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2010.12.06 (Mon)

その二人が目の前に立っている理由は僕にはわかっていた。
だが二人は能面をつけたような顔でじっと僕を見続け口だけ動かした。

「わたくし達はすべき事をしているのです」

嘘だ。
彼らの嘘を僕は知っている。

「いいえ。君達は何もしていない」
「そんな事はございません。わたくし達はすべき事を確実に行っております」
「僕にはしているとは思えない」
「えぇ、あなたにはそう思われるかもしれません。ですが、それは間違いです」
「僕が何もわかってないと思っているような発言は聞き捨てなら無い」
「とんでもございません!」

こんなやり取りをし続けもう三日目になった。
流石の僕も疲れてきた。

何を話しても、何を言葉にしても、漂う全ての感情は無機質な生物を通り抜け
何事も無かったかのように時間は過ぎていく。

「それで、結局その二人が嘘ついてたの?」
「いや、嘘じゃないんだと思う。けれど嘘なんだ」
「なによ、それ」
「僕が言っていることをわかってくれないというよりは、理解できないと言った方が正しい。
僕が言う言葉は彼らにとって余りにも難しい言葉のようだから、噛み砕いて説明しても
異国語のように聞こえているんだろう」
「暖簾に腕押しってやつ?」
「僕にとってはね」

「それじゃぁ、あなたの主張は何だったの?」
「僕が求めたのは証拠だよ。彼らが僕の要望を答えた証拠を用意して欲しい。それだけだ」
「それだけ?」
「そうだよ」
「証拠をそろえればあなたの主張が通るの?」
「そう。全て出揃えば僕の勝ち」
「揃わなかったら?」
「僕の負けだね」

「嘘をついている彼らに何の徳があるのかしら?」
「さぁ、自分の自尊心を守る事と社会的地位を守るくらいじゃないかな?」
「つまり、客商売でも客は二の次って事ね」
「そうだね。客はあくまで自分の心材を引き立たせる脇役でしかない」
「あなたの主張は?」
「僕は正しい。そう、僕は正しいことを言っている」

「どんな言葉?」

「君達が仕事をした証拠が欲しい。それだけだよ」

「嘘、あなたは嘘を言ってる」
「嘘を?何故君に嘘を言う必要が?」
「そうよ、きっとあなたはなにかの核心部分を嘘ついている」
「そうかな?僕の嘘はもっと違う場所にある気がする」
「嘘?!そんなことないわ」

「彼らは嘘をついている。でも僕は嘘をついていない」
「それが嘘なのよ」

「君には嘘でも僕には真実なんだよ」


15:28  |  短編小説  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

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コメント

思考を司る脳味噌と
精神を司る魂の会話・・・
ヒトは知らず知らず
この様な会話をしているのでしょうね。


カゼノオ~ |  2010.12.11(土) 01:59 | URL |  【編集】

カゼノオ~さんへ

おぉ・・・なんだか、知的なコメント(@@;

どれが嘘でどれが本当なのか、実際「嘘だよ」なんて言っている人がどこまでを嘘といっているのか不安になる事があったりします(汗)
日下ヒカル |  2010.12.13(月) 08:38 | URL |  【編集】

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