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たった一度の経験を

2010.06.14 (Mon)

人生は一度きり。

ううん、そんなことない。
だって私は二度目の人生を送っているんだもの。

一度きりの経験。
本当は、普通は、そうなんだろうな。

でも私は死んでしまった。
殺されてしまったの。
見知らぬ男に。

その男が言うには「誰でもいいから殺してみたかった。たった一度でいいから」だって。

私はそんな男に突然命を奪われ、死んだ。
道のど真ん中で、冷たいアスファルトに包まれながら。

私はたった一つ願った。
今を生きようとするのが無理なのなら、私は彼の元にどんな形でもいいから側にいられる何かになりたいと。

そうして、目が覚めると生きることをあきらめた女の子と魂を入れ替えて私は目覚めた。
まったくの別人になって。

この子の両親はまったくの無関心だった。
自殺しようとしたわが子。
本当は魂は死んでしまったあの子。

退院のときも迎えに来なかった。
家に帰ると私は一人暮らしをしていた。

たった、14才で。

驚いたが、都合はいいと感じた。

しかし、14歳の子が彼と付き合えるのかなぁ・・・
29歳の彼と。
どうやって側に行くか。
どうやって声をかけるか。

困ったなぁ・・・

中学生じゃん。
私。


「あの・・・」
しょうがないから、突然声をかけてみた。
会社帰りの彼に。
全身で不審な視線を私に浴びせる。
「約束」
「・・・?」
「戻ってくるって約束したから。戻ってきた。体は別の人のだけど・・・」
「・・・??」
「私だよ。わかる?」

たぶん、一時間くらい黙ってその場所に立っていた。

私にはこれ以上伝えることがない。
信じてもらうしか。

私だということを。


「ロリコンかよ・・・」


その言葉に噴出して笑いが止まらなくなったのは、私だった。


08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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