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2010.03.29 (Mon)

「涙が枯れるっていうけど、枯れることなんてないわね」
そういったのは一年前の今日だった。

悲しみが減れば泣きやめるのかもしれないが涙は勝手に出てくる。
時と場所もかまわずに勝手に出てくる。

「変わったわね。あなたも」

結婚後、すぐに別れた。
そしてすぐに、僕は死んだ。

墓前に立つ彼女はショートカットだった髪が伸び肩についていた。
あの時僕はもう全てが終りの幕を降ろしていくのがわかっていた。
僕自身の命も。
もう持たないと。

別れを言われたとき、安心した。

これで、残せるものはない。
たとえ僕が死んでも辛い思いをさせないだろうと。

別れてすぐ、僕は病院に行った。
そして入院。
触らなくなった携帯電話のショートカットキー。
彼女に繋がるホットライン。
何度もメールボックスを見ては彼女の書いた文章を読みその時々を思い出していた。

ある日、突然容態が変化しそれすらも叶わなくなった頃彼女に僕の状態を誰かが伝えたらしい。
彼女は別れるまえと同じ様に振る舞い僕のベッド脇に座った。
手を握り、ゆっくりと僕を抱き寄せた。

その匂いはただ涙を永遠に止まらないかと思うほど、流させるものだった。

しばらくして、僕は死んだ。
誰も親族がいない僕を彼女は引き取り墓まで建ててくれた。
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

一年後の今日。

僕はまた彼女に会えるとは思っていなかった。

ありがとう。
僕の大好きなあなたへ。
生きることができなくなった。
それが、僕は悲しいと初めて思えた。
別れたのは間違いだったとはおもわない。
君を置いていくのは辛い。
それなら僕を忘れこれからの人生を生きて欲しい。
でも、覚えていてくれる君の心が嬉しい。
涙は枯れない。
本当に僕は泣き続けて頭が痛い。
枯れたときはきっとわらっているだろう。
もう一度君に会いたい。

大好きなあなたへ



08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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