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ANDIS mission 3

2010.10.16 (Sat)

「じゃ、今日から仕事よろしくね」
「はい!」
「えっと・・・初めてだったよね?この仕事」
「はい!」
「じゃぁ、決まりがひとつだけあるけど性的なサービスは一切禁止だからね」
「はい!」
「あと、お客さんとプライベートで会うのも禁止」
「はい!」

司は緊張の度合いを限界に感じながらも必死に笑顔を努力していた。

キャバクラのように見える店内だが、実は単なる風俗の店である。
司は幼い頭で必死に考え生活するのにまったくの貯金の無い状態で生きる事を選んだ。
正しいかどうかといわれれば、あまり進められない方法ではあるが許せるギリギリのラインでこの仕事を選んでいた。

「触らせるだけ・・・ね」

呆れたようにつぶやく司の横には、普段自分達を律する立場の大人が次々と沸いて溢れかえる。
「時間をかけて出来上がったのがこんな大人・・・ね」
司の横を通り過ぎたとても美人な顔の女性がこぼして言った言葉。
その通りだと思った司は指定された部屋に入り待機した。

ピンク色の店内。
薄暗い証明。
長くやわらかいソファーがひとつ。
小さなテーブルと見たこともない何か。
何に使うのか理解できないそれに司は単なるインテリアだと考えた。
カーテンのようなうす布が店内の天井から垂れ下がり視界を遮る様に配置されている。

トントン

壁がノックされる。

「はい?」

壁に向かって返事をすると、先ほどの女性が壁の隙間から司の部屋を覗き込んでいた。

「ここ、隙間があるから。何かあったら言ってね。隣の柴原、よろしくね」
「よろしくお願いします。つか・・・いえ、えっと・・・」
「名前は決まってからでいいよ。新人さん」
「あ・・はい」

司の源氏名はまだ決まっていない。

「いらっしゃいま・・・」
「・・・マジで?」
「・・・」

司は真っ青になった。
入ってきた客は驚きの顔になった。

「ここに今日新人が入るって柴原から教えてもらってたんで来たんだけどね」
「いつも、来られるんですか・・・?」

下を向いた司はばつ悪そうに話す。

「うん。俺、恋愛とか苦手でこういうビジネスで割り切った方がわかりやすいから」
「割り切った方が?」
「うん。でもまさか、こんな店を選ぶとは驚いた。その覚悟はあるの?経験も?」
「・・・」
「ま、俺が初の客でよかったんじゃない?途中でイヤだといって逃げやすいでしょ?」
「そっそんな事しません!!」
「ふ~ん。じゃ、遠慮しなくいいんだね?」

ここで「うん」といえない自分に苛立った司は目に沢山の汗を溜めて溢れさせた。

「涙?」
「大量の汗です」
「汗ね・・・」

苦笑する男は遠慮せず続ける。
どんどん奥へすり抜けていく手は止まらない。

「ぎゃぁ!!」

悲鳴というよりは奇声を上げてソファーから転がり落ちた。

「どっどうした?!」

驚いた男は手を伸ばし抱き上げた。

「く・・・くすぐったいです・・・それは我慢できません」
「くすぐったいって・・・おなか触っただけで・・・」
「む・・・無理です。それだけはご勘弁を・・・」

あまりに怯える顔を見た男は腹を抱えて笑い出した。

「それじゃ、何も出来ないじゃん」
「あの!!この仕事してる事はアパートの皆には内緒にしてほしいんですけど・・・」
「なんで?」
「え?!だって・・・あんまり・・・その・・・」
「別に平気だよ。皆大人だから」
「え?どういう」
「他人のことなんて、どうでもいいんだよ。他人の人生に首突っ込むほど責任も持てないし。
自己責任で行動するしかない。気づいていると思うけど、あのアパートは訳ありしか来ないからね」
「はい・・・」
「でも、俺口出していい?」
「は?!」
「司は今日でここ辞めて、とりあえずユキの店の方がいいと思う」
「話し違いませんか?!」
「いいから、いいから。早く支度して!帰るよ!」
「いや、あの、ちょっと!困ります!本当にお金ないから今日食べる御飯も・・・」
「柴原!こいつ、失格!連れてかえるから!」

手を引っ張る力は振りほどく事ができず、夜の街に叫び声と強引な言葉が響いた。

「ごーはーん!!」

司にはその言葉だけが頭を支配し、ただただこの先の生活が心配だった。


「で、つれて帰ってきたの?」
紅茶を注ぎながら律は呆れた声で話しかけた。
「そう」
「仕事に口出しするのは賛成できかねるが、何でまたそんな面倒な事を?」
「律って相変わらずだな。俺は心配な事はちゃんと心配だと相手に伝えるの!」
「だからってお前が司の生活面同見れるわけじゃないだろう?」
「そうだけど・・・」

明るい共同のキッチンがある部屋に帰ってきて司は気づいた。
この男性が自分の考えている人ではないと。

「私てっきり律さんだと思ったんだけど、あなたは・・・」
「え?誰かわかってなかったの?」
「律さんだと思ってた」
「よく言われるんだよね、この格好してると。俺、カレンだよ」
「・・・マジで?」

その言葉の後に、盛大な司の腹の音が部屋中に響いた。

「い・・・いやぁ!!」

顔を真っ赤にした司は豪華な食卓テーブルクロスの中に入り込んだ。

20:54  |  ANDIS  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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