもいいけど、こうゆう話しも、大好きです!!

ぽち♪
とまと |  2010.03.25(木) 10:36 | URL |  【編集】

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2010.03.25(木) 10:39 |  |  【編集】

とまとさんへ

ホラーから脱出し?時折、ほんわか下物語を書くようになりました(^^)
でも突然ホラーに怪奇・・・いえ、回帰しちゃいますけど(笑)
うるうるなお話でしたでしょ?私も書いててうるうる(TT)

ぽちありがとうございます!m(_)m
日下ヒカル |  2010.03.25(木) 11:45 | URL |  【編集】

鍵コメさんへ

おぉお!了解いたしました(^-^)
OKですよ~♪
楽しみにしております♪
そろそろですね~♪楽しい悩み事のはじまりですね(^^)
日下ヒカル |  2010.03.25(木) 11:47 | URL |  【編集】

コンバンハ。
よかった~(涙)
いや、やっぱりハハとしては、
出産ネタやコドモネタに敏感で、
やっぱりコドモだけでも幸せになってほしいと想うのだけれど、
ここは、ヒカルワールド、どきどきどき…
と思っていたら、ほっとしました。
こうやって、繋がっていくのですね^^

ちなみに、コールセンターネタも大好きです(笑)
万梨 |  2010.03.26(金) 02:14 | URL |  【編集】

万梨さんへ

ヒカルワールド(^^;
確かにドキドキしちゃいますね。
ホラーから脱出したとか言いつつ、ときどき回帰するホラー作品。
ある意味、全部ホラーといっているよりドキドキ感倍増ですね(汗)

今回は幸せ物語になりました~♥
こんな風な家族になれたらと思って(^^;;;

コールセンター(笑)
楽しいでしょ?えへへ(笑)
日下ヒカル |  2010.03.26(金) 08:59 | URL |  【編集】

いつに胸キュンな出会いがあったのか、自力で探し出す!(`・ω・´)

と意気込んで、ずいぶんな時間、読んでるんですけど、
遡ったり、戻ったり、うぅ、巧妙だな。
どのあたりで出会いがあったのか、さっぱり(汗)


5月の記事で、唐突にダーリンという言葉が出現するのですよねぇ…。

よし、ツイッターの方で見てみようと開いたら、
すでに5000以上のつぶやきがぁぁ!!

とても5月前まで遡るのムリーーヽ(´Д`ヽ)(/´Д`)/


小説的変化でいうと、3月の下旬あたりじゃないかなぁと想像しているんだけど、どう?
このお話とか、家族を持とうと思った人でないとナカナカ書けないんじゃないかしらねぇ…(ー`´ー)ウーン

って、どんだけ暇で詮索好きなんだよ!

…スミマセン(^^ゞ

でも、面白かったん♪


そんな小説のような出会いがある所にはあるものなのですねぇ。。


どちらにせよ、ヒカルさんの近況よくわかって良かったです。

あらためて、末永くお幸せにですヽ(*´∀`*)ノ

momocanal |  2010.11.27(土) 02:59 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

トラックバック

この記事のトラックバックURL

→http://virtualworlds.blog87.fc2.com/tb.php/668-450abdd6

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。