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故郷へ帰るその時に

2010.04.05 (Mon)

「実家に、挨拶に行こうかと思うんだけど」
彼の口らか出た言葉にプロポーズだと認識するまで雲が頭の上を通り過ぎるくらい時間かかったと思う。
実家に行くことは彼の誠意の表れと思っていたが、それが全ての終りの始まりだった。

「まさか・・・」
両親の反応はその一言だった。
彼氏がいて結婚を考えてるんだと話したとき父は何も言うことなく母は連れておいでといった。
そうだねと話したが特に今まで実家に連れて来たことは無かった。

「なに?まさかって」
玄関先で私達は目を丸くして挨拶を忘れた。
父が「兎に角・・・入りなさい」と言ったので挨拶のタイミングを逃したまま彼は家に入った。
応接間に入った私達はある新聞の切抜きを見せられた。

「なにこれ?」
私はそれを手に取り父が差し出した切抜きを見ると事件の全容が記載されていた。
事件とは私が誘拐されその後妹が死体となって発見されたこの家では禁句となっている話題。
その事件の逮捕された犯人。
その顔は彼と良く似ていた。
彼の顔を見るとニッコリと微笑んでいた。
「こんな新聞を切り取って保管していたとは驚きました」
彼は今までに見せた事のない冷たい目をした。
何が彼をそうさせたのか。
それは、その新聞が全てを語っていた。

でもこの時、私は真実を知らなかった。

「何言ってるの?どうしたの?!ねぇ!!」
「ちょっと黙っててくれる?一発でわかるとは流石ですよ。僕があの時の男の子だって。
あなた方はたった十二歳の子供に全ての罪をなすりつけた。覚えていますよ、あの時のこと。
ゆっちんは僕と一緒に遊んでいた。その場所に来たのはお父さんあなただった」
「ゆっちん・・って妹を知ってるの?!」
「知ってる。よっちゃん・・・君は覚えてないんだね」
「・・・なに・・・を?」
「よっちゃんが覚えていないことをあなた方は心底嬉しかったでしょうね。
大人が寄って集って一人の子供が死んだことを子供に罪を着せることに成功した。
お陰で僕はゆっちんのためにもよっちゃんのためにも必ず戻ってくると思いました。
あの人たちではいつかよっちゃんも殺すだろうと思っていた。
案の定、よっちゃんは入退院を繰りかし異常な状態が続いている。
僕と付き合い始めて元気になってきたよっちゃんをみて、お母さんはこういったそうですね。
あなたは体が弱いのだから元気は勘違いだと。
あの時、ゆっちんを殺したのは・・・」

そう、この時、思い出したんだ。

年の離れたお兄ちゃんが遊んでいてくれたことを。
ゆっちんが倒れたときのことを。
その瞬間を。

「殺したのは、あなたよ」

彼に向かってそう言った。




08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

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コメント

ゾーっとしますね。
最後のセリフは彼女のものですよね。
家族を選んだってこと・・・・ですよね。
海のいるか |  2010.04.05(月) 09:18 | URL |  【編集】

海のいるかさんへ

そうそう!彼女の台詞ですが家族を選んだんじゃなくて本当に彼女が犯人でした・・・(怖)
余計酷いラストでした(汗)

ひぃいいい!!><;;;
日下ヒカル |  2010.04.05(月) 20:36 | URL |  【編集】

虐待(T_T)……かと思ったら、主人公の女の子の犯行とは……。
きゃああああ~~!!!
ライム |  2010.04.06(火) 00:30 | URL |  【編集】

ライムさんへ

犯人はとなりにぃいい~~~見たいな(;^_^A
だーりんもこればっかりは驚いたでしょうね。
助けたつもりが犯人そのものだったとなると・・・
日下ヒカル |  2010.04.06(火) 08:37 | URL |  【編集】

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