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子供

2010.09.17 (Fri)

私がこの河に着いたのは死んだからなんだろうという予測は出来た。
気がかりなのは、ここが賽の河原だという事だ。

「あの、私はいつ死んだのかわかります?」

船頭のおじいさんに聞いてみるが何も話してくれない。

賽の河原は確か親より先に死んだものがたどり着く場所。
親になった私なら着くはずがない。

・・・よね?

ということは、あの子は産まれなかったのかな?
でもそれなら、あの子だって一緒の船に乗ってても不思議じゃないんだけど。

「ここで降りなさい」

そういわれて降り立った賽の河原へようこそ!と書いてある立て看板。
小学校で作る紙の花で飾られ折り紙のわっか付き。
イメージと違うなぁ。

パンパンパンパン!!!

クラッカーのなる音が突然背後から。
驚いて身を伏せ耳をふさぐ。

なに?

「おめでとー!」

子供たちが沢山集まっていた。
ニコニコと笑った子供たちが口々におめでとうといって私に抱きついてくる。

何事?

すると、明らかに怖ろしい鬼が現れた。

これがあのうわさの鬼ですか?

めっちゃ怖いんですけど・・・。

「大丈夫だよ!鬼さん感激して泣いてたんだから」

からかうように鬼の体を叩いたり、上ったりして抱っこされたりする子供たち。
顔とは裏腹にとてもやさしい方のようだ。
確かに、先ほどからタオルで涙をぬぐい子供から渡されるティッシュで鼻をちーんってしている。

「あの、何がおめでとうなの?」

きょとんとした顔で聞いてみると、子供たちは大きな声で言った。

「出産おめでとう!」

その声が合図だった。

鬼が突然思いっきり突き飛ばして、私はあっという間に河の向こう側に吹っ飛ばされた。

(うわ!)

「あ!目が覚めた!!目を開けた!助かったぞ!」

(・・・あれ?なんか身動きが出来ない)

「吸引だ!新生児中秋治療室へ急げ!」

「はい!」

(へ?!新生児って・・・私が?!)

「母親の方は?!」

(わたしですってばー!)

「残念ながら・・・」

(鬼さん!なんかまちがってない?!)

”間違ってない お前の旦那が望んだ。お前さんは助からない。せめて生まれ変わりを祈ったんだ”

(そんなぁ!助けてよ!)

”無理だ。俺に出来るのはここまでだ。記憶はそのうちなくなる。そばにいてやれ”

(えぇーーー!!?)


10年後

「そういえば、パパ。ママに約束したでしょ?」
「約束?」
「そう!10年経ったらプレゼントしてくれるって!」
「・・・え?」
「お姫様ベッド!!ほしいって言ったじゃん!」
「お前、何でそれを・・・」
「あ・・・しまった」

記憶は薄れるどころか覚えている。
でも私はママとは違う。
ママの記憶を覚えているだけの存在。

ママは私を必死に生んだ事も覚えてる。

大好きよ!ママ!

パパにちゃんとねだりますから!まっかせといて!



08:00  |  賽の河原  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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