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時空間転送

2010.07.20 (Tue)

僕とたった一人の彼女の話。

これは小さな僕と大人の彼女との恋の話だけれど誰も信じてくれなかった。
だから僕は死んでしまった彼女を取り戻すためにある装置の前に立っている。

ある一定の時間を切り取って繋げる。

とんでもない発想をした博士が現実的にその装置を開発した。
実用段階にいたるまで。
政府にとってはとんでもないことだった。
いや、全世界にとって脅威だっただろう。
ただその発明を失いたくはなかった。
しかし他人の手にあるその脅威を放っておく事は出来ず強行手段に出た。

誰一人、僕がこの場に居るとは知らずに。

「博士、僕の我侭でこんなことお願いしてごめんね」
「いや、君の我侭ではないよ。私も実際の成果は欲しい。だがその勇気がなかった」
「もし僕が時空を操作したらこの時間帯はどうなるの?」
「タイムラインはひとつだ。それに変化はない。どのように操作しても同じライン上になる。
過去に戻れても現在時刻へつなぐ必要がある。つまり、今このタイムライン上の今は私たちにとって最大値だ。
それを超えることも縮めることも出来ない。
最小値は自分達で設定できるが、変更した時空間を最大値までつじつまが合うようにしなければタイムラインは崩壊する。多少強引でもその作業が必要だ」
「なんだか難しいな」
「最大値は移動した瞬間だ。それいこうのタイムラインに君は存在しないのだから」
「うん」
「あのパズルだ。あのパズルをうまくつなげば完成する」
「わかった」

「では、はじめよう」

複数の人間の足音が響いた。
なんとなく予想していた範囲だったがこんなに早く政府が行動を起こすとは思っていなかった。
博士は自分の死を予感していたのだろう。
ただの近所の子供である僕にこの装置の使い方を教えたのだから。
概念も。

でもよく理解できていないけれど。

「博士、僕ちゃんと救えるかな」
「それは君次第だ。愛する人を守れるのは君だけだ」
「行ってきます」

「動くな!タイムラー博士!」
「動くな!全包囲しろ!」
「動くなぁ!」
「待て!馬鹿撃つな!」

響いた銃声と博士の心臓から出た血がスローモーションに見えた。
ゆっくりとゆがむ顔を見ながら僕はこのタイムライン上から存在を消した。

「刹那、お前にしかできないんだ」

それが博士の口から読み取れた最後の言葉。



08:00  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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コメント

ドクだぁ~!
続きが読みたくなります!
カゼノオ~ |  2010.07.20(火) 10:28 | URL |  【編集】

カゼノオ~さんへ

一話完結型にしたのでシリーズ化してませんが続きますよ~(笑)
長編なのに、どれでも一話見ただけでも楽しめる作品というのにチャレンジ中です。

いつまで続くか・・・(汗)
日下ヒカル |  2010.07.20(火) 19:00 | URL |  【編集】

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